交通事故慰謝料・損害賠償

弁護士監修記事 2017年09月22日

交通事故の被害者が示談するときの注意点、弁護士Q&Aまとめ

交通事故の被害に遭ってケガをした場合、加害者に対して、損害賠償を請求することができます。 ケガの治療費はもちろんのこと、精神的ダメージに対する慰謝料、将来に影響する後遺症が残った場合はその分の補償も請求します。調停や裁判などの公的手続きで請求することもできますが、多くの場合加害者(保険会社)との示談交渉の中で金額を決めていくことになります。 この記事では、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と、弁護士の回答をもとに、示談交渉の際の注意点を紹介します。

  • 加害者との示談交渉はいつ・どのタイミングで始めればいいのか
  • 示談交渉の流れと示談成立・支払いまでの流れ

目次

  1. 加害者との示談交渉を始めるタイミング
  2. 示談交渉の進み方・平均でかかる期間
  3. 示談書の金額に納得できない場合は?
  4. まとめ

加害者との示談交渉を始めるタイミング

alt 交通事故の被害に遭ったときには、まず警察に事故届を提出し、速やかに病院での治療を受けましょう。その後、損害賠償に向けた示談交渉を加害者、もしくは加害者が加入する保険会社とすることになりますが、いつ示談交渉を開始することが適切なのでしょうか?

交通事故 完治や請求のタイミング


相談者の疑問
相手は車、こちらは自転車の交通事故です。

顔や手足の擦り傷、歯の脱臼、両肩の打撲という診断になりました。

擦り傷について、事故日には一週間見込みという診断書をもらいましたが、治らず、二週間見込みの診断書ももらいました。

が、まだ傷は残っています。ある程度はふさがった気がするのですが、この傷がどの程度まで良くなるのか、わかりません。

ただ、診てもらったのが救急なので、予約とかができるところではなく、この傷の経過をどこで診てもらえばいいのかわかりません。

相手の保険会社から賠償に関する書類が送られてきていて、保険証を使うか否か(使うことにした)

などを話し合ったりはしましたが、いつが請求のタイミングなのか、などがよくわかりません。


久保田 匡彦弁護士
同じ病院の(救急ではなく)整形外科か外科でもう一度受診した上で、必要であれば紹介状を書いてもらって転院という流れが一般的かと思います。

症状固定とは、これ以上治療を続けても改善を見込めない状態で、かつ、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態のことをいうものとされています。医学的概念ではなく法的概念ではあるのですが、医師の見解や医証をもとに判断するしかないものといえます。

症状固定という概念を知らない医者の場合、「患者が痛いと言っている以上、治療は続けるんだ」などと言って、改善の見込みもないままに治療を続けてしまい、その結果、加害者側損保から「過剰診療だ」などという主張をされてしまうこともあります。

念のため、「改善の見込み」という観点から医師とよく相談しつつ、治療を続けるのがよろしいかと思います。

症状固定又は完治となるまでは治療が続くわけですから、治療費も通院慰謝料も休業損害も確定しません。損害が確定しない以上、示談のしようもありません。

ですから、加害者側任意保険会社の示談交渉の時期は治療終了後ということになります。治療終了後は、(完治でなく症状固定となった場合は)後遺障害をどうするのかという問題があり、後遺障害以外の傷害部分を先行示談するのか・後遺障害等級認定後にまとめて示談するのかといった話になるでしょう。

示談交渉は、損害を確定するために、治療が終わった後に開始するのがよいようです。治療が終わった段階とは、傷が完治した場合だけでなく、それ以上改善の見込みがない段階(症状固定)のことも意味します。 その後、完治しなかった後遺症について、後遺症以外の部分を先に請求するのか、後遺障害等級を認定してもらった後にまとめて示談するのかといった点が問題になるようです。

示談交渉の進み方・平均でかかる期間

alt 加害者との示談交渉はどのような流れで進んでいくのでしょうか。示談が成立するまでには、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?

交通事故示談。期間的にはどれくらい掛かるのでしょうか?


相談者の疑問
交通事故後遺症有りでの示談の流れを教えて下さい


好川 久治弁護士
症状固定の診断~後遺障害診断書を書いてもらう~任意保険会社あるいは自賠社に対して後遺障害の認定申請~任意保険会社からの事前認定の回答あるいは自賠社からの後遺障害の認定結果までで、だいたい2ヶ月程度です。

認定結果に異議があり~医師と再面談~意見書作成~異議の申出~異議の結果の回答まで更に2ヶ月程度です。

認定結果の後、損害額を計算して示談提案~保険会社からの回答までで1ヶ月~2ヶ月、示談成立後示談金の入金まで2週間程度、だいたい一般的には以上のような感じです。

後遺症がある場合、示談交渉が順調に進んだ場合でも、症状固定からおよそ半年ほどの期間がかかるケースが一般的なようです。

示談書の金額に納得できない場合は?

alt 保険会社から提示された金額に納得できず、「増額してほしい」という場合はどうすればいいのでしょうか。

示談交渉


相談者の疑問
車同士の正面衝突の事故に遭いました。私の過失はゼロ。保険屋から示談書が届きます。内容に納得がいかない場合、最初にどうすれば良いかわかりません。素人の自分が保険屋の担当者と示談金アップの話をして金額をアップする事も可能ですか?


好川 久治弁護士
保険会社は、少額の場合は自賠責基準にて、そうでない場合は自社の定める基準で提示してくることが殆どで、交渉次第で本人だけも引き上げには応じますが、限度があります。できるだけ裁判基準に近い内容で和解をするためには弁護士を入れるか、調停を申し立てるか、示談あっせんを利用するのがよいと思います。

日弁連交通事故相談センターの示談あっせんは料金はかかりませんし、保険会社も裁判基準に近い内容で和解に応じることが多いので利用されるとよいでしょう。ただし、後遺障害等級に争いがあるケースですと、裁判にせざるをえない場合が多いです。

保険会社から提示された金額を増額するためには、弁護士を間に入れるか、裁判所での調停、もしくは示談あっせん制度の利用が選択肢として考えられます。 示談あっせんは、損害賠償の交渉で相手と話し合っても解決しない場合に、日弁連交通事故相談センターの弁護士が間に入り、公平・中立な立場で示談が成立するようサポートを受けられる制度です。 裁判で争うほど大ごとにはしたくないけれど、早期解決を目指したい人は、利用を検討してみてもいいでしょう。

まとめ

示談交渉は、損害を確定するために、治療が終わった後に開始するのがよいようです。治療が終わった段階とは、傷が完治した場合だけでなく、それ以上改善の見込みがない段階(症状固定)のことも意味します。 後遺症がある場合、示談交渉が順調に進んだ場合でも、症状固定からおよそ半年ほどの期間がかかるケースが一般的なようです。 保険会社から提示された金額を増額するためには、弁護士を間に入れるか、裁判所での調停、もしくは示談あっせん制度の利用が選択肢として考えられます。 示談あっせんは、損害賠償の交渉で相手と話し合っても解決しない場合に、日弁連交通事故相談センターの弁護士が間に入り、公平・中立な立場で示談が成立するようサポートが受けられる制度です。 裁判で争うほど大ごとにはしたくないけれど、早期解決を目指したい人は、利用を検討してみてもいいでしょう。

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