過失割合

弁護士監修記事 2018年09月28日

追突事故のケース別過失割合…追突された側にも過失がつく場合とは

交通事故の中で比較的発生件数が多いと言われているのが、追突事故です。追突事故において、追突した側と追突された側の過失割合は、どのように考えられるのでしょうか。

  • 直進時にブレーキを踏んで追突された場合の過失割合
  • 一時停止中に追突された場合の過失割合
  • 駐車中に追突された場合の過失割合

上記3つの追突事故のケースについて「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をもとに過失割合について解説します。

目次

  1. 直進時の追突事故の過失割合
  2. 一時停止中の追突事故の過失割合
  3. 駐車中の追突事故の過失割合
  4. まとめ

直進時の追突事故の過失割合

alt 交差点にさしかかってブレーキを踏んだ際に、後続車が追突してきた場合、追突した側とされた側の過失割合はどのように考えられるのでしょうか。

追突事故の過失割合はどうなるのでしょうか?


相談者の疑問
片側一車線のセンターラインがある道路を走行中、交差点にさしかかったので(交差する側に一時停止あり)、安全確認のためブレーキを踏み停止しました(対向車線が渋滞していて飛び出しがあるかもと思ったため)。すると、後続車に追突されました。

前方車は不必要に急ブレーキをかけてはならない(道路交通法24条)、とありますが、何をもって不必要とし、何をもって急ブレーキとするのでしょうか?

また、私の場合、過失割合はどうなるのでしょうか?


池田 毅弁護士
具体的な速度やブレーキのかけ方によって異なりますので、一言でこうです、というのは難しいですが、急ブレーキは、ブレーキを思い切り踏み込んで(あるいはそれに近い程度の踏み込みで最短距離で)停止(又は減速)するような場合のことをいうのが多いかと思います。

従って、交差点にさしかかり、信号に従って徐々に速度を落とすような停止の仕方はもちろん急ブレーキではありません。

また、24条は、不必要な「急ブレーキ」を禁止しているのであって、普通に停止するのであれば、基本的には24条違反ではありません。その意味では必要か不必要かは、直接的には問題となりません。もっとも、全く必要もないのに停止するということは、別途安全運転義務違反ということはありえるかもしれません。

御質問の状況が、渋滞の様子や、道路の状況によって変わるとは思いますので断言は出来ませんが、安全確認のために(急ブレーキではなく普通に)停止することは問題のない行為のように思えます。

そうなると後続車は、前車が停止したときには追突しない距離で走行する車間保持義務があり、それに反したということになるので、通常の追突して、あなたには過失はないというように思えます。

道路交通法で禁止されているのは、不必要な急ブレーキとのことです。事故当時の道路状況にもよりますが、交差点でブレーキを踏んで普通に停止したのに追突されたのであれば、追突された側に非はないと考えてよいでしょう。

一時停止中の追突事故の過失割合

alt 不必要な急ブレーキでなければ、追突された側には過失がないと判断される可能性が高そうです。では、自分の車が一時停止している状態で、後ろから追突された場合、過失割合はどのように考えられるのでしょうか。

完全停止中の事故 過失割合について


相談者の疑問
先日事故で相手に追突されました。状況としては私は片側一車線の道路を直進し、右に入る道があったので右折するためにウィンカーを出して安全確認をするために停車しました。

自転車が前方から来ていたのでセンターラインを超えず私が直進してきた車線内で停車して自転車が通り過ぎるのを待っていたところ、対向車線にハザードを炊いて止まっていた車がバックをしてきて私の右後ろと相手の右後ろが追突し事故が起きました。

事故直前、相手の車はハザードを炊いて対向車線に停車していました(私から見て右の後ろ)。

どうやら相手の車は私の車線側にあるお店の駐車場に対向車線からバックして駐車をしたかったようです。そして相手がバックをする際はバックモニターしか見ておらず、私が見えなかったそうです。

1、相手側がハザードを付けている車があるときはどのような動きをするか分からないのに注意して見ていなかった私にも過失があると言われました。

しかし、私が右折時に停車して相手の車を目視した際、相手側の車はハザードを炊いてはいましたがバックランプが付いていない状態でした。

ぶつかった際、私は自転車が通り過ぎるのを見ていたため回避不能でした。

2、この場合私にも過失が付くのでしょうか?私は10対0だと思っています。


山根 嗣朗弁護士
相談者さんは右折待ちのため一時停止中であったこと、相手方が後進する場合には事故が発生する可能性が高いので十分に後方を確認しなければならなかったのに、これを十分にせずに後進してきたために発生した事故であることを考慮すれば、過失割合としては10対0になると考えられます。

ハザードランプがついていたとしても過失割合には関係ないと思われます。

とくに今回は相手方がバックしてきてますので、バックすることまで当然に注意しなければならないというのは主張として通らないと思われます。

上記のケースのように、自分の車は右折するために一時停止しているのに対して、相手の車が十分に後方確認をしなかったために追突した場合、相手の過失が10割と考えられるようです。

駐車中の追突事故の過失割合

alt 自分の車が一時停止している状態での追突事故の場合、相手の過失が10割と考えられるようです。では、駐車中に起きた追突事故の場合、過失割合はどのように考えられるのでしょうか。

駐停車していた時にぶつけられた場合の過失割合


相談者の疑問
夜20時頃、狭い道路で右側に駐停車していた時に、タクシーに側面から後ろにかけてぶつけられました。

警察を呼んで事故対応していた時にはタクシーがぶつけてきたことから、過失は100%タクシー側だと思っていました。「運転手自身人をよけるのに止まっていた車にぶつけた」と事故現場では認めていました。

ところが、相手方保険会社より「動いていたとタクシー会社社内の事故調書に書かれていたこと」と「右側に駐停車していたこと」で過失は9対1と言われました。

ぶつけられた自分はなぜ過失を問われるのでしょうか。過失割合としてはどうなるのでしょうか。


窪川 亮輔弁護士
駐車車両に対する追突事故の場合、被追突車と追突車の基本的な過失割合は0対100となります。

しかし、駐停車が不適切である、と認定された場合、被追突車側に1割~2割程度の過失割合が認定されます。

駐停車が不適切とは、道路幅が狭いところ、追い越し車線、幹線道路等交通量が多いところ、と記されています。

本件現場付近が狭い道路であるなら、駐停車が不適切、と認定されるかもしれません。

また、道路交通法は、駐停車するときは道路の左端に沿うようにしなければならないとされていますから、「右側に駐停車していたこと」で駐停車が不適切であると判断される可能性はあります。

よって、裁判になった場合、あなたに1割ないし4割の過失割合が認定される可能性は認められますから、0対9で示談が可能ならば、リスクヘッジのためにも、0対9の内容で解決するのも不合理ではないと思います。

一方で、0:10の判決を勝ち取ることのできる可能性は否定できませんので、訴訟提起をすることも不合理とはいえないと思います。

駐車中の車に対する追突事故は、基本的には相手の過失が10割と考えられるようです。ただし、駐車の場所などが不適切だと判断された場合、追突された車にも1〜2割程度の過失が認定される場合もあるようです。

まとめ

「急ブレーキではなく普通にブレーキを踏んで停止したところ追突された場合」「一時停止中に相手の車の後方確認が不十分で追突された場合」「駐車中に追突された場合」のいずれも、基本的には追突した車に過失が10割あると考えられるようです。 ただし、駐車をしていた場所などによっては、追突された側にも過失があったと判断される可能性もあります。

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