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後遺障害

2018年08月16日

むち打ちは後遺障害に認定される?どんな症状がどの等級に当てはまるのか

交通事故のケガが完治しない場合には、後遺障害の認定手続きを行います。しかし、むち打ち(外傷性頚部症候群)と診断されていても、必ず後遺障害と認定されるわけではありません。

  • むち打ちは後遺障害にあたる?
  • 等級は何級になる?
  • 認定のポイントは?

ここではこうした疑問にお答えします。後遺障害に認定されるかは、交通事故の被害回復において非常に重要なポイントです。適切な賠償が受けられるようにしっかりと備えましょう。

目次

  1. むち打ちは後遺症になる?
    1. なぜ後遺障害の等級認定が大事なの?
    2. 治る?治らない?どう判断すればよい?
  2. むち打ちは後遺障害の何級に当たる?
  3. 12級13号に認定されるポイント
  4. 14級9号に認定されるポイント
  5. 等級に当てはまった場合の慰謝料や逸失利益は?

むち打ちは後遺症になる?

交通事故の被害にあい、外傷性頚部症候群、いわゆる「むち打ち」と診断されて治療を続けていると、ある日保険会社から「回復が見込めないので治療を打ち切り、後遺障害の申請をしましょう」といった案内を受ける場合があります。 そもそも、むち打ちは完治せずに後遺症が残るものなのでしょうか。 多くのケースでは、むち打ちは完治するでしょう。しかし、むち打ちと一口に言っても、症状や重さにも差があり、中には後遺症が残ってしまうケースもあります 後遺症が残るのであれば、後遺障害の等級認定手続きを、そうでないならしっかりと治療して完治を目指しましょう

なぜ後遺障害の等級認定が大事なの?

交通事故の被害は、加害者から損害賠償を受け取ることで解決を図ります。多くのケースでは、加害者が加入する保険会社から保険金という形で支払われます。 治療費も保険金の中に含まれていますが、治療費は、完治するまで、または、原則として「これ以上治療を続けても回復が見込めない(症状固定)」と医師が判断した時点まで支払われます。 後遺症とは「治療を続けても回復が見込めない症状」ですので、医学的に効果のない治療に対しては、保険会社は治療費を補償してくれないのです。 代わりに、慰謝料逸失利益という名目で、症状の重さに応じた賠償がなされます。その支払いがなされるかどうか、金額がいくらになるかは、後遺障害の認定手続きで決まった等級を基準に計算されることが一般的です。 そのため、適切な等級に認定されることが、被害に見合う賠償を受けるために重要になってきます。

治る?治らない?どう判断すればよい?

一方で、完治するケガの場合には、後遺障害の認定手続きをおこなっても、後遺障害には該当しない可能性が高いでしょう。そうであるにもかかわらず、「これ以上回復は見込めない」と判断して治療を打ち切ってしまうと、完治するものが完治せず、治療費も慰謝料も支払われない、という最悪の結果になる可能性があります。 治るかどうかの判断は、当然ながら医師がすべきです。治療を続ける必要があるかどうかは、必ず主治医の判断に従いましょう 保険会社から治療費の支払いが打ち切られたとしても、医師が必要と判断した治療の費用は、あとから保険会社に請求できます。安心して治療に専念してよいでしょう。 生活費に余裕がなく、治療費の立替えが困難な場合は、一部の保険金を前もって受け取ることも可能です。保険会社から治療費の打ち切りと言われた場合には、以下の記事も参考にしてください。

むち打ちは後遺障害の何級に当たる?

