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交通事故慰謝料・損害賠償

交通事故による通院・入院に対する慰謝料 - 自賠責・裁判基準による相場と計算方法

交通事故によって負傷し治療を強いられた場合には、通院や入院に対して慰謝料が認められています。しかし、自賠責基準と裁判基準で計算方法が異なり、金額差も大きくなるため注意が必要です。保険会社は自賠責基準に基づく低い金額で示談しようとしてくるのです。通院や入院に対する慰謝料の正しい計算方法を知り、妥当な補償が受けられるよう交渉しましょう。

目次

  1. 治療費と慰謝料の違い
  2. 自賠責基準と裁判基準
  3. 自賠責基準での計算方法
  4. 裁判基準での計算方法
  5. 入通院慰謝料の増額

治療費と慰謝料の違い

交通事故によって傷害を負った場合には、通院や入院して治療を強いられてしまいます。当然ながら治療費は加害者が負担するものですが、治療費とは別に「慰謝料」も請求できるのです。

しかし、自賠責保険に支払いを求めると、治療費や慰謝料などの合計額が120万円を上限とされてしまうことには注意が必要です。自賠責保険の上限を超えた分は、加害者の加入する自動車保険が負担することとなります。

自賠責基準と裁判基準

自賠責保険の上限を超えても、加害者が任意保険に加入していれば大丈夫、とも思えますが、必ずしも保険会社が十分な賠償をしてくれるとは限りません。保険会社は営利企業であり、少しでも保険金の支払いを抑えたいのです。

そもそも自賠責保険では最低限の保障を目的としており、損害賠償として必要十分な金額を補償してはくれません。そのため、任意保険が上限を超えて支払いをしてくれると言えども、自賠責基準で計算した慰謝料額を支払ってもらうだけでは、被害に見合った賠償とはならないのです。

適正な金額を受け取るためには、裁判所が判決で取り決めた金額、裁判基準で慰謝料の計算をしなければなりません。自賠責基準と裁判基準の計算方法と、その金額の違いを確認しましょう。

自賠責基準での計算方法

自賠責基準では、通院や入院に対する慰謝料は次のように計算することができます。

入通院慰謝料 = 治療日数 × 4,200円

治療日数は次のうちどちらか小さい方を用いて計算します。

  • 治療期間
  • 通院した日数 × 2

例えば、次の状況での慰謝料額を計算してみましょう。

  • 治療期間は150日間
  • 事故直後90日間の入院
  • 退院後は20日だけ通院

この場合は、通院日数(110日 = 90日 + 20日)の2倍(220日)よりも治療期間(150日)の方が小さいので、治療期間を治療日数に採用します。その結果、慰謝料額は63万円となります。

150日 × 4,200円 = 630,000円

裁判基準での計算方法

裁判基準での慰謝料を計算する際には、弁護士が実務で用いる下記の表を使います。入院期間と通院期間のクロスする箇所が、入通院慰謝料の目安となります。

裁判基準では1か月を30日として扱います。通院の場合は、1週間に2日は通院することを想定して作られているため、通院頻度が下回る場合には減額されてしまうことに注意が必要です。

通院・入院慰謝料表

なお、他覚症状のない「むち打ち症」などの場合は通院期間が長期化してしまう可能性もあるため、別の基準が設けられています。以下の表をご参考ください。

通院・入院慰謝料表(むちうちの場合)

入通院慰謝料の増額

裁判では、個々の事案ごとに適切な慰謝料額を精査して判決を下します。明確な慰謝料の計算式があるわけではなく、慰謝料表はあくまで相場を表しています。

そのため、事案によっては増額の可能性もあります。増額される状況としては次のようなものが挙げられます。

  • 重症の場合
  • ひき逃げなど加害者が悪質な場合
  • 妊婦が胎児を死産・流産した場合

一方で、増額が認められるには、示談では難しく、裁判を起こさざるをえないことがほとんどでしょう。そもそも、裁判基準は裁判で勝訴できた場合の基準なので、そのような根拠もなしに保険会社もその金額を認めてはくれません。

裁判基準の適正な金額を得るためには、裁判も視野に入れて弁護士に依頼するとよいでしょう。弁護士が介入することで、裁判基準に近い基準で示談を成立できる可能性もあり、裁判基準は弁護士基準とも呼ばれています。

初回相談が無料の弁護士も多いので、まずは一度相談してみることをおすすめします。

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