無職で就職活動中に交通事故の被害者に…「逸失利益」は認められる?

交通事故被害に遭い、後遺障害等級認定を受けると、後遺障害に対する慰謝料とは別に、逸失利益(事故に遭わなければ得られた利益)についてお金を受け取れる可能性があります。 では、事故当時、無職で就職活動中だった、という場合でも、逸失利益は認められるのでしょうか。 この記事では「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに詳しく解説します。就活中に事故に遭ってしまった方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 無職で就職活動中の事故。逸失利益は認められる?
  2. 示談がまとまる前に就職してもいい?

無職で就職活動中の事故。逸失利益は認められる?

無職の人が、就職活動をしている最中に交通事故に遭った場合、逸失利益は認められるのでしょうか。

無職中の交通事故について

相談者の疑問 先日、交通事故にあいました。

相手のよそ見運転で、停車中の私に追突しました、私の過失はありません。

そこで質問なのですが、無職者は、休業損害や後遺障害が認められた後の逸失利益は認められないのでしょうか?

就職活動中の事故で現在は通院中で就職活動は出来ていません。

加藤 寛崇の写真 弁護士の回答加藤 寛崇弁護士 働く能力があり、実際に求職活動しており、事故がなければ就労できたと見込めるのであれば、休業損害も逸失利益も認められます。


あなたの年齢や、これまでの仕事の経験、持っている資格等にもよってくるでしょうが、相当高齢だとか障害があるといった場合でなければ、一定程度は認められるでしょう。

事故当時は無職だったとしても、事故がなければ働くことができたと考えられるような場合は、休業損害や逸失利益が認められるようです。 逸失利益が認められるためのポイントとしては、労働能力や意欲、事故に遭わなければ職に就いていた可能性が高いと判断されるような事実があるといったことが考えられます。

示談がまとまる前に就職してもいい?

就職活動中に交通事故に遭った人の中には、事故後すぐにでも働きはじめたいと考える人もいるでしょう。 相手との示談がまとまる前に就職した場合、賠償金の額に影響が出るなど、何か問題が生じるのでしょうか。

無職の交通事故!現在就活中!逸失利益について!

相談者の疑問 事故当時30歳無職でネットなどで求職中でした。

今症状固定から数か月たち就職を探しています。

難聴を伴う耳鳴りで後遺障害12級。現在示談交渉中です。

今就職すると逸失利益は認められないのでしょうか?

有利不利教えて下さい!

耳鳴りなどで体調が良くないときは夕方から吐き気などするときが有るんでそれが就職に響かないといいですが。

泉本 宅朗の写真 弁護士の回答泉本 宅朗弁護士 認められないことはありません。

「就職することはできたが、事故の後遺症のため、このように不自由している。」「事故がなければ、もっと条件のよいところに就職できたはずである。」といった形で損害を主張するのがよいと思います。

耳鳴りなどで体調が良くないときは夕方から吐き気などするときが有るとのことでしたら、それも相手損保への主張(診断書を取られた方がよいと思います)の材料の1つになると思われます。

石田 岳彦の写真 弁護士の回答石田 岳彦弁護士 12級相当の難聴+耳鳴りという後遺障害では、就労不能とは評価できませんので、事故後に再就職したからといって、逸失利益は特に否定されません。

むしろ、事故時に無職で、事故後も延々と無職が続くとなると、基礎収入の面で、裁判官に悪い印象を与えるかもしれません。

たとえば月収30万円の新就職先が見つかれば、裁判官に「(後遺障害の無かった)事故前においても、少なくとも月収30万円以上の給与を得られた可能性が高い」との印象を与えることができるでしょう。

大岩 和紀の写真 弁護士の回答大岩 和紀弁護士 逸失利益は、後遺症により現実に収入が減少している場合に認められるのが原則形態ですが、後遺症により現実に収入が減少していない事が、会社側の理解、配慮による場合や、本人の特別の努力による場合には、逸失利益が認められるというのが最高裁の考え方です。

今回の場合、難聴を伴う耳鳴りという事ですから、例えば何もしなくても家賃収入が入るなどという場合を除き、通常は職務に支障が生じるものと思われ、自身の特別の努力で収入が得られていると評価されやすいのではないかと思われます。

相手との示談がまとまる前に就職して働き始めたとしても、必ずしも逸失利益が否定されるということではないようです。 収入面での不安なく、落ち着いた状態で事故後の対応をするためにも、体調面で無理がなければ、働きはじめることを検討してみてもいいでしょう。

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