治療費

弁護士監修記事 2017年09月29日

保険会社から治療費を打ち切られた場合の対処法…弁護士Q&Aまとめ

交通事故で負ったケガの治療をしている最中なのに、保険会社から治療費の支払いを打ち切られるケースがあります。 まだ痛みが残っていて治療を続けたくても、応じなければならないのでしょうか。打ち切り後も自費で治療を続けた場合、自己負担分を保険会社に支払ってもらうことはできないのでしょうか。 この記事では、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに、打ち切りを言い渡された場合の対応について解説します。

  • 治療の打ち切りには絶対に応じなければいけない?
  • 打ち切り後に自費で治療を続けた場合、自己負担分を請求できる?

目次

  1. 保険会社から治療の打ち切りを言い渡されたが、応じるべきか?
  2. 自己負担分を後で保険会社に請求できるのか?
  3. まとめ

保険会社から治療の打ち切りを言い渡されたが、応じるべきか?

alt 保険会社から治療費の打ち切りを言い渡されたら、絶対に応じなければならないのでしょうか。まだ治療を続けたい場合に、治療費の支払いを延長してもらうことはできないのでしょうか。

痛みが無くならないまま治療打ち切りに……


相談者の疑問
3月に交通事故にあいました。

8月になってすぐの診察で、いきなり先生から「保険会社と話をしました。半年で保険での治療は打ち切りです。」と言われてしまいました。

一般的に交通事故での治療とは、半年で終わりにされてしまうんでしょうか?

左腕、首、腰と全治3週間の診断でしたが、全く痛みがとれないまま5ヵ月たちました。

やっと首だけMRIを撮ってもらいましたが、何も移っていないと言われてしまいました。原因がわからないまま痛みは取れないのに、治療打ち切りでは、納得出来ません。

先生には痛みが取れていないことを伝えても「私の方では何にも出来ない。保険会社が決めたことだから」と言われてしまいました。

あと約1ヵ月で痛みが取れれば良いのですが、今後どのようにすれば良いのでしょうか?


好川 久治弁護士
半年経過で治療費が打ち切りになる、というのは保険会社の一般的な方針のようなものです。事故の衝撃の程度と怪我の状況、治療の経過を見ながら治療の必要性を考えての一般的な判断です。

一般的な判断ですから、個別事案によっては半年以上の治療費の支払いをしてくれることもあります。医師が今の状況をどう判断しているかが重要です。5か月間治療をしてきて症状が全く変わっていないとなると、今後も変わらない可能性が高いとして固定と判断することも考え方としてはありえます。

他方、事故による衝撃の程度、怪我の状況からみて今後治療を続ければ症状が緩和していく可能性があると考えて治療を続けるのが相当と判断することも医師の判断によってはありえます。患者の症状を一番よくわかっているのは患者本人と医師ですから、医師が患者の様子を見て治療を必要と判断すれば保険会社も考えを変える可能性はあります。

保険会社の判断ですから、というのは保険会社がオッケーと言わなければ治療費が保険会社から出ないので患者の負担になりますよ、ということと同じです。決して治療が必要でないということではありません。

どうしても保険会社が治療費を払わない、というなら自費でも治療を続けるしかありません。治療を続けて効果があがれば症状は固定していなかった、ということですから後で治療費を清算することは可能です。ご自分の体ですから保険会社が治療費を払わないと言っても直すことを第一に考えて治療を続けるようにしたほうがよいです。

治療を始めてから半年程度で治療費が打ち切りになることは、保険会社の対応としては一般的だと考えられるようです。症状によっては、半年以上治療費を支払ってくれるケースもあります。 治療費の打ち切りを言い渡されたからといって、必ずしも「治療が必要なくなった」というわけではありません。打ち切り後も治療を続けるか、これ以上よくなる見込みがないとして治療を止めるかは、医師と相談して決めましょう。 医師が「まだ治療が必要」と判断すれば、保険会社も考えを変えて、治療費を引き続き支払ってくれる可能性があります。自力で保険会社と交渉することはハードルが高いため、弁護士を間に挟んでもいいでしょう。 保険会社が打ち切りの方針を変えず、それでも治療を続けたい場合は自費で行うことになりますが、治療を続けたことで症状が改善すれば、「症状固定していなかった(回復する余地があった)」として、後から保険会社に自己負担分を請求できる可能性があります。

自己負担分を後で保険会社に請求できるのか?

alt 保険会社から治療費の支払いを打ち切られた後も自費で治療を続けた場合、保険会社に自己負担分を請求することはできるのでしょうか?

治療の打ち切りがありました。


相談者の疑問
頚椎捻挫 腰椎捻挫になり通院中です。

小さな事故と車の破損状況から治療の打ち切りがありました。

保険会社からの提案は、90日の通院で打ち切り完全に終了 →症状があっても、医者からまだ治るのに日にちがかかると言われても被害者請求をしてはいけない。

又は60日通院と一括払いは認めるが、60日以降は被害者請求をして通院して下さい。

と ふた通りの提案がありました。まだ治療中にも関わらず この様に言われています。この場合どうしたら良いでしょうか?


