交通事故賠償金支払いが見込めない訴訟を加害者へ起こすことは、認められるか?

自賠責の被害者請求で賠償金を得ました。
自賠責と違い裁判では厳密に過失相殺が適用されるので、過失割合が変わらないとすると、自賠責の2割減額8割賠償から判決では9割相殺1割賠償となります。
ということは、訴訟で認められる損害額が自賠責の損害額よりも8÷1=8倍超にならないと、追加の賠償金を得ることはできません。
8倍超にならないと分かっていても、無過失を主張し自賠責賠償額との差額を求める訴訟を起こすことは可能でしょうか?

このような一見無駄な訴訟を考えるのは、人身傷害保険金を裁判基準差額とするためです。
通常、自賠責の損害額より訴訟での損害額の方が大きく、裁判で過失相殺を適用されて賠償額が認められなくても、訴外の人身傷害保険金額が増えるため、原告には利益があるのですが、被告との間のものではないため、問題がないかお教え下さい。
2015年06月19日 19時59分

みんなの回答

弁護士A
ありがとう
過失相殺を被告から主張されると請求棄却判決となる可能性の高い場合でも、提訴すること自体は可能です。
過失相殺は本来、被告から出される抗弁ですので、過失相殺を行わずに損害全額から既受領額を差し引いた残額を請求すれば、一応、「損害残額」はでき、これを請求する形で提訴すればよいでしょう。

ただし、人身傷害保険金は、加害者に対する賠償請求ではなく、保険会社とあなたとの保険契約に基づいて支払われる保険金です。
従って、保険金額は、「賠償額に関する裁判基準」ではなく、保険約款の定める人身傷害保険基準により算定されますので、保険金算定の基礎となる事実(入通院期間、後遺障害等級等)に変化がない以上、賠償訴訟を起こしたところで保険金が増額することはないと思います。

2015年06月24日 14時05分

相談者
過失相殺は原告側では敢えて無視すればよいのですね。
ご回答ありがとうございました。

人身傷害保険金が加害者からの賠償金に先行した場合、裁判基準差額説が平成24年に最高裁判例として出たため、加害者と被害者との裁判上の損害額によって、訴外の人身傷害保険金額が変わってきます。人傷基準差額説は否定されました。

2015年06月25日 00時31分

弁護士A
ありがとう
 それは、被害者に過失がある場合に、「人身傷害保険金を受け取った被害者の加害者に対する残損害の賠償請求権」と「人身傷害保険会社の加害者に対する求償権」のいずれを優先させるかという議論であり、被害者(被保険者)が保険会社に請求し得る人身傷害保険金額に影響を与えるものではありません。

 また、加害者に対する裁判自体は起こせますが、判決は訴訟当事者のみを拘束するものであり、加害者に対する賠償請求訴訟の判決も、当該加害者に対して支払いを命じるものに過ぎず、訴外の人身傷害保険会社を拘束しません。
 加害者の任意保険(損害賠償責任保険)とは異なります。

 

2015年06月25日 10時47分

この投稿は、2015年06月19日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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