交通事故慰謝料・損害賠償

弁護士監修記事 2017年11月28日

交通事故で家族が意識不明に…後遺障害等級認定の可能性と請求できる損害賠償の項目

交通事故で家族が意識不明の状態になってしまったーー。本人が意識不明の場合、後遺障害等級認定の手続きや、損害賠償の請求は、誰がどのように手続きを進めればよいのでしょうか。

  • 意識不明になったことを理由に後遺障害認定を受けられるか
  • どのような項目について損害賠償を請求できるか
  • 賠償額の相場はどれくらいか
  • どのように請求すればいいのか

こうした疑問を解消するために、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をまとめました。

目次

  1. 後遺障害認定は受けられるのか、損害として認められる範囲はどこまでか
  2. 誰が損害賠償を請求する?
  3. まとめ

後遺障害認定は受けられるのか、損害として認められる範囲はどこまでか

alt 症状固定(治療を続けてもこれ以上良くならない状態)となった後も、残った症状について後遺障害等級認定を受けられれば、等級に応じて後遺障害慰謝料などを請求することができます。 交通事故で意識不明の状態になってしまった場合、後遺障害等級認定を受けることはできるのでしょうか。また、治療費や慰謝料などをどのくらい請求できるのでしょうか。

慰謝料の額について。


相談者の疑問
昨年の12月に同居の71才の義母が自転車で近所のコンビニに行き、コンビニ駐車場で乗用車に後ろから追突され、地面に頭を打ち、脳挫傷、急性くも膜下出血、急性硬下膜血腫、頭蓋骨骨折で事故当初から意識不明。遷延性意識障害となりました。

現在も症状は安定、入院中です。今月で事故から半年経ち、加害者側の保険会社から 7月中に病院から症状固定の診断書をもらって下さいと言われ、これからの示談までの説明がありました。

義母71才。年金受給者。隔週でパートに行き年金月10万円、パートで5万円の収入があります。健康で体操教室に通い、私がフルタイムで働いていたので家事は義母がやってくれていました。

事故後しばらくは義母の容態が危なかったので仕事を休む日が多くなり解雇され、体調を崩し精神的にも参ってしまい、私が心配になった主人は退職しました。現在一人息子の主人と私、私達の子供で病床に見舞いに毎日行く日々です。

これからどのくらい義母が生きるのかわかりませんが、平均寿命までの差額ベッド代だけを計算してもすごい額になります。これから提示してくる保険会社の慰謝料額は低く提示されることは覚悟してます。妥当な慰謝料額を教えて下さい。


好川 久治弁護士
常時介護を要する1級1号後遺障害になる事案と見られますので、後遺障害等級を取得した後、すぐに被害者請求をして自賠責から4000万円を受け取ってください。

これによって当面の生活費、療養費等をまかなえます。前提として、遷延性意識障害ですから、後見人選任が必要となります。

あとは、じっくり損害額を計算して請求していけばよいでしょう。

慰謝料は入院慰謝料が赤い本別表Iで250万円、後遺障害慰謝料は高齢者ですが家事をして家計に貢献しておられた方のようですから2500万円を請求してもよいかと思います。また、親族であるご主人の固有の慰謝料として200万円くらい請求してもよいと思います。

あとは、平均余病の半分の期間に応じたライプニッツ係数をもとに、主婦損失として年齢別平均賃金の7割くらい、約200万円を基準に後遺障害逸失利益を計算して請求してもよいでしょう。

さらに、平均余命までの入院費用の年金原価計算分、自宅介護ができる状況なら家屋改造費付添看護費として日額8000円程度を請求してもよいでしょう。あと、固定までの休業損害付添看護費入院雑費も請求してください。

1億にはならないと思いますが、それに違い金額が計算されると思います。そこから自賠責の4000万円を控除した残額を裁判をしてでも請求してください。

遷延性意識障害となった場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性があるようです。後遺障害と認められた場合は、後遺障害慰謝料に加えて、逸失利益も請求できる可能性があります。その他、入院慰謝料や付添看護費、休業損害なども請求できると考えられます。

誰が損害賠償を請求する?

alt 意識不明の状態になった人は自分で損害賠償を請求することができないため、誰かが本人に代わって請求をすることになります。誰が代わりに請求すべきなのでしょうか。

慰謝料


相談者の疑問
去年母が交通事故にあい今は植物人間状態です。

加害者側の保険会社から高額の慰謝料が支払われる予定なのですが、保険会社の顧問の弁護士&司法書士から成年後見人を選任したほうがいいのではないかと言われました。

成年後見人は必要ないと家族は言っているのですが、この場合成年後見人を決めなければ保険会社から慰謝料をもらうことができないのでしょうか?


清水 卓弁護士
お母様の症状からしますと介護を要する後遺障害と認定されるものと思われます。この場合、お母様の事故の損害賠償を請求するためには、示談交渉をする場合でも、訴訟を提起する場合でも、成年後見人の選任が必要となります

成年後見人の候補者としては、ご家族の方も考えられますが、今回の事故は損害額が高額にわたるものと思われますので、適正な損害賠償のために、裁判所から専門職(弁護士など)後見人を勧められる可能性が相当程度あるでしょう(私も類似のケースで裁判所から成年後見人に選任されたことがございます)。

仮に、ご家族の方が成年後見人になった場合でも、適正な損害賠償のためには、訴訟を提起することも検討すべき事案といえますので、加害者側保険会社の提示金額が適正妥当な金額かどうか、交通事故に精通した弁護士によくご相談下さい(加害者側保険会社は任意保基準という社内基準を使用して賠償額を算定してくることが多く、適正な賠償額より低額なことがほとんどです)。

交通事故で意識不明の場合の弁護士との契約者は?


相談者の疑問
私の父が、交通事故に遭い、意識不明となってしまいました。弁護士の先生にお願いしたいと考えているのですが、この場合、父は委任契約はできないのですが、誰が契約者になればよいでしょうか?


久貝 仁弁護士
おそらく事故に遭われてからそこまで日にちが経っていないものと推測されますので、今の段階で親族の方を成年後見人として早めに成年後見人選任を申し立てた上で、成年後見人となった親族の方が弁護士に依頼するという方法が無難かと思われます。

仮に、成年後見人選任の申立をしても、後々のことを考えれば無駄にならないと思いますし(このまま症状回復が難しいとなると、いずれにしろお父様の財産の処分や管理の問題が出てきます。)、症状固定時(これ以上改善が見込まれないという医者の診断の時点)までの期間にまだ時間もかかることを考えると、成年後見人が選任されてから交通事故の被害者請求(後遺障害等級の認定の請求など)をするタイミングとの間にタイムラグもさほど生じないと考えます。

事故にあった被害者の損害賠償を請求するには成年後見人を選任する必要があり、基本的には弁護士か家族の中から選任することになるようです。 弁護士と家族のどちらから選任すべきかについては、損害額や財産管理の問題の有無など状況によって異なるため、慎重に判断した方がよいでしょう。

まとめ

交通事故で意識不明の状態となった場合、後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。請求できる項目としては、後遺障害慰謝料や逸失利益、入院慰謝料、付添看護費、休業損害が考えられます。 ただし、事故にあい意識不明となっている本人は、損害賠償を請求することができません。本人に代わって請求する人として、弁護士か家族の中から成年後見人を選任する必要があります。

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