小坂 誉弁護士
できれば弁護士に依頼して、治療継続の必要性を説いてもらい一括対応の延長を申し入れるのがよいと思います。
それでも一括対応を打ち切られてしまった場合には、以下の選択肢があります。

健康保険診療に切り替えて診療を継続する(治療費の3割は窓口で自分が払うことになる)
②治療を終了させて示談交渉へ移行する。
③治療を終了させて後遺障害該当性の判断を受ける。該当結果が出たら示談交渉開始。

①の場合、治療費を自分が支出することになりますが、後日自己負担部分を保険会社に請求しても支払ってもらえる可能性は低いです。

裁判をして、打ち切り後の治療が事故と因果関係があると認められれば、自己負担部分も支払ってもらえるようになりますが、裁判でそのように認められるかはやってみないとわかりません。

治療の状況、症状の経過、カルテ、診断書等の記載ぶりから結論が変わってきます。

自己負担分の請求を裁判で争う場合、打ち切り後の治療が、事故で負ったケガの症状改善のために必要だったと認められれば、保険会社に自己負担分を支払ってもらえる可能性があります。 治療の状況や症状の経過、カルテや診断書の内容などが判断のポイントになります。 医師とよく話し合い、「治療を続けても症状がよくなる可能性が低い」と考えられるような場合は、打ち切り後の治療継続にこだわりすぎない方がいいかもしれません。 治療を止めて症状固定の判断を受け、加害者側との示談を始めることや、後遺障害等級の申請をすることも検討してみましょう。

まとめ

保険会社から治療費の打ち切りを言い渡されても、医師が「まだ治療が必要」と判断すれば、保険会社も考えを変えて、治療費を引き続き支払ってくれる可能性があります。 保険会社が打ち切りの方針を変えず、それでも治療を続けたい場合は自費で行うことになりますが、治療を続けたことで症状が改善すれば、「症状が固定していなかった(よくなる余地があった)」として、後から保険会社に自己負担分を請求できる可能性があります。 医師とよく話し合い、「治療を続けてもよくなる可能性が低い」と考えられるような場合は、打ち切り後の治療継続にこだわりすぎない方がいいかもしれません。 治療を止めて症状固定の判断を受け、加害者側との示談を始めることや、後遺障害等級の申請をすることも検討してみましょう。

関連記事

選んで簡単!

交通事故_やること診断イラスト

被害に遭われた方が
今するべきことがわかります
やること診断

状況で調べる

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

交通事故を扱う弁護士を探す

治療費に関する法律相談

  • 交通事故の加害者、事故不申告です。

    私は交通事故の加害者で、事故不申告の相談です。よろしくお願いします。 私が車、相手(高校生)が自転車です。私が右折するときに相手の直進自転車とぶつかりました。 その場ですぐに車を停...

    1弁護士回答
  • 治療費打ちきり後の加療を認める診断書

    交通事故、相手保険会社による治療費の一括対応が打ち切られました。 例えば主治医が加療を認める診断書を作成してくださった場合 診断書はいつ利用したら有効ですか? 相手と今交渉する...

    2弁護士回答
  • 歩行者同士の衝突事故について

    曲がり角で歩行者と衝突してしまい、私は無傷だったのですが、相手方は歯を怪我してしまいました。 後日、治療費を請求すると言われたのですが全て払う義務はあるのでしょうか? 状況として...

    1弁護士回答
  • 主人が相手に怪我をさせてしまったかもしれない。

    主人が結婚式の三次会で、女性の背中を軽く押してしまったらしく、女性が転倒してしまったようです。 痛がってはいたものの、その場はゴメンね〜という感じで軽く終わり、女性もその後お酒を...

    4弁護士回答
  • 店舗での健康器具の試用品で怪我。治療費請求は可能?(その後の対策は?)

    お世話になります。 2019年1月初旬、下記の事故が起き当ページにてご質問させて頂きました。 その後、役所の法律無料相談、消費者センターと相談してきましたが、解決できません。 相手は全...

    1弁護士回答
1 2 3 4 5 ... 30

法律相談を検索する

治療費の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

交通事故のニュース

  1. 「いじめの時効」はいつか…中学時代の同級生...
  2. 国内最悪「時速235キロ」で高速道路暴走した...
  3. 高速道路の落下物「年30万件」以上…タイヤ原...
  4. 高齢ドライバー対策、自動ブレーキ車など「限...
  5. 東名夫婦死亡事故、進路妨害した容疑者の「危...
  6. ひき逃げ事件「人をひいた認識はない」男性に...
  7. うちの車に便乗したがる図々しい「ママ友」、...