後遺障害

弁護士監修記事 2018年10月12日

交通事故後の首の痛み、原因は「加齢」と診断された…賠償金額への影響は

交通事故後、首にむち打ちなどの症状が出た場合に、「加齢によるもの」などと診断されることがあります。 このような場合、事故が原因で症状が出たと証明することは難しいのでしょうか。賠償金の額にも影響するのでしょうか。 みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 首の症状が「加齢によるもの」と診断されたら
  2. 「先天性の疾患が原因」と診断された場合は
  3. 治療期間が1か月以上空いた場合、賠償金への影響はあるのか
  4. まとめ

首の症状が「加齢によるもの」と診断されたら

alt 交通事故後に出た首の痛みについて、検査の結果、加齢が原因であるとの指摘を受けた場合、交通事故が原因で発症したと主張することは難しいのでしょうか。

事故との因果関係が否定されてしまった場合


相談者の疑問
交通事故にあい、整形外科に通いはじめて、もうすぐ5か月になります。先日、首のMRIを撮りました。ヘルニアがあるそうですが、加齢のため、以前からあったものと言われました。

事故との因果関係が否定されたような気がするのですが、治療は打ち切られるのでしょうか?今後、ヘルニアを後遺障害として認めてもらえる可能性はないのでしょうか?


三野 久光弁護士
ヘルニアが加齢に基づくもので、事故前からあっても、事故前は症状がないことがあります。その場合、事故を契機に症状が出る場合は、事故の衝撃によって症状が出たわけですから、やはり事故との因果関係が認められることになります。ただし、素因減額されることがあります。

ただし、後遺障害として認められるかどうかは、神経学的症状などが症状の裏付けたる医証が認められるか否かなど症状の説明がつくかどうかが重要であって、ヘルニアが加齢(変性)によることは必ずしも決定的なことではありません。

交通事故後に出た首の症状について加齢や先天性の疾患が原因と診断された場合でも、必ずしも事故との因果関係が否定されるわけではないようです。ただし、賠償額が減額になる可能性があるでしょう。

「先天性の疾患が原因」と診断された場合は

alt 事故後に生じた首の症状について、先天性の疾患が原因であると診断された場合についても、同じように減額されてしまうのでしょうか。

人身事故


相談者の疑問
交通事故にあい人身事故扱いになりました。相手10&自分0です。事故前は首や肩の痛みの症状が全くなく、事故後に症状が出ました。個人の開業医で治療を受けていたのですが、あまりにも痛みが収まらなくて早い段階でMRIに入りました。

結果、先天性の頚椎性脊髄症と診断されました。元々あったものが事故の衝撃でひどくなったものかもしれないと言われました。

先天性で事故によってひどくなったことでも、相手保険会社に先天性と知られれば、治療費の打ち切りにあってしまうのでしょうか?


好川 久治弁護士
先天性の疾患があったからと言って因果関係が否定されるわけではありませんが、疾病と言える程度のものですと既往症として最終的な損害賠償額が減額となる可能性がありますので、それを見据えて保険会社が治療費を打ち切る可能性は否定できません。

ただ、治療を打ち切られたら自費で通院してください。一部立替えになりますが、慰謝料を考えると立て替えた金額は後日回収は可能です。治療費を抑えるためにも健康保険は利用してください。

先天性の疾患がある場合も、損害賠償額が減額される可能性があるようです。保険会社から治療費を打ち切られる可能性もありますが、自費で立て替えた治療費は後から回収できるでしょう。

治療期間が1か月以上空いた場合、賠償金への影響はあるのか

alt 加齢や先天性の疾患が原因と指摘された場合、賠償金が減額される可能性があるようです。 では、交通事故後に首に発症した症状の治療がコンスタントにできず、治療期間が1か月程度空いてしまった場合、保険会社に賠償金を請求していくうえで不都合が生じるのでしょうか。

交通事故で1ヶ月以上治療があいてしまった場合、保険適用で再度治療することは可能でしょうか?


相談者の疑問
交通事故にあい、相手の自賠責保険で対応してもらえることになり、翌日整形外科でむち打ちとの診断を受けました。その後は忙しく結局通院できないまま1か月以上経過してしまいました。

相手の保険会社からは診察が1か月空いてしまったのでもう対応はできない旨を言われ見舞金の記載された示談書が郵送されてきました。

現在もむち打ちのせいかずっと頭痛がひどく、吐いたりもしているのでもう一度整形外科にかかりたいと思い、再度保険会社に電話しましたが認めてもらえませんでした。

保険会社からは、ドクターが事故との関連性を証明してくれるのであれば対応を検討するとの回答を得ましたが、現実的に可能でしょうか?


大久保 朝猛弁護士
最後の通院日から1か月間通院の空白があるのであれば、一般論としては1か月経過後の通院と交通事故との間の因果関係は否定される可能性が高いです。

ただ、絶対に認められないとまでは言い切れません。ご指摘の、医師による事故との関連性を認める趣旨の診断書や意見書のほか、具体的なご事情を踏まえた何らかの証拠が出せれば、認められる可能性もあるでしょう。

いずれにせよ、任意段階で相手方との間で折り合いがつかず、それでも治療費などを請求したいならば、訴訟はほぼ必須となります。

最後の通院から期間が空いた後に再び通院を始めた場合、保険会社に、交通事故との関連性を否定される場合があるようです。関連性を認めてもらうためには、医師による診断書や意見書で、事故で生じたケガのための通院であることを証明する必要があるでしょう。

まとめ

交通事故後に出た首の症状について加齢や先天性の疾患が原因と診断された場合でも、必ずしも事故との因果関係が否定されるわけではないようです。ただし、損害賠償金が減額になる可能性があるでしょう。 注意したいのは、首の症状を治療する際、コンスタントに通院できず、空白期間ができてしまった場合、再び通院を始めたときに、保険会社に通院と事故との因果関係を否定される可能性があることです。 医師の指示に従って、あまり間を空けずに治療を受けるようにしましょう。

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