税務上の観点からの示談金額の算定・査定の精度

【相談事項】
事業活動に伴う交通事故等による示談金(損害賠償金)を被害者に支払う場合、示談金の額が適正であるならば、基本的に(※)、当該示談金は全額必要経費として損金算入できると思われる。
しかし、下記事例の場合であっても、支払った示談金全額を必要経費として損金算入しても(贈与や寄付として損金不算入にしなくても)、税務調査時に税務署から問題視されることはないか?

※国税庁webサイトからの引用
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1710.htm
事業者が加害者として支払った損害賠償金が事業所得の必要経費となるのは、商品の配送や売掛金などの集金の途中など業務に関連した事故で、しかも故意又は重大な過失がない場合に限られる。

<事例>
示談金の算定は、被害者の治療や被害物の修理の各請求書・領収書(病院や修理業者から被害者宛に発行されたもの)に記載された金額を、単純に合算しただけ。
そのため、治療や修理に不必要な項目があるかどうか、治療費や修理費が世間相場からして妥当かどうか等といった、いわゆる査定(被害者が不当利得を得ることにならないかどうかの検証)はしていない。
また、過失割合については、当事者同士の感覚で決めた。


【相談経緯】
個人的には、理屈の上では、必要経費として損金算入できる示談金は、民事訴訟の判決で裁判所によって認定される損害賠償金額と同程度でなければならないと思われる。

しかし、弁護士等を除くと、病院関係者や修理業者でもない限り、適正な示談金額の算定・査定はできないと思われる(青本等はあるが)。

また、過失割合の適正な判断は、素人には難しい(判例タイムズ等はあるが)。

だからといって、交通事故等の事故のたびに、適正な示談金を算定できないからとして、訴訟を提起したり、弁護士に示談交渉を委任するのは現実的ではない。

また、税務調査をする税務署職員も、そもそも、必要経費として損金算入されている示談金額が適正かどうかの判断はできないと思われる。

以上のことを考慮すると、被害者が支払った治療費や修理費の記載された請求書・領収書があれば、被害者に支払った示談金額が適正でなかったとしても、誰が見ても異常に割高だと分かる金額でさえなければ、示談金額全額を必要経費として損金算入しても税務上問題ないと思われる。
2016年10月14日 10時10分

みんなの回答

居林 次雄
居林 次雄 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 山口県1
ベストアンサー
ありがとう
あなたのお考えでよろしいと思われます。

2016年10月14日 14時38分

この投稿は、2016年10月14日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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