過失割合

弁護士監修記事 2018年10月29日

交通事故被害で損害額が自賠責保険を超えた場合の過失相殺の計算方法

交通事故で被害を受けた場合は、加害者に対して治療費や慰謝料を請求できますが、被害者にも過失があった場合は、過失相殺によって金額が差し引かれます。

  • 自賠責保険でも過失相殺されるのか
  • 自賠責保険の限度額を超えた場合の過失相殺の考え方
  • 過失相殺の計算例

これら過失相殺に関する疑問について「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 自賠責保険の過失相殺の仕組みについて
  2. 自賠責保険の限度額を超えた場合の過失相殺の考え方
  3. 過失相殺の計算例
  4. まとめ

自賠責保険の過失相殺の仕組みについて

alt 自賠責保険から支払われた保険金については、どのように過失相殺されるのでしょうか。

交通事故、後遺障害部分の過失相殺について


相談者の疑問
交通事故の被害者です。後遺障害の認定請求は、被害者請求にて行い、14等級が認められました。

先日、自賠責保険より、75万円が私の口座に直接振り込まれたのですが、私に過失が1でもあった場合は、私は保険会社に過失相殺分として75万円の一部を支払うことになるのでしょうか。

傷害部分(加害者請求)では、自賠責保険上限額120万円を越えている事案です。これにつきましても過失相殺されることと思いますが、後遺障害部分に関しても同様の考え方で間違いないでしょうか。


西田 広一弁護士
自賠責保険については、7割未満の過失の場合、過失相殺されることなく支払を受けられます。

自賠責保険会社から支払を受けたということは、過失は7割未満ということであり、あなたが、一部を支払するという事態はありません。
 
傷害部分、後遺障害部分それぞれ自賠責の上限を超えた部分に関してのみ過失相殺されうると考えてよいでしょう。

自賠責保険から受け取る保険金については、被害者の過失が7割未満であれば、基本的に過失相殺はされないとのことです。ただし、この場合も、自賠責保険の限度額を超えた場合には過失相殺されるようです。

自賠責保険の限度額を超えた場合の過失相殺の考え方

alt では、自賠責保険の限度額を超えた部分の過失相殺はどのように考えるのでしょうか。

交通事故の過失割合9:1で損害が自賠責120万円を超えた際の過失相殺の考え方について。


相談者の疑問
自動車(相手)対 自転車(自分)で過失割合90(相手):10(自分)となった場合を想定しています。

<質問1>
通院治療費、通院慰謝料、休業損害について、その合計が120万円以内であった場合には、自賠責より全額支払われると認識しています。もし、その合計額が、仮に150万円となった場合の支払われる額について質問します。

以下のパターンを想定したのですが、どちらになるのでしょうか?弁護士の先生を通して請求することを考えていますので、この額はいわゆる弁護士基準を想定しています。

①120万円を超えているので、150万円のうち1割減額されて135万円の支払いとなる。
②120万円までは10割、120万円を超えた30万円に対して1割減額され、123万円の支払いとなる。

<質問2>
後遺障害として14等級を認定された場合、自賠責基準では75万円、弁護士基準では110万円となると認識しています。過失割合はどのように適用され、支払い額はどうなるのでしょうか?


金原 光俊弁護士
質問1については、①として考えます。過失相殺は、基本的には損害額全体に対して行われるものだからです。

質問2についても、110万円から過失割合1割を控除することになります。

弁護士費用特約が付帯されているのであれば、弁護士に依頼しない理由はほぼないように思いますので、弁護士に相談することをお勧めいたします。

自賠責保険の限度額を超えた場合の過失相殺は、自賠責保険の限度額を超えた部分だけでなく、損害額全体に対して計算するようです。

過失相殺の計算例

alt 過失相殺は損害額全体に対して計算するとのことですが、具体的な計算方法はどのようになるのでしょうか。下記の相談事例から考えてみましょう。

損害賠償の過失割合による計算方法について


相談者の疑問
交通事故により通院をしていましたが、治療中止するので計算方法についてお聞きします。

120万円を超える慰謝料については過失相殺されるとのことですが、当方被害者が過失2割の場合、損害賠償総額が120万1000円とすると、

A.121万1000円×0.8=960800円
B.超えた部分1000円×0.8=800円
  120万円+800円=1200800円

AとBどちらの計算方法をとるのでしょうか?


松本 篤志弁護士
120万円を超えるかどうかにかかわらず、発生した損害(人身損害であれば、治療費だとか慰謝料だとかすべてを合算したもの)につき、過失相殺を考えることになります(ご記載の例でいえばAの計算式です)。

ただし、たとえば自賠責基準での算出額(慰謝料などで裁判所基準などを用いた場合よりも低額になる)で過失相殺による減額をしない計算の方が、裁判所の基準での算出額に過失相殺による減額をした場合の金額を上回る場合は、最低でも過失相殺をしない自賠責基準の方の金額が支払われることになります。

例(数字は適当です)
1.裁判所の基準等での算出 120万円、過失相殺20%
→120万×0.8=96万円
2.自賠責基準での算出 100万円
 ↓
最低100万円は賠償として支払われることになります。

上記計算例のように、治療費や慰謝料などすべてを合算した損害賠償金総額に対して、被害者の過失分を考慮して算定するようです。 ただし、裁判基準で算出した総額から過失相殺した金額が、自賠責基準で算出した金額を下回る場合は、自賠責基準の保険金が支払われることになるでしょう。

まとめ

自賠責保険については、被害者の過失が7割未満の場合は過失相殺されずに保険金が支払われるようです。 ただし、自賠責保険の限度額を超える場合は、損害額全体に対して過失相殺されることとなるようです。 賠償金の計算は複雑になる場合もあるため、自身が加入している保険に弁護士特約がついている場合は、弁護士に相談することを検討してもよいでしょう。

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