自転車で走行中に車と衝突…発生場所や時間帯は過失割合に影響する?

交通事故における過失割合は、個別の状況に応じて修正される場合があります。

  • 自転車で横断歩道を走行していた場合
  • バイクで夜間に走行していた場合
  • バイクで走行中に車の前方不注意で事故が発生した場合

今回は、「みんなの法律相談」に寄せられた上記3つの事例をもとに、自転車やバイクで走行中に車に衝突された場合の修正要素について、弁護士の回答を紹介します。

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目次

  1. 横断歩道を自転車で走行中に車と衝突したことは修正要素になるのか
  2. 夜間だったことは修正要素になるのか
  3. 事故相手が前方不注意の車だったことは修正要素になるのか
  4. まとめ

横断歩道を自転車で走行中に車と衝突したことは修正要素になるのか

alt 自転車横断帯のない横断歩道を自転車で走行しているときに事故にあった場合、過失割合の修正要素となるのでしょうか。

過失割合 修正要素について

相談者の疑問 2週間前、子どもを乗せた自転車で信号のない横断歩道を左右確認し渡ったところ、横断歩道の中ほどで対向右折自動車に衝突され転倒しました。

先日、相手方任意保険会社より過失割合の通達がありました。直進自転車、対向右折自動車の場合は基本割合で10:90とのことです。

衝突時の以下の事柄は修正要素として取り入れることは可能でしょうか。

《自動車の著しい過失》
自動車は明らかに左側ばかりを見て右折してきており本人もそれを認めています。横断歩道上にブレーキ痕があり、衝突直前まで自転車に気付いていなかったと思われます。

《横断歩道上での事故》
事故があったのは自転車横断帯のない横断歩道です。通行時、歩行者はいませんでした。

藤本 一郎の写真 弁護士の回答藤本 一郎弁護士 《自動車の著しい過失》
修正要素になるかならないか微妙な事情だと思います。左側ばかりを見ていたことの理由によると思います。

《横断歩道上での事故》
記載を見て、
・横断歩道上を自転車に乗って渡ってよいこと
・横断歩道上を渡っていることで、自動車との関係で保護を受けること
を区別していないと思いました。

横断歩道は、基本的に歩行者保護のために設置されているのであり、自転車を保護するためではありません。ですので、修正要素にならない可能性が高いです。

横断歩道は、基本的には歩行者保護のために設置されているとのことです。自転車で横断歩道を走行中に事故にあったとしても、横断歩道を走行中だったことを理由とする修正要素は認められない可能性が高いといえるでしょう。

夜間だったことは修正要素になるのか

alt 交通事故の過失割合の修正要素には、事故が発生した時間帯も考慮されるのでしょうか。夜間にバイクと車が衝突したケースを元に解説します。

交通事故の過失割合 修正要素について

相談者の疑問 単車で四輪と事故にあいました。相手が四輪車で、一時停止の標識のある交差点を、右方から直進し、交差点内で自分の右側面に衝突し、今月で治療費は打ち切りと言われてます。

物損の担当者から単車の修理明細と過失割合の提示してある、示談書?らしきものが届き、当初から85対15という提示でした。自分なりに調べて、修正要素として「夜間」ということで、相手側に加算修正を要求しましたが、聞き入れてもらえません。

自分の主張は無理なんでしょうか?もし、通るとすれば、この先、何を相手側に訴えればよいんでしょうか?

石田 岳彦の写真 弁護士の回答石田 岳彦弁護士 自動車と歩行者の事故の場合の場合、夜間、自動車が前照灯を点けて走行しているのであれば、歩行者による自動車の発見は、昼間に比較して、それ程難しくはなりません。

他方、自動車による歩行者の発見は、暗くなった分、困難になりますので、事故時が夜間であることを自動車に有利な過失割合の修正要素とし、自動車側の負担を軽減する合理性があります。

他方、自動車と単車の事故の場合、双方車両がライトをつけている限り、条件は同様なので、夜間であることを、片方の車両に有利な修正要素とする理由はありません。ライトを点け忘れていた車両があれば、そちらについて過失割合を加重すれば足ります。

バイク対車の事故の場合は、夜間に事故が起きたことが修正要素となる可能性は低いでしょう。一方、歩行 者対車であれば、夜間は車が歩行者を発見しにくくなるため、車に対して修正要素が働き、過失割合が変わる可能性があるでしょう。

事故相手が前方不注意の車だったことは修正要素になるのか

alt バイクと車との事故で、車側の落ち度は、修正要素となるのでしょうか。バイクと、前方不注意の車が衝突したケースを元に解説します。

過失割合に納得できません。

相談者の疑問 バイクで優先道路を走行中、信号のない脇道から出てきた車に衝突され、骨折しました。加害者は流れが切れるのを一時停止して待っているようだったので、私は流れに乗って走っていったところ、車が発進してきました。

保険会社によると、過失割合は1対9とのことですが、その提案に納得できません。著しい前方不注意という修正要素はないのでしょうか?

また、医療費も一部しか入金がなく、今後のケガの保障に不安があります。自分の加入している保険会社も非協力的で、早く過失割合を認めるよう急かされています。

過失割合を修正できる可能性はないのでしょうか?加害者は不注意を認めています。

丹羽 錬の写真 弁護士の回答丹羽 錬弁護士 9:1というのは、バイクが優先道路を走行していて、左方から車両が進入してきた場合のベーシックな過失割合かと存じます。

加害車両が一時停止していたということからすると、記載されている事情だけからは、著しい過失による修正は、なかなか難しいような印象を受けます。

9:1ですから、そもそも加害者に一定の不注意があることは大前提となっています。そのベーシックな割合を更に動かすには、通常想定される以上の過失が必要となります。

例えば、加害者が運転中、携帯を操作していて前方を全く見ていなかったなどが考えられます。通常の不注意以上の何かしらの特別な事情があったといえるかだと考えます。特別な事情はあったのでしょうか。

保険会社から、過失割合を認めることを急かされているということですが、人身傷害もあるということですので、過失割合については、人身傷害について、示談する際にまとめて話をしたいと仰られてはいかがでしょうか。

あるいは、人身傷害についてのご不安もあるようですので、過失割合の交渉も含めて、弁護士に直接、相談されてはいかがでしょうか。ご本人が保険会社の担当者と交渉して、ベーシックな過失割合を動かすことは、なかなか難しいように思われます。

前方不注意のような落ち度は、ベースとなる過失割合にすでに盛り込まれているようです。 ただし、「加害者が運転中に、携帯を操作していて前方を全く見ていなかった」など、通常想定される以上の特別な事情がある場合は、過失割合が修正される可能性があるでしょう。

まとめ

今回は、自転車またはバイク対車の事故における修正要素のうち、修正要素として認められ難いケースについてみてきました。 横断歩道を横断していた時や夜間に事故が起きたといったことは、歩行中の事故であれば修正要素として考慮されます。しかし、歩行中ではなく、自転車やバイクなどに乗っている時に車と衝突した事故の場合、基本的に修正要素として考慮されないようです。 また、事故の相手方の前方不注意はベースとなる過失割合にすでに盛り込まれているため、修正要素として考慮することは難しいようです。 ただし、「加害者が運転中に、携帯を操作していて前方を全く見ていなかった」など特別な事情がある場合は、過失割合が修正される可能性があるでしょう。 過失割合について納得できないけれど、自力で保険会社と交渉していくことも難しい場合は、弁護士などの専門家に相談することも検討してみるとよいでしょう。

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