人身事故への切替えに期限はある?
人身事故への切替えはいつまでにすればよいのでしょうか。期限はあるのでしょうか。
相談者の疑問
事故直後は、痛みもなく物損事故として警察が処理をしていますが、次の日以降首などの痛みがあり、保険会社にも連絡などしながら通院しています。
人身事故として切り替えるつもりでいるのですが、切り替えるタイミングとはどういう時になるのでしょうか?治療終了後であったり、書類などが揃ってからなのか、切り替える連絡のみ先に警察にしておくべきなのかがいまいちわかりません。
事故から3週間ほど経過するかという時期にきていますが、遅すぎて切替えができないというようなことがあったりするのでしょうか?
弁護士の回答久保田 匡彦弁護士
結論としましては、早急に診断書を警察へ提出し、人身事故へ切り替えるべきだと思います。
基本的には、よほど長期間が経過していない限りは、診断書を出しさえすれば、切替え自体は何とかなるかもしれません。
しかし、人身事故として実況見分をしようにも、あまり事故から時間がたちすぎていると、当事者の記憶が怪しくなっていたり、供述の信ぴょう性に疑問を持たれたりすることもありえます。
そうなれば、実況見分調書自体の証拠価値が乏しくなってしまい、後々、民事の損害賠償で刑事記録を使うことになった場合に支障が生じる可能性があります。
事故から3週間ほどであれば、このような問題が生じる可能性は低いという印象です。
事故の相手から人身事故への切替えを拒否されたら?
物損事故から人身事故への切替えを、事故の相手が拒否するケースがあるようです。このような場合、どうすればいいのでしょうか。
相談者の疑問
交通事故を起こし物損事故にて登録をしました。(事故は相手が後方から追突)
物損の方は相手の全面賠償にて話が進みましたが、後日痛みが出たため人身事故へ切り替えたいと依頼をしました。
しかし、事故自体軽微でありケガの対応はできないと事故相手に言われました。相手の保険会社も契約者の意向のため保険での対応はできないとのことでした。
現在、通院と人身事故への切替えができない状態です。自腹で通院して相手方への請求は可能なのでしょうか。(慰謝料も含めて)
また、そもそも人身事故への切替え拒否は許されるのでしょうか。
弁護士の回答久保田 匡彦弁護士
少なくとも物損事故として受付されているということは、事故の存在自体は警察も認知しているということを意味しております。
そうであるとすれば、人身事故に切り替えられるか否かは、事故によってケガをしたかどうかにかかっており、その点については相手方当事者云々というよりも医師の診断が重要な要素ではないかと思われます。
したがいまして、診断書をご持参の上で、事故による受傷を強く訴えてみてはいかがでしょうか。それでも受け付けてもらえないということであれば、弁護士に依頼し、被害届提出に同行その他の支援をしてもらうという手もあるかと思います。
弁護士の回答三野 久光弁護士
人身事故への切替えはまず、対警察の問題です。診断書を警察に持参して、人身事故の届けをします。
通院は事故後どれくらい経って開始したのですか。遅れた理由は何でしょうか。
事故後1か月以上経つと警察は受理を嫌がります。
相手が認めない場合、最終的には裁判にて請求することになりますが、症状は出ていたが通院ができなかったのか、そもそも長い間症状も出ていなかったのかによって結果は変わってくるでしょう。
警察で人身事故への切替えができなくても治療費を請求できる?
事故から時間が経ちすぎているなどの理由で、警察で人身事故への切替えができなかった場合、ケガの治療費などを事故相手に請求することはできないのでしょうか。
相談者の疑問
赤信号停車中に居眠り運転の車に追突され、2日後に病院に行き、頚椎捻挫の2週間でした!
その場ではこちらも仕事中だったため物損事故で処理しましたが、後日相手保険会社から「今回の事故に関しましては弊社が人身事故同様の保証を致しますので、治療が終わりましたら慰謝料などの案内をします」と書いてある書面が届きました。
そこで物損事故届けのまま処理いたしましたが、相手保険会社はちゃんと慰謝料などの保証はしてくれるのでしょうか?
ちなみに通院回数100日で症状固定になり現在後遺障害等級認定の申請中です。
弁護士の回答大谷 真司弁護士
物損事故届けのままであっても、診断書をはじめとする医療関係資料がある以上、通常、傷害慰謝料や、後遺障害等級の認定が下りた場合には後遺障害慰謝料などの支払いをしてもらえます。
ですので、その点はご安心していただいて問題ありません。
また、初診時に頚椎捻挫の2週間の診断、約7か月の通院期間中、100日の通院回数であれば、ある程度の傷害慰謝料の賠償を求めることができると思います。
弁護士の回答好川 久治弁護士
自賠責については、人身事故証明書を提出できない理由書を提出すれば補償を受けられます。
任意保険についても、任意保険会社が支払の意向を示しているなら補償はされます。
人身事故であること自体を争わない意向ですから当然です。10ゼロの事案で事故態様を争われる心配もなさそうですので、物損のままでも支障はないでしょう。