交通事故

弁護士監修記事 2017年12月27日

死亡事故の加害者に厳罰を望む場合に遺族ができること【弁護士Q&A】

交通事故で大切な家族を失った場合、加害者に厳重な処罰を望む遺族の方もいるでしょう。そのために遺族ができることはあるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 加害者に厳罰を与えたいときに遺族ができること
  2. 厳罰を求めるために被害者遺族ができることは?
  3. まとめ

加害者に厳罰を与えたいときに遺族ができること

alt 死亡事故の遺族が、加害者に対して厳罰を望むとき、刑事手続きに関わることはできるのでしょうか。

交通死亡事故の加害者に厳罰を望むには(当方は遺族です)


相談者の疑問
69歳の父が交通事故で亡くなりました。

事故状況は、父が250㏄のバイクで、センターラインのある市道を直進中、十字路交差点(信号無、一時停止標識無)右方から直進の軽乗用車と出合い頭衝突で、父は病院搬送後、死亡確認されました。

相手は逮捕されず、在宅で捜査中のようです。相手は外国人なので、身柄引受人である、会社の上司の電話番号を警察から教えられ、事故翌日数回電話したところ、留守電で、メッセージを残しても応答がありませんでした。

その翌日も留守電なので、警察に相談したところ、警察から相手に連絡してくれたようで、相手の上司から連絡ありました。

告別式に参列するよう言いましたが、当日、式中にやってきました。葬儀後は、全く連絡がありません。

可能な限りの厳罰に処してほしいのですが、私たち遺族は何をすればいいでしょうか。相手は無制限の任意保険に加入しています。父は今のところ、自賠責の保険しか見つからないので、当方は私選弁護士を依頼しようと思っています。

賠償金は保険会社が払うでしょうが、罰金刑の場合の罰金は自腹なのでしょうか。禁固や懲役は望めますか?やはり執行猶予はついてしまうのでしょうか。


大谷 有紀弁護士
罰金は被告人が支払います。遺族の調書もとるでしょうから、その際に思いのたけを込めることです。刑事裁判に被害者参加をすべきでしょう。執行猶予判決になる可能性はありますが、遺族としては許すことができない事情を積極的に語ることが必要でしょう。

民事事件では、会社の業務中ということであれば、加害者個人だけではなく会社を使用者として損害賠償請求をすることになるでしょう。弁護士に依頼するべきです。

調書をとる際に厳罰を求める意思をしっかりと伝えることや、被害者参加の形で刑事裁判に参加するという方法が考えられるようです。

厳罰を求めるために被害者遺族ができることは?

alt 具体的に、遺族はどのような形で刑事手続きに関わることができるのでしょうか。

スマートフォン操作による前方不注意の死亡交通事故


相談者の疑問
路側帯を歩行中だった母が、対向の自動車にはねられ亡くなりました。

加害者の車は、スマートフォン操作なのか前方不注意でガードレールに1度当たり、被害者をはねた後、別のバイクにも当たって停車したとのことです。

加害者には厳罰を望んでおりますが、実際にはどのような処分になるでしょうか?また、遺族側として出来ることは限られているのでしょうか?

被害者側遺族が知らないまま加害者の起訴・不起訴が決定されるのでしょうか?


瀧口 勇弁護士
> 加害者には 厳罰を望んでおりますが、実際にはどのような処分になるでしょうか?

加害者の前科の有無や過失の対応などにもよりますが、過失による死亡事故で被害者遺族が厳罰を望む場合には、初犯であっても、執行猶予付きの懲役刑となる可能性が高いように思います。

> また、遺族側として出来ることは限られているのでしょうか?

検察庁に希望すれば、刑事裁判に参加し、被告人に対して質問をしたり、意見を述べたりすることができる場合があります(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html#4)。

また、民事的にも、加害者に対して、損害賠償請求が可能です。弁護士を代理人にたてることをおすすめします。

> 被害者側遺族が知らないまま 加害者の起訴・不起訴が決定されるのでしょうか?

「被害者等通知制度」(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-2.html)により、処分結果を確認することが可能です。検察庁に確認してみてください。


藤本 一郎弁護士
> 加害者には 厳罰を望んでおりますが、実際にはどのような処分になるでしょうか?

略式請求ではなく、公判請求され、正式裁判が行われることになると思います。結果は、前科前歴がなければ、執行猶予付判決となる可能性が高いと思います。

> また、遺族側として出来ることは限られているのでしょうか?

被害者参加制度を利用し、公判への出席、被告人への質問、意見陳述などの手段をとることが可能です。これらの手段を利用して、事故態様や被告人の反省状況などを問いただします。また、遺族の気持ちを裁判所に伝え、刑を決める際に考慮してもらうようにします。

> 被害者側遺族が知らないまま 加害者の起訴・不起訴が決定されるのでしょうか?

通常、処分を決める前に遺族調書の作成があるため、遺族が知らないまま起訴・不起訴が決まることはないと思います。不安であれば、検察官に、処分を決める前に連絡を欲しいと伝えておけばいいと思います。

刑事事件への対処、その後の損害賠償請求のことを考えれば、弁護士に依頼することを検討された方がいいと思います。

被害者遺族が検察庁に希望することで、刑事裁判に参加し、加害者への質問や意見を述べることができる場合があるようです。遺族の気持ちを裁判所に伝えることで、刑を決める際に考慮される可能性もあるでしょう。 加害者が起訴されたかどうかは、基本的には遺族も知ることができるようです。不安な場合は、被害者等通知制度を利用するか、事前に検察官に対して、「加害者の処罰が決まる前に連絡がほしい」と伝えておくといいでしょう。

まとめ

死亡事故の加害者を厳重に処罰してほしい場合、遺族の調書を取る際にその意思をしっかり伝えることや、刑事裁判に参加して意見を述べることなどが重要です。 加害者に対して言い渡された処罰については、基本的には遺族も知ることができるようです。不安な場合は、被害者等通知制度を利用するか、事前に検察官に対して判決の連絡がほしいと伝えておくといいでしょう。

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