後遺障害

2018年10月11日

【交通事故】顔や身体に傷跡が残った場合に後遺障害等級は認められるのか

交通事故でケガを負った場合、傷跡がそのまま残ってしまうケースがあります。手足や顔に傷跡が残った場合に、後遺障害等級認定を受けられるのでしょうか。「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに解説します。

目次

  1. 手足に残った傷跡は後遺障害に認定されるのか
  2. 肘や膝より上の傷跡は、後遺障害に認定されないのか
  3. 顔に複数の傷跡が残った場合、後遺障害に認定されるのか
  4. まとめ

手足に残った傷跡は後遺障害に認定されるのか

alt 交通事故で手や足にケガをすると、傷跡や手術痕が消えずに残ることがあります。この場合、後遺障害に認定される可能性はあるのでしょうか。どのような基準で認定されるのでしょうか。

交通事故の慰謝料。この場合、慰謝料請求はできるのでしょうか?


相談者の疑問
子どもが交通事故にあいました。ケガの方は右手骨折で手術をし、まだ通院中です。全治9か月の予定です。

この右手の完治をもって示談の交渉が始まる予定ですが、後遺障害として右手に手術後が残ること、片足の切り傷跡が2センチほど赤く盛り上がり、そこだけ毛が生えてこない状態で、跡が残ると言われています。

半ズボンをはくと見えるので、子どもはとても気にしています。また、自転車に乗ることが怖くなって、事故以来、1度も乗っていません。

この場合、慰謝料請求はできるのでしょうか?できるのであれば金額はどのくらいでしょうか?


田奧 明生弁護士
右手の手術痕は、肘関節以下に手のひら大の痕が残れば後遺障害等級14級の要件を満たします。片足の傷痕は、膝関節以下に手のひら大の痕が残れば、同様です。

そのほかにも、右手の骨折は全治9か月もの酷いものだったのですから、神経症状が残る可能性があり、後遺障害等級14級や場合によっては12級が取れるかもしれません。

まずは、医師に症状を全部伝えるところから始めてください。その後のことは、弁護士に相談されてみてください。

手足の傷跡や手術痕については、肘もしくは膝の関節よりも下に手のひらサイズの痕が残れば、後遺障害等級認定を受けられる可能性があるようです。

肘や膝より上の傷跡は、後遺障害に認定されないのか

alt 手足の傷も、肘や膝より下であれば認定される可能性があることはわかりました。では、肘や膝よりも上の場合は認定されないのでしょうか。また「手のひら」サイズとは、誰の手のひらを基準に考えるのでしょうか。

交通事故での腕と太腿の傷の後遺障害について


相談者の疑問
交通事故で腕と太腿に傷跡が残りました。擦り傷ですが沢山重なって広範囲に痕が残っている状態です。傷の深さは深くありませんが、元の肌の色と比べるとかなり目立ちます。

そこでご質問させて頂きたいのですが、

1.腕の傷は肘より下にありますが、もしこれが肘より上の場合は該当しないですか?太腿の傷も普段露出しないので該当しないのでしょうか?ひざ下であれば認定されるのでしょうか?

2.大きさは手のひら大と書いてありますが、誰の手のひらの大きさが基準になるのでしょうか?

3.自賠責の治療費の請求時の最初の診断書から傷のことを書いてもらわないと、後遺障害等級認定してもらえないでしょうか?


古本 和雅弁護士
1.肘より下、膝より下であれば後遺障害14級に該当し、肘より上、膝より上であればこれに該当しません。14級4号と5号では上肢と下肢の「露出面」の醜状痕が後遺障害に該当すると規定していますが、この「露出面」とは、肘下と膝下と解釈されています。

2.ご自身の手のひらの大きさが基準です。手のひらとは指の部分を除いた大きさです。 

3.別の方法で事故との因果関係を証明できるのであれば、最初の診断書から書いていなくても大丈夫です。
 
あざが残った場所が、事故で傷害を負った部位と一致しており、あざの形状やサイズ、新しさなどが事故の状況と一致していれば、これを説明することで後遺障害と認めてもらうことは十分可能でしょう。医師に相談して、意見書を書いてもらってもよいかと思います。

手足の傷跡については露出している部分が該当するため、半袖や半ズボンをはいても露出しない、肘や膝よりも上の部分については後遺障害に該当しないと考えられます。また、基準となる手のひらサイズとは、被害者自身の手のひらが基準になるとのことです。

顔に複数の傷跡が残った場合、後遺障害に認定されるのか

alt 顔に傷跡が残った場合にも、後遺障害に認定される可能性はあるのでしょうか。

交通事故での顔の傷について


相談者の疑問
息子(事故当時18歳)が約5か月前に交通事故にあいました。顎を縫うケガをし、現在顎と鼻の下に傷跡が残っています。

傷については縫合、抜糸の2日の通院です。3か月後に示談書が届きましたが、傷に対する賠償は何もなく、通院日数のみの賠償でした。書類に印鑑は押していません。

1:傷が目立つので再度病院にかかりたいと相手の保険会社に連絡したら、日数がたっているので費用は出せないと言われました。支払ってもらうことは難しいでしょうか?

