交通事故

弁護士監修記事 2017年12月20日

物損事故から人身事故に切り替えるべきケースとは【弁護士Q&Aまとめ】

交通事故が起きた直後は物損事故として処理をされても、数日経ってから身体に痛みなどが出てくることがあります。このような場合、相手の保険会社に治療費や慰謝料を請求するためには、人身事故への切り替えが必要なのでしょうか。

  • 治療費や慰謝料を請求するためには、必ず切り替えなければいけないの?
  • 物損事故から人身事故に切り替えるメリットは?

上記のような疑問について、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 物損事故のままでは、治療費や慰謝料が支払われない?
  2. 人身事故へ切り替えることのメリット
  3. まとめ

物損事故のままでは、治療費や慰謝料が支払われない?

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物損事故でも人身事故と同様の保証を受けれるか?


相談者の疑問
赤信号停車中に居眠り運転の車に追突され、2日後に病院に行き、頚椎捻挫の全治2週間でした。

その場ではこちらも仕事中だったため物損事故で処理しましたが、後日相手保険会社から「今回の事故に関しましては弊社が人身事故同様の保証をいたしますので、治療が終わりましたら慰謝料などの案内をします」と書いてある書面が届きました。

そこで物損事故届けのまま処理いたしましたが、相手保険会社はちゃんと慰謝料などの保証はしてくれるのでしょうか?

ちなみに通院回数100日で症状固定になり現在後遺障害認定の申請中です。


大谷 真司弁護士
物損事故届けのままであっても、診断書をはじめとする医療関係資料がある以上、通常、傷害慰謝料や、後遺障害等級の認定が下りた場合には後遺障害慰謝料などの支払いをしてもらえます。ですので、その点はご安心していただいて問題ありません。

また、初診時に頚椎捻挫の2週間の診断、約7か月の通院期間中、100日の通院回数であれば、ある程度の傷害慰謝料の賠償を求めることができると思います。


好川 久治弁護士
自賠責については、人身事故証明書を提出できない理由書を提出すれば補償を受けられます。任意保険についても、任意保険会社が支払いの意向を示しているなら補償はされます。人身事故であること自体を争わない意向ですから当然です。

(過失割合が)10対ゼロの事案で事故態様を争われる心配もなさそうですので、物損のままでも支障はないでしょう。

治療費や慰謝料について、相手の保険会社が支払うことを認めていて、診断書などもある場合は、人身事故に切り替えなかったとしても支払ってもらえるようです。

人身事故へ切り替えることのメリット

alt 物損事故のままでも、治療費や慰謝料を請求できる可能性があるようです。では、人身事故に切り替えた方がいいのは、どのようなケースなのでしょうか。切り替えることで、どんなメリットがあるのでしょうか。

物損事故にするか、人身事故にするか


相談者の疑問
先日、中学生の子供が、自転車で信号のある十字路を直進中、反対車線の車が右折をしてきて、ぶつかってしまいました。こちらも自転車ですので、10:0ではありません。

ケガは、右鎖骨骨折と右下顎骨に亀裂です。鎖骨骨折は完治まで1~3か月かかると思います。下顎骨は痛みはなく、骨もずれていないので経過観察です。ただし、今後炎症やずれが生じたら固定か手術と言われました。

相手の方は誠実に対応いただきましたが、物損事故にしていただきたいということでした。相手の保険会社の方からは、物損にしても人身にしても保障額は変わらないと言われました。

ですが、知り合いに聞いたところ、骨を折っているなら人身にしないと不利になるのではと言われました。今は警察には物損ということにしてありますが、相手方の意向もあり、実況検分はしてあります。

「物損でもいいのか、やはり人身にしないと後々不利になるのか」教えてください。


好川 久治弁護士
人身にできるなら人身にしておいたほうがよいです。保障の関係では任意保険会社が物損扱いでも保障すると言っているなら問題ありませんが、事故態様について争われる可能性があるなら人身事故にして、きちんとした実況見分調書を作っておくのがベストです。

実況見分をしたとのお話ですが、物損事故では物件事故報告書という警察官のメモ程度の書類しか作成されませんので、万が一細かい事故の態様について争いをされた場合には過失の認定で影響を受ける可能性がないともいえません。

特に、衝突時の信号のサイクル、どの時点で何がどこに見えたかの細かい記録がないと、例えば右折時に青から黄色に変わったというような主張がされると、過失割合は大きく変わってきます。ケガの程度も大きいですから人身事故にしておいたほうがよいです。

物損事故から人身事故に切り替えると、「実況見分調書」が作成されます。事故当時の状況に争いがあるような場合は、過失割合を検討する上で、実況見分調書に書かれた情報が重要なポイントになることもあるようです。 そのため、事故状況に争いが生じそうなケースでは、人身事故に切り替えを検討した方がよいでしょう。

まとめ

相手の保険会社が治療費や慰謝料の支払いに応じる姿勢を見せている場合や、事故当時の状況について争いになる可能性がなければ、必ずしも切り替える必要はないといえそうです。 一方で、人身事故では事故の詳細な記録である「実況見分調書」が作成されます。ケガをしていて、事故状況について争いがある場合は、切替えを検討してもいいでしょう。

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