長年乗ってきた愛車が交通事故で壊れたとき支払ってもらえる修理費用の範囲

長年乗っていた大切な愛車が事故で壊れた場合、できることなら保険会社に対して、修理費用を全額請求したいと思う人もいるでしょう。

  • 修理費用はいくらまで請求できる?
  • 中古車の時価額の目安は?
  • 持出し分を加害者に請求できる?

こうした疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 車の修理費用を全額負担してもらえる?
  2. 中古車の時価額の目安は?
  3. 持出し分を加害者に請求できる?

車の修理費用を全額負担してもらえる?

購入してから年数が経過している車の修理費用を、全額支払ってもらうことはできるのでしょうか。

交通物損事故の損害賠償額について

相談者の疑問 車の物損事故の賠償金について教えて下さい。

一時停止の標識があり、停止していたところへ、後ろから追突されました。 後部バンパー及び後部扉が凹みました。見積もりを出したところ、50万円でした。

ところが、相手方保険会社からは私の車(トヨタWish)が12年前に購入したものであることから、査定の18万円しか出せないと言われました。

さらに悪いことには、相手方保険会社の支払限界額を超えた残りの修理額を相手方個人に請求することも、10年以上超えた車なので不可能だという法律があることも初めて知りました。

何も非がない私が残りの金額全てを支払う必要が果たして本当にあるのでしょうか?到底納得がいきません。なんとか、修理代金を全額負担させる方法はないのでしょうか?

湯本 良明の写真 弁護士の回答湯本 良明弁護士 修理費用が車両の時価額と買替諸費用との合計額を上回る場合は、経済的全損として車両時価額と買替え諸費用の限度でしか賠償を受けられないのが実務です。

ですから、本件においても、車両時価額と買替え諸費用が50万円を下回るのであれば、その限度でしか賠償は受けられないということになると考えられます。

なお、車両時価額は、中古車市場価格で算定すべきですので、インターネットなどで事故車と同車種、同年式、同程度の走行距離の中古車を検索して、中古車市場価格を調査し、保険会社に提示してみるとよいと思います。

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中古車の時価額の目安は?

賠償金の算定にあたって、車の時価額は重要なポイントです。 では、加害者側の保険会社に時価額を低く査定された場合でも、妥当な金額なのでしょうか?

経済的全損の金額の根拠に納得できないのですが

相談者の疑問 センターラインオーバーのわき見運転の車に衝突され、責任割合が10:0になりました。修理費見積りは45万円ですが、あなたの車の価値は13万円なので13万円しか払いませんと保険会社に言われ困り果てています。

自動車車両損害調査報告書を保険会社から入手したところ、減価償却による評価欄にマーカーが引かれており新車価格が130万円なので13万円との計算でした。

その他市場価格の評価欄なども有りますがこちらは無記入です。ネットで同じ車種、年式の物は30万円程度で販売されていますが、13万円で泣き寝入りするしかないのでしょうか?

弁護士の写真 弁護士の回答 保険会社は毎月発行されるレッドブックと呼ばれる中古車価格が掲載された専門誌を根拠に時価額を提示することが多いのですが、年式が古い車両の時価額は載っていません。

その場合には、新車価格の1割を時価額とすることが多いと思います。

保険会社の出している金額は特に合理的根拠がある金額ではありませんので、実際の売買価格の方が優先されると思います。

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持出し分を加害者に請求できる?

保険会社から提示された金額では持出しが発生する場合、その分を加害者に直接請求することはできるのでしょうか。

経済的全損の金額の根拠に納得できないのですが

相談者の疑問 先日、家の前に車を駐車していたら突然別の車からぶつけられました。10:0で相手が悪いのですが、損保会社が提示してきた金額に納得がいかず未だ解決していません。

修理する場合
・修理代54万円全額の支払い
※修理内容
・次回買い替える時に下取りしてもらえない
・現在使用中のホイールが販売停止のため同じ物はない

乗り換えの場合
・車体の平均価格20万円のみの支払い

修理しても完璧に元通りにはならないので、乗り換えを希望しています。

以上の事を損保会社に言ったのですが全然相手にされません。

被害者なのに、会社に迷惑が掛かるわ車は20万円程度で済まされるわで、本当に納得がいってません!しかも、損保会社が探した車は同じ車種でも型が違うし色も違ってて、金額が40万円以上…。損した上に手払いが発生するなんて絶対ありえません。

この場合、私はどこまで請求できますか?今まで乗ってた車が型の古い車でも20万円じゃ元通りにはなりません。損保会社はなかなか金額を上げてくれないので、足りない分を加害者側に請求しても大丈夫ですか?

弁護士の写真 弁護士の回答 Q1 この場合、私はどこまで請求できますか?今まで乗ってた車が型の古い車でも20万円じゃ元通りにはなりません。

残念ですが、相手の保険会社の提案は妥当なものと考えられます。

なぜなら、交通事故における賠償の目的は、あくまでも「交通事故がなかったならば維持していたであろう利益状況を回復すること」にあります。

そして、法律的には、①車両を修理すること、あるいは②同一車種を中古車で購入することで、事故前の利益状況を回復できると考えられるのです。

本件では、修理するのであれば修理費用が全額支払われるとのことですし、一応中古車価格を参考に算定した時価額で賠償が行われるとのことですので、相手保険会社の提案には不合理な点は見られません。

むしろ、一般的には、修理費用が車両の時価額を超えている場合、車両の時価額の範囲内でしか賠償は認められませんので、相手保険会社の提案は良心的とすらいえます(おそらく相手の保険に「対物超過」がついているのでしょうが)。

とはいえ、もし保険会社が提示した時価額(20万円)が実際の時価額とかけ離れているなどの事情があるのであれば、貴方がそれを調べて保険会社に提示すれば、保険会社の対応も多少変わる可能性はあります。

Q2 損保会社はなかなか金額を上げてくれないので、足りない分を加害者側に請求しても大丈夫ですか?

それはできません。

保険会社は、あくまでも加害者に代わって交渉し、加害者に代わって賠償を行うにすぎません。
つまり、保険会社が賠償金を支払った場合、法律的には加害者が賠償金を支払ったことになります。

したがって、保険会社から賠償金を受け取った後に、重ねて加害者に賠償金を請求することはできません(もちろん加害者が任意で支払ってくれるなら別ですが)。

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