2:顔の傷はいずれも3cm以下です(顎2.5cm、鼻の下2cm)。その場合は傷跡に対する賠償金は0なのでしょうか。後遺障害等級認定も難しいでしょうか?


清水 卓弁護士
1:相手方保険会社としては、賠償額を抑える動機からそのように回答したものと思われますが、示談交渉や訴訟の結果次第では、再度の通院費用も賠償してもらえる可能性があります。

2:お顔に複数の傷がある場合の後遺障害の等級認定にあたっては、「2個以上の瘢痕または線状痕が相隣接し、または相まって1個の瘢痕または線状痕と同程度以上の醜状を呈する場合は、それらの面積、長さ等を合算して等級を認定する」というルールがあります。

ですので、息子さんのご事案でも、合算による後遺障害の等級認定の可能性があります。

仮に、合算による後遺障害の等級認定がなされない場合でも、息子さんは若く、お顔の目立つ部分にご投稿内容のような傷を負ったことに対し、精神的苦痛を被ったことと存じます。

このような苦痛に対し、相応の慰謝料が認められてしかるべきだと思われます。実際に、訴訟提起により、相応の慰謝料が認められるケースもございます。

お顔の傷のケースでは、相手方保険会社の提示金額と適正な賠償額との間に大きな差が生じることが多いので、交通事故に精通した弁護士に直接相談するなどして、適正な賠償を目指されることをお勧め致します。

顔に複数の傷が残った場合は、傷跡を合算して要件に見合った面積や長さになるようであれば、後遺障害に認定される可能性があるようです。また、顔の傷跡は他の部分よりも目立つため、精神的苦痛に対する慰謝料について認められるケースもあるでしょう。

まとめ

交通事故によるケガで身体に傷跡が残った場合、傷跡が残った部位、傷の大きさが後遺障害認定のポイントになるでしょう。 さらに、顔などの目立つ場所に傷跡が残った場合には、後遺障害等級認定を受けられなかった場合でも、精神的苦痛に対する慰謝料にが認められる可能性があるようです。

関連記事

慰謝料や損害賠償金額を計算する

計算機とお金の画像

交通事故被害の慰謝料・賠償金を計算できます 慰謝料・損害賠償金計算機

お悩みの解決策を探す

やること診断

今するべきことがわかります 交通事故のやること診断

チェックリスト

解決の流れとすべきことを知りたい方へ

解決までの全記事

必要な情報を詳しく知りたい方へ

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

後遺障害等級認定を扱う弁護士を探す

後遺障害に関する法律相談

  • 自賠責事前認定の同意書を断れるか?

    先日、相手側損保から自賠責の事前認定調査の同意書が郵送で届きました。 11ヶ月にバイクで交通事故に遭い、入院しています。 現在、おもに頸髄損傷と排泄障害と椀神経損傷とPTSDを症状を...

    1弁護士回答
  • 解雇されてから復職するまでの逸失利益について質問があります。

    解雇されてから復職するまでの逸失利益について質問があります。 3か月で解雇を撤回し、復職することになりました。 解雇される前までは週3日で仕事に行っていたのですが、契約書には週5日と...

    1弁護士回答
  • 交通事故で基本給が減給になりました。

    交通事故で休んだ事により基本給が減らされてしまいました。後遺障害の逸失利益とは別に実際に減った分を請求することは可能でしょうか? もし請求出来るとしたら、例えば30歳で基本給が2万...

    1弁護士回答
  • 片方(被害者側)に弁護士さんが居ない時の示談交渉について

    双方に弁護士さんが付いている場合はどうかわかりませんが、相手側に弁護士さんが付いてない場合、交通事故の示談提示に逸失利益分を計算せずに提示する事は一般的に良くある事なのでしょう...

    2弁護士回答
  • 後遺障害の異議申し立てについて

    後遺障害の異議申し立てについてお伺いさせてください。 現在、頸椎捻挫で14級9号の認定が出ています。 高次脳機能障害については後遺障害診断書待ちですが、相手側の弁護士さんより「非該当...

    1弁護士回答
1 2 3 4 5 ... 30

相談を絞り込む

後遺障害の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識