医師からも後遺症が残ると判断した場合には、後遺障害の認定手続きを行います。後遺障害は14段階の等級に分かれていますが、むち打ちの場合は何級に該当するのでしょうか。 むち打ちの場合には、等級表の以下の項目に当てはまる可能性があります。

等級 状態
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

等級表の記載はシンプルですが、痛みやしびれなどの神経症状があれば必ず等級が認定されるということではありません。神経症状が今回の事故が原因であることを、医学的に証明できることが重要です。 また、後遺障害の認定審査は原則として書類審査のみです。提出する後遺障害診断書の内容から、医学的な証明がうかがえることも重要です。 具体的にどのような検査結果が必要なのか見ていきましょう。

後遺障害の審査は、下記に示すポイントだけでなく、事故の状況や治療期間、治療の経過、過去のケガとの関係性などから総合的に判断されます。下記のポイントだけがすべてではないことに留意し、必ず後遺障害に精通する医師や弁護士などの専門家にアドバイスを求めてください。

12級13号に認定されるポイント

むち打ちの場合に12級13号に認定されるためには、神経症状が発生している原因(主に頚椎椎間板ヘルニア)を、レントゲンやMRI画像などから医師が考察できることが重要です。 また、その部位と自覚症状に一致する「神経学的検査」の結果も重要です。むち打ちの場合に用いられる代表的な神経学的検査には、次のようなものがあります。

  • 神経根症状誘発テスト(A)
  • 徒手筋力検査(B)
  • 筋萎縮検査(C)
  • 腱反射テスト(D)
検査 内容
A 医師が患者の頭を傾けて神経根を圧迫し、痛みやしびれが生じるかをチェックします。スパーリングテストやジャクソンテスト、ショルダーデプレッションテストがあります。
B 神経に障害が出ると、その神経が支配している領域の筋力が低下します。両側の肩や腕の筋力を比べ、どの程度低下したのかをチェックします。
C 痛みやしびれがあると、その部位を自然と使わなくなり、筋肉がやせ細っていきます。上腕部と前腕部の周囲を計測し、萎縮が見られるかをチェックします。
D 腱をゴムハンマーで叩いて刺激を与え、筋収縮をチェックします。神経障害があると、反射に異常な動きが見られます。

特に最後の2つの検査は、ごまかしが効かない客観性の高い検査なため、等級認定の審査においても重視される可能性が高いでしょう。 このように、後遺障害診断書にMRIなどによる画像所見や神経学的検査結果の記載があるかどうかが認定のポイントとなります。

14級9号に認定されるポイント

むち打ちの場合に14級9号と認定されるには、神経障害が医学的に推定できることが重要です。しかし、何をもって医学的に推定できたと言えるかは基準が明確ではなく、以下のような点に着目されます。

  • 事故の状況から強い衝撃があったことがうかがえるか(A)
  • 事故当初から継続的に病院に通っているか(B)
  • 事故当初から症状の連続性・一貫性がうかがえるか(C)
観点 重視理由
A 後遺症が残るのは、事故時に相応の衝撃があったと考えられるため、どのような事故であったのかもチェックされます。
B 事故当初に通院していない場合には、「症状が軽微」「事故と関連がない」と推定される可能性があります。また、整形外科などで医師の治療を継続して受けていることや、その期間、頻度も、症状の重さや下記の連続性・一貫性を推定するうえで重視されます。
C たとえば、事故当初は「左手がしびれる」と言っていたのに、翌月には別の部位の症状を訴えるようなケースや、一度治ったと言っていたのに、再度ぶり返すようなケースでは、後遺症なのか推定が困難になります。また、後遺障害は常に症状が発生していることを前提としているため、「時折痛む」というようなケースも認定されない可能性があります。

これらの観点に加え、12級13号でも紹介した神経学的検査で神経障害がうかがえる反応が出ていると、14級9号に認定される可能性が高まるでしょう。

等級に当てはまった場合の慰謝料や逸失利益は?

12級や14級に当てはまった場合、後遺障害に対して支払われる慰謝料や逸失利益はどの程度になるのでしょうか。 慰謝料は一般的には等級によって一定ですが、逸失利益は年齢や収入によっても変わります。ここでは44歳で年収600万円の方を想定して計算しています。

等級 慰謝料 逸失利益
12級 290万円 1133万424円
14級 110万円 404万6580円

上記のように、後遺障害に認定されると賠償金額が大きく変わることがうかがえます。後遺症が残るということは、このくらいの賠償を得ないと釣り合わないということですので、必要な手続きをしっかりと行いましょう。

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