交通事故

弁護士監修記事 2017年12月19日

【自転車同士の事故】物損から人身への切替えで罪に問われる?弁護士が解説

自転車同士がぶつかった事故で、直後は物損事故として処理されても、事故後数日経ってから身体に痛みなどの症状が出てきた場合に、人身事故への切替えを検討する人もいるでしょう。 このとき、警察から「人身事故に切り替えると、ケガをした方も罪に問われる可能性がある」と指摘を受けるケースがあるようです。どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 自転車同士の事故で人身事故に切り替えると罪に問われる?
  2. 実況見分調書の内容がポイントになるのはどんなとき?
  3. まとめ

自転車同士の事故で人身事故に切り替えると罪に問われる?

alt 自転車同士の事故で、物損事故から人身事故に切り替えた場合、罪に問われる可能性があるのでしょうか。どのような罪なのでしょうか。

自転車同士の事故について、人身と物損どっちが良いですか?


相談者の疑問
先日自転車同士で事故を起こしました。

一時停止や信号のない十字路で、私は広い道の左側を走行していました。相手は道幅1メートル程度の脇道から十字路に向かって走行し、交差点でちょうど出会い頭にぶつかった形です。

事故直後は互いに顔見知りでしたが、相手が声をかけることなく立ち去って行きました。腰の痛みがひどく、その後すぐに受診したところ腰椎を骨折し入院となりました。

警察にも届出ましたが、私自身自転車保険に加入しておらず、人身にした場合、相手が被害を届け出た場合に私にも損失があるので物損にした方がいいと言われて物損処理をしてもらいました。

後日調べてみると賃貸契約の際に加入した火災保険で相手に対して保険がおりることが判明しました。

そうなった場合、物損から人身に切り替えた方が良いでしょうか。それとも、このまま物損で処理した方が良いのでしょうか。もう1つ、このようなケースは相手が自転車保険に加入している場合、保険がおりるのでしょうか。


松本 篤志弁護士
自転車同士の事故の場合、人身事故の届出をしたとしても、重大事故でない限り、重過失致傷罪などで実際に起訴されることはありません。不起訴(起訴猶予)となります。ですので、人身事故の届出をしたからといって、刑事処罰などの心配は不要でしょう。

人身事故としての届出がなされれば、実況見分を行い実況見分調書が作成されるでしょうから、今後仮に訴訟などになった場合に事故状況についての重要な証拠となります。人身事故としての届出をするのにこしたことはありません。

相手方の保険については、自転車専用のものに限らず賠償保険などがある場合もあり得ますが、保険の有無に限らず、相手方に(過失相殺後の)損害額を請求することができます。

もちろん、相手方が賠償保険の契約をしていれば回収などの不安はなくなりますが、契約がないからといって請求できないというものでもありません。

物損事故から人身事故に切り替えることによって、重過失致死罪などで起訴される可能性は低いようです。 人身事故として届け出ることで、事故の状況を詳しくまとめた実況見分調書が作成されます。事故の状況をめぐって相手方と争いとなった場合、実況見分調書は重要な証拠になるでしょう。

実況見分調書の内容がポイントになるのはどんなとき?

alt 人身事故の届出をすると作成される実況見分調書の内容は、具体的にどのような場合にポイントになると考えられるのでしょうか。

自転車同士事故 双方無保険


相談者の疑問
先日、父が信号のない十字路交差点で、自転車同士の事故にあいました。父は一旦停止ありの道路から徐行スピードで、自転車歩行者通行可能の歩道に入って行くときに歩道を走っていた自転車と出会い頭での事故だったようです。

先方は無傷で、父は大腿骨骨折で入院。先方は父が出てきた道路が一旦停止のある道路だったし、自分は歩道の左側を走っていたので、大した過失はないし目撃者も証言してくれる、と連絡があった時に言われました。父はまだ調書もとっていません。

お互い無保険で先方はフリーター、父は自営業者です。

こういったケースの場合、弁護士の先生にお願いすれば、過失割合など調べてもらって、示談交渉などしてもらえるのでしょうか?また父の過失はどの程度なのでしょうか?


松本 篤志弁護士
既に警察提出用の診断書を提出済みで人身事故扱いとなっており、当事者の一方または双方が立ち会いの上で実況見分がなされるなどしているのでしょうか。

そのようなことであれば、今後実況見分調書の入手が可能となった後に、かかる実況見分調書の記載を前提に過失相殺率を検討することになります。

また、仮に過失相殺率につきあなた側(お父様側)が多少不利であったとしても、大腿骨骨折となると治療も長期化して損害額が相当高額になることが見込まれますから、過失相殺後の請求額も決して低くない金額になることも想定されます。

あとは相手方の資力の問題というのが一番大きいですが、いずれにしても弁護士に依頼して治療終了後に訴訟提起などすることも検討すべきでしょう。まずは今のうちから領収書の類はすべて保管するようにしておいてください。


森田 泰行弁護士
>弁護士の先生にお願いすれば、過失割合など調べてもらって、示談交渉などしてもらえるのでしょうか?
→弁護士にご依頼された場合、過失割合に検討を加えたうえで、被害者の方の損害を計算し、過失割合に応じた治療費や慰謝料、休業損害などの賠償金について示談交渉を行うことになります。

>また父の過失はどの程度なのでしょうか?
→過失割合は、事故態様によって一定の相場はありますが、事故現場や当事者の年齢、当事者の速度など、様々な要因を総合考慮して判断されることになるため、どの程度かをはっきり申し上げることはできません。

ただ、相談者様のご相談内容をもとに、一意見としてお答えさせていただくと、停止線のある道路から交差点に進入した車両と、交差道路を直進して交差点に進入した車両の衝突事故となりますので、相談者様のお父様の過失はかなり大きなもの、例えば、7割~9割前後になる可能性が高いように思われます。

事故状況について相手方と争いになった場合、実況見分調書の内容を元に過失割合を判断し、その割合に応じて賠償金の金額を検討することになるようです。 相手方よりも過失割合が大きい場合でも、ケガの程度によっては、高額な賠償金が認められる可能性があります。 過失割合と賠償金の金額を検討する上で、実況見分調書の内容は重要なポイントになると言えるでしょう。

まとめ

自転車同士の事故で、物損事故から人身事故に切り替えた場合でも、重大な事故でない限り、重過失致死罪などで起訴される可能性は低いようです。 人身事故に切り替えることで作成される実況見分調書は、自分と相手方それぞれの過失割合や賠償金の金額を検討する上でのポイントになる場合があります。裁判に発展した場合も、調書の内容が重要な証拠になるでしょう。 ケガをしていて、相手方と事故状況について争いが生じそうな場合は、人身事故への切り替えを検討してもいいかもしれません。

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