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休業損害

交通事故による休業損害の期間や計算方法

交通事故によって負傷した場合には、通院や入院を余儀なくされ、その間に仕事ができない場合も多いでしょう。収入の補填を休業損害として加害者に求めることができますが、どのような基準で計算するかによって、その金額は大きく異なります。治療期間によっては金額も大きくなり、正しく計算されることが重要でしょう。休業損害を計算する基準やよくあるトラブルについて学び、しっかりと補償を受け取りましょう。

目次

  1. 休業損害とは
  2. 休業損害の計算方法
  3. 基礎収入の算定方法
  4. 休業損害が受け取れる期間
  5. 休業損害の打ち切り

休業損害とは

休業損害とは、交通事故で負傷したことによって、仕事ができずに収入が減ってしまった分の補償です。支給されるはずだった給与だけでなく、ボーナスの減額や諸手当、昇給も加味されます。

休業損害の計算方法

休業損害は次のように計算することができます。

休業損害 = 一日当たりの収入 × 休業日数

休業損害の算定基準には、慰謝料の算定基準と同様に異なる基準があるため注意が必要です。慰謝料の算定基準については「交通事故の慰謝料・損害賠償の種類や算定基準と相場」もご覧ください。

基礎収入の算定方法

自賠責基準での基礎収入

上記の式の「一日当たりの収入」を「基礎収入」とも呼びます。自賠責保険で最低限保障されている基準(自賠責基準)の場合は、原則として一律で5,700円と定められています。しかし、実際の基礎収入が5,700円を上回ることも多いでしょう。そのような場合には、最大で19,000円まで増額が認められることもあります。

ただし、自賠責基準では、治療費や慰謝料も含めた賠償額が、120万円を上限と定められています。休業期間が長くなるような場合には、治療費や慰謝料も膨らみ、上限を超えてしまうこともあるでしょう。

そのような場合には、加害者が任意保険に加入していれば、保険会社に請求することとなります。その際に基礎収入の増額をめぐってトラブルになりうるので、算定方法を把握しておくことが重要です。

裁判基準での基礎収入

裁判で主張が認められた際の基準(裁判基準)では、サラリーマンの場合では、事故前3か月の給与総額を平均し、実労働日数で割ることで基礎収入を算定します。給与総額には残業代も含めることができます。

また、簡易的に実労働日数ではなく、総日数で割ることもありますが、その場合には休業日数に土日祝日も含まれることに注意しましょう。

基礎収入の証明には、勤務先に事故前3か月の給与額や交通事故による欠勤や遅刻日数などを記載した「休業損害証明書」を作成してもらい、給与明細や源泉徴収票などを併せて提出することが一般的です。

休業損害が受け取れる期間

休業損害が受け取れる期間については、自賠責基準でも裁判基準でも変わらず、給与が支払われなかった日数分だけとなります。ただし、治療によって改善が見られ、完全ではないけれども、仕事に復帰できた場合にも、稼働状況に応じた休業損害が認められます。

例えば、基礎収入1万円(総日数で簡易算出)の場合に、事故直後の3か月はまったく労働できず、次の2か月は50%、その次の2か月は80%稼働というケースでは、次のように計算することが可能です。

1万円 × 90日 + 1万円 × 60日 × 50% + 1万円 × 60日 × 20% = 132万円

有給休暇中の休業損害

交通事故による休業期間中に、有給休暇を取得した場合はどうなるのでしょうか。有給休暇を取得している期間も、休業日数に含めることが可能です。

給与の支払いは発生していますが、やむを得ず有給休暇を使っているため、被害者にとっては損害に変わらないのです。しっかりと請求しましょう。

休業損害の打ち切り

休業損害を受け取れる期間は、給与の支払いのない期間ですが、症状固定となって治療費が打ち切られると、休業損害も同時に打ち切りとなります。症状固定後の治療費や休業損害は、後遺障害慰謝料や逸失利益として請求することとなります。

もっとも、治療費の打ち切りは本来の症状固定時に起こるとは限りません。治療による効果があるうちから、保険会社の判断で打ち切られてしまうこともあります。そのような場合には、治療費は自身で負担し、後々に慰謝料などの総額を争うこととなります。

打ち切られた後の治療費が認められた場合には、休業損害も認められることとなるため、必ず請求するようにしましょう。治療費の打ち切りや症状固定については「交通事故の治療費打ち切りの対策・対処 - 適切な症状固定に向けて」もご覧ください。

この他にも休業損害には、ボーナスの減額分や昇給を加味した基礎収入の増額なども問題になり得ます。特に休業期間が長い場合には、昇給も無視できないものとなるでしょう。そうした際に、個人が根拠ある昇給額を算定し、保険会社と交渉するのは非常に困難なものとなります。また、裁判基準の適切な金額を認めさせるためにも、弁護士の力が必要となるケースが多いため、交通事故の被害に遭ってしまったら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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