【交通事故】高次脳機能障害が後遺障害と認められるケース【弁護士Q&A】

交通事故の被害にあい、「高次脳機能障害」と診断された場合、後遺障害認定等級を受けることはできるのでしょうか。 そもそも高次脳機能障害と診断されるのはどのような場合で、どのような症状が出ていると後遺障害に認定されるのでしょうか。

  • 後遺障害に認定される判断のポイントは?
  • 症状固定する時期は?

みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 高次脳機能障害の判断基準や等級の決まり方は?
  2. 高次脳機能障害の「症状固定」はいつ?

高次脳機能障害の判断基準や等級の決まり方は?

「高次脳機能障害」と診断された場合、後遺障害等級認定を受けることができるのでしょうか。

脳を損傷した場合の後遺症等級について

相談者の疑問 2か月ほど前、父が交通事故にあいまして、頭を強く打ち入院しております。

今ようやく会話できる状態になってきましたかが、いま自分がどこにいるのかわからない、何度も同じことを聞く、事故のことはまったく覚えていない、という状態です。

体も麻痺があり、満足に歩けません。脳の画像でも、損傷箇所が何か所か、脳梗塞のような画像も散見されています。

このような場合、高次脳機能障害となるのでしょうか?また、現在の状態ですと、何級に認定される可能性がありますでしょうか?

矢形 幸之助の写真 弁護士の回答矢形 幸之助弁護士 機構が高次脳機能障害を認定する判断要素は、事故時の意識の有無程度、画像所見、臨床試験の結果と言われています。

症状固定がされているか存じませんが、事前認定か被害者請求による方法で、認定請求を検討されて下さい。

池田 毅の写真 弁護士の回答池田 毅弁護士 まずは、お医者さんに説明を聞いて下さい。高次脳機能障害かどうかの診断基準も存在します。

損害賠償金の請求の場面では、そのような診断をもとに、損保料率機構が認定する等級が基本となります。

何級に該当しそうかということは、ご質問の状況だけでは判断できませんので、ぜひ弁護士に相談してほしいのですが、高次脳機能障害に限って言えば、理解力や社会行動能力などを総合的に判断して、自力である程度できるのか、援助がどの程度必要かによってランク付けされています。

たとえば、困難はあるがかなりの援助があれば出来る(半分喪失)状態では7級などと認定されています。

症状が高次脳機能障害かどうかは、医師が診断します。 そして、その診断を元に損害保険料率算出機構という機関が、高次脳機能障害が後遺障害にあたるかどうか、等級はどのくらいかを調査・判断することになります。 後遺障害等級の判断要素は、事故時の意識の有無やその程度、画像診断、臨床試験の結果などのようです。 社会生活を送る上でどのくらい援助が必要なのか、という点も判断要素となるでしょう。

高次脳機能障害の「症状固定」はいつ?

後遺障害等級申請は、ケガなどの治療を続けて、「症状固定」の状態になった後に行います。 症状固定とは、「これ以上治療をしてもよくならない」「将来も回復が見込めない」という状態のことです。 交通事故で高次脳機能障害を負った場合、症状固定と判断されるまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

高次脳機能障害の症状固定時期について

相談者の疑問 当時14歳(中2)だった娘が下校中に交通事故の被害にあい、間もなく丸3年が経ちます。

外傷性てんかんと高次脳機能障害で今も通院中です。それぞれ違う病院に通院しています。
外傷性てんかんの方では『もう症状固定して良いでしょう』と言われてるのですが、高次脳機能障害の主治医は、

①「まだ17歳という思春期の年齢的に、固定には早い。あと最低でも1年して、就労できるのか、その時に悪化しないかをみないと」

②「てんかんの方の病院で後遺症診断書を書いても結局、こちらとの時期が違いすぎるから、こちらで固定となる時にまとめて私が書くことになるでしょう。そもそも、後遺症の診断書は1枚のはず」と仰ってました。

私としては、固定したとしても娘に必要なリハビリや訓練は続けるつもりですが、それを伝えても「固定にはしない」との一点張りでした。

3年での症状固定がそんなに早いものなのか、相応しくないのか分かりません。思春期に患った高次脳機能障害の症状固定時期について、どうお考えですか?

丹羽 錬の写真 弁護士の回答丹羽 錬弁護士 1 症状固定の時期
高次脳機能障害の症状固定時期について、成人の被害者については、急性期の症状が回復し、安定した後の受傷後少なくとも1年程度経過した時点が目安とされています。

ただ、乳幼児については、その症状の回復について脳の可塑性と家庭における養護性の影響が大きいことから、これらを踏まえた適正な経過観察期間を経た後に症状固定とする必要があるとされています。

事故時14歳ということで、乳幼児には該当しないのでしょうが、成人になる前の高次脳機能障害者の症状固定時期については、判断が難しいと考えられます。

主治医の先生の「就労できるのか」「悪化しないのか」確認しなければならないという説明からすると、未だ「適正な経過観察期間」を経ていないという判断をなされているのだと考えられます。

高次脳機能障害の場合は、症状固定以後の将来治療費についても、損害として認められる可能性がありますが、一般論としては、症状固定と判断されると、それ以後の治療費は加害者の負担ではなくなってしまいます。

そもそも症状固定の判断は一義的には医師が行うものですし、主治医の先生の判断を尊重されても宜しいのではないかと考えられます。

後遺障害として高次脳機能障害が残存しているのであれば、いずれにしても弁護士に相談された方が宜しい事案かと考えます。
資料等を持参の上、高次脳機能障害に精通した弁護士に適宜相談された方が宜しいかと存じます。

2 後遺障害診断書の作成について
一般論としましては、後遺障害診断書が1枚である必要はありません。整形外科と耳鼻咽喉科に通われているような場合は、当然、それぞれの病院で後遺障害診断書を作成頂くことになります。

ただ、高次脳機能障害については、後遺障害診断書と一緒に提出する「神経系統の障害に関する医学的意見」の中に、「てんかん発作の有無」という項目があり、高次脳機能障害の後遺障害診断書を作成された医師に、てんかん発作の有無や頻度等を記載頂く必要があります。

そういう意味で1枚と仰られたのではないかと想像されます。

外傷性てんかんについて、他院に通院されているのであれば、他院にて、外傷性てんかんについて詳細な後遺障害診断書を作成いただいてもよろしいかと存じます。

高次脳機能障害の症状固定時期は、年齢によって異なるようです。 成長期の子どもの場合、より慎重に経過を見守る必要があり、成人に比べて判断が難しいといえそうです。 症状固定の時期については、主治医の意見を尊重するといいでしょう。 後遺障害等級認定の申請を検討している場合は、資料などを揃えた上で、弁護士への相談を考えることもおすすめします。

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