物損事故

弁護士監修記事 2017年12月25日

納車2日目、こだわりの中古車が追突事故被害に…どんな補償が受けられる?

交通事故によって人がケガをすれば、加害者に対して慰謝料を請求することができます。 では、事故で大切な愛車が壊れて精神的ダメージを負った場合には、どのような補償を受けられるのでしょうか。事故の相手に対して、修理費以外に、慰謝料なども請求できるのでしょうか。「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 愛車が納車2日目で事故に…慰謝料を請求できる?
  2. なぜ物損事故では慰謝料が認められない?
  3. 物損事故で請求できる項目は?
  4. まとめ

愛車が納車2日目で事故に…慰謝料を請求できる?

alt 愛車を壊された精神的ダメージについて、事故の相手に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

交差点で追突されました。過失割合0%です。


相談者の疑問
交差点で赤信号なので停止中に後ろから追突されました。こちらの過失は、0%です。

中古で購入しましたが、納車2日目の事故です。こだわりをもって、やっと探した車です。

代車、修理費はすべて相手の保険会社が負担しますが、車に対する格落ち損などの費用は一切出さないとのことです。やっと探した車が2日で事故車になり精神的なダメージははかりしれないです。

代車、修理費以外に慰謝料的な請求はできないでしょうか?


吉田 大輔弁護士
ご心痛のこととお察し致します。

ただ、物損に関する慰謝料は認められていないといえます。他方で、格落ち(評価損)については、車種や年式、走行距離などによっては認められる可能性もなくはないと思います。

一度、弁護士に面談で相談されることをお勧めいたします。

事故で、車などの「もの」が壊れたことに対する慰謝料は、一般的に認められていないようです。 一方、事故車になったことによって、修理をしても、事故前より価値が下がってしまう(格落ち)可能性がある場合は、その分の補償が認められることがあるようです。

なぜ物損事故では慰謝料が認められない?

alt 愛車が事故で壊れた場合、精神的に大きなダメージを受ける人もいるでしょう。新車や、中古でも思い入れのある車ならなおさらです。なぜ、物損被害に対する慰謝料は認められないのでしょうか。

購入したばかりの新車を自宅の駐車場に勝手に入ってきた車にぶつけられた。慰謝料を請求出来るのか?


相談者の疑問
軽の新車を購入して7日目。ほとんど乗らず自宅の駐車場に置いていたら、不法駐車をして自宅の駐車場にバックしてきた車に当てられてしまいました。

私が警察を呼んで事故証明を取りました。相手は損害保険会社の代理店の女性です。事故担当者は電話での対応のみで家に一度も来ません。

修理費用は払うので終わりにしたいとのこと。こちらは新車なので気持ちがおさまりません。災難だと思って泣き寝入りをしなければならないのでしょうか。それなりの賠償、慰謝料を請求できるのでしょうか。


黒岩 英一弁護士
物損については、その修理費用が支払われれば、通常精神的苦痛も慰謝されるものと考えられていますので、慰謝料請求をすることは困難です。

また、ぶつけられた程度であれば、修理代以上の請求をすることは難しいといえます。

法的には修理代までしか請求できない可能性が高いです。

車などの「もの」が壊れた事故の場合、壊れたものを修理することで、精神的ダメージは回復すると考えられていることが、慰謝料を請求できない理由のようです。

物損事故で請求できる項目は?

alt 物損事故では慰謝料を請求できないならば、他にどのような補償を受けることができるのでしょうか。

事故に対する慰謝料について


相談者の疑問
先日、車両同士の事故を受け、過失割合(0:100)の保険判定がおりましたが、当方新車納車からちょうど1か月、走行距離300キロ、1か月点検前の大切な車を修理のみで示談を迫られ、納得がいきません。

当然当方に非がないのにほぼ新車にダメージを受け、慰謝料もしくは車両の格落ち分(事故車扱い、修復歴ありなど)の保障を受けられないかと相手方保険会社の事故担当者に問い合わせたところ、新車程度まで修理できるので格落ち車両にはならず、修理費用以外は一切降りませんと言われました。

事故の加害者は当方にも責任があるように言い、当方が保険を使うのならこちらも保険を使うからと、家にまで乗り込んできており、どうしたらいいのか苦慮しています。

何か相手方から修理費以外の迷惑料、慰謝料、格落ち分の保障費がもらえる手立てはないのでしょうか?


大谷 真司弁護士
おケガのない純然たる物損事故であることを前提にお話しさせていただきます。

■修理費以外の迷惑料、慰謝料

これらは、物損事故の慰謝料請求に関わる問題かと思います。保険会社は、物損事故の慰謝料を支払うことはまずありません。

また、裁判所も、原則として物損事故の慰謝料請求を認めておりません(被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特別の事情が必要になってきます。例えば、単なる新車であるという理由では慰謝料は認めないですし、クラシックカーのコンテストの賞を受賞する程に愛着のある車でも認めない傾向にあります)。

ですので、ご相談者様のケースですと、物損事故の慰謝料請求を求めるのは難しいと思われます。

しかし、本件のように、「事故の加害者は当方にも責任があるように言い、当方が保険を使うのならこちらも保険を使うからと、家にまで乗り込んできており」という行動は、あまりに行きすぎた行動であって、これ自体が、交通事故とは別途、不法行為を構成する余地はあるかと思います。そうすると、慰謝料の請求の余地は出てきます。

*なお、単に謝罪や挨拶がないことを理由とする慰謝料の請求は難しいと思われます。

■格落ち分の補償費

これは、評価損の問題に関わってきます。

評価損とは、①技術上の評価損(修理技術の限界から完全に元通りに修理できない場合に認められる損害)と、②取引上の評価損(実際の取引において、事故車であることが理由となって、中古車市場での価値が低下したと認められる場合の損害)の2つの場合をいいます。

現在では、裁判所は、評価損を認めるような傾向に変化してきました。

事故担当者の「新車程度まで修理出来るので格落ち車両にはならず、修理費用以外は一切降りません」というのは、①の意味での評価損は認められないということを意味しますが、②の意味での評価損が否定されることにはなりません。

中古車市場での低下額については、ディーラーの査定、あるいは、日本自動車査定協会による事故減価額証明書によって証明するのもいいですが、多くの裁判例では、修理代の何割という感覚的な評価で認定する傾向にあります(多いのは修理代の3割前後ですが、もちろん事案によって変わってきます)。

一度、ディーラーの査定、あるいは、事故減価額証明書をとってみてはいかがでしょうか。

車によっては評価損を請求できる場合もあります。評価損の算出方法には様々な考え方があるため、実際に請求をする際には弁護士への相談を検討してもいいでしょう。

まとめ

大切な愛車が事故で壊れた場合でも、事故の相手に慰謝料を請求することは難しいようです。 一方、修理をしても事故前より車の価値が下がってしまう場合は、その分の補償として評価損を請求できる場合があります。

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