交通事故の民事損害賠償金の計算方法について

交通事故の民事損害賠償請求の一審判決が近いのですが、過失割合に不服があり、控訴も考えています。
が、半面、長年の裁判の疲弊もあり、過失10%の為に、新たに弁護士費用負担し、
控訴して金額的にもトータルで考え、本当にメリットがあるのか悩んでいます。

人身傷害保険3000万と自賠責被害者請求290万は既に受け取っており、
その場合の賠償金計算方法がわかりません。

例えば、事故5年後に
一審で7000万の賠償額が認められ、過失割合が被害者45:加害者55と判決されたものが
その3ヵ月後に控訴審判決で、同様の賠償額で、過失が被害者35:加害者65となった場合、
遅延損害金、弁護士費用も含め、被害者の手元に残る金額にどれくらい差が出るのか、
または変わらないのか、具体的に計算式で教えて頂ければありがたいです。
宜しくお願い申し上げます。
2018年10月31日 14時50分

みんなの回答

泉本 宅朗
泉本 宅朗 弁護士
交通事故に注力する弁護士
ありがとう
7000万円というのは,過失相殺後の現実の補償額という意味でしょうか。それとも損害総額でしょうか。
仮に損害総額としますと,概ね次のように考えられます。
(1)一審判決においては。損害残額の元本は,7000万円×55%-3290万円=560万円程度になります。ただし,人傷や自賠責の受取時期によっては,事故時点から発生している遅延損害金(年5%)との関係上,残額はもっと増える可能性もあります。
仮に少なく見積もって560万円とすれば,これに5年分の遅延損害金(25%)と弁護士費用(損害の約1割)を足して,560万円×1.1×1.25=770万円程度となるでしょう。

(2)その三か月後,過失割合が35:55となったとすれば,損害残額の元本は,少なく見積もって7000万円×65%-3290=1260万円程度となります。
 これに,5年3か月分の遅延損害金26.25%と弁護士費用が加算されますので,1260万円×1.1×1.2625≒1750万円程度になるでしょう。

 損害総額が7000万円,既払額の控除についてその受領までの遅延損害金を考慮しないとしても計算上,1000万円近い差が出ることになります。

2018年10月31日 17時54分

泉本 宅朗
泉本 宅朗 弁護士
交通事故に注力する弁護士
ありがとう
なお,残損害額の1割を「弁護士費用」として判決において加算するのは,名目的なもので,実際の弁護士費用よりはかなり少ないでしょう。
それでも,ご質問のケースでは,実際に支払う弁護士費用を考えても,被害者の方にメリットは大きいと思われます(あくまでも,過失割合がそのように変更されたことが前提ですが)。

2018年10月31日 17時59分

相談者
大変わかりやすいご回答ありがとうございました。
7000万は損害総額の場合です。

念の為、人身傷害保険の扱いについて再度
ご確認させて頂いてもよろしいでしょうか。

人身傷害保険は被害者過失を補うものですので、一審判決例の場合
損益相殺は、人傷額が、過失分3150万を超えていないのでゼロとなり、
あくまでも元本は、過失相殺後の3850万-仮払金290万=3560万。
弁護士費用、遅延損害金もその額ベースに計算されるわけではないのでしょうか。

宜しくお願い申し上げます。

2018年10月31日 21時32分

泉本 宅朗
泉本 宅朗 弁護士
交通事故に注力する弁護士
ベストアンサー
ありがとう
人傷の場合,そのような運用です。
ですから実際は,過失割合によってもっと差額が生じることになりそうですね。
過失割合が被害者の方にとって有利に変更される見込みがあるのでしたら,控訴を積極的に検討されても良いかと存じます。

2018年10月31日 22時19分

相談者
改めて受領済みの人身傷害保険金額が、被害者過失分を超えていた場合
(質問の控訴審例)の損益相殺計算について教えて頂けますか。

賠償金総額が7000万円、事故の過失が被害者35%、
7000×0.65=4550が過失相殺後の金額。
既に人身障害保険3000万円と被害者請求仮払金290万円受領済みゆえ
その際、損益相殺額は、(人身傷害3000+仮払金290)−過失分2450=840となるのでしょうか。
故に4550−840=3710が元本となり、その元本ベースに
弁護士費用、遅延損害金計算をするのでしょうか。

もしそれならば、一審も控訴審も、元本はあまり変わらなくなります。
弁護士費用等を追加して、控訴審をする金銭面でのメリットはあるのでしょうか。
解釈が間違っていましたら、ご指摘ご教授ください。

2018年11月01日 16時43分

泉本 宅朗
泉本 宅朗 弁護士
交通事故に注力する弁護士
ありがとう
(1)一審判決において損害残額の元本が3560万円でしたら,これに5年分の遅延損害金(25%)と弁護士費用(損害の約1割)を足して,判決額は3560万円×1.1×1.25=4900万円程度となるでしょう。

(2)その三か月後,過失割合が35:55となったとすれば,損害残額の元本が3710万円程度となります。その場合,これに,5年3か月分の遅延損害金26.25%と弁護士費用が加算されますので,判決額は3710万円×1.1×1.2625≒5150万円程度になるでしょう。

確かに判決額の差は250万円程度です。
契約上の弁護士費用がどの程度か,早期に受領する必要性が高いかなども考えて,検討される余地はありますね。

ただし,自賠責や人傷を損害元本からどのように控除するかについては,何通りかの方法がありますので,それによって最終的な結論は変わります。
もし,損害元本に,それらを受領する時期までに発生していた遅延利息を加算し,受領額からはまず利息に充当する方法で控除するならば(私は通常,裁判においてはそのように計算します),元本の減り方はもっと小さくなりますので。例えば,自賠責の支払を受けたのが事故半年後としますと,遅延利息は175万円程度発生していますので,元本は290万円-175万円=115万円しか減らないことになります。

最終的な賠償額は,どのような計算方法で請求をされているのかにもよって変わりますので,いろいろな角度からじっくりと検討されてください。

2018年11月02日 11時42分

相談者
何度もわかりやすく、ご説明ありがとうございました。
何を優先するか、じっくり考えてみます。

2018年11月02日 21時52分

この投稿は、2018年10月31日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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