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6億円の当選くじが落ちていた!宝くじを拾った人は「自分のもの」にできる?
もしも宝くじの高額当選券を拾ったら・・・

6億円の当選くじが落ちていた!宝くじを拾った人は「自分のもの」にできる?

6億円の当たりくじを拾うなんて――。ロイター通信によると、スペイン北西部のラ・コルーニャ市で、宝くじ店の落し物箱から470万ユーロ(約6億2600万円)の当たりくじが発見された。発見したのは宝くじ店の店主で、捨てる前に機械で確かめたところ、当せん券だと判明したという。

同市は当たりくじの持ち主を探しているが、見つからなかった場合、店主のものとなるそうだ。日本でも、これからオータムジャンボ、年末ジャンボ宝くじと高額当選の宝くじが目白押しだ。日本の場合、当選した宝くじを拾ったら、拾った人のものになるのだろうか。また、もし落とし主が現れたらどうなるのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

●日本で当せん金を受け取れるのは「正式に買った人」やきちんと贈与された人だけ

「日本の法律では、当選した宝くじを拾っても、拾った人がただちに当せん金を受け取る権利を取得することにはなりません。

『当せん金付証票法』という法律で、当せん金を受け取ることができるのは、同法が認める正式な販売窓口から直接宝くじを買った人やその人から宝くじをもらった人などに限られていて、拾っただけでは権利が認められないのです」

●落ちていた宝くじは警察に届けなければダメ

「そもそも落ちている宝くじは『遺失物』ですから、『遺失物法』という法律にしたがって、拾った人はすみやかに警察に届けなければなりません。届けなければ、遺失物等横領罪にあたり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となってしまいます」

宝くじに限らず、何かを拾った際に共通する注意点と言えるだろうが、確かに「ねこばば」は犯罪だ。それでは「拾った宝くじ」が自分のものになるケースはあるのだろうか。

「宝くじを届けられた警察は、『遺失物法』の定める方法で、取得物があったことを広く公告することになります。それを見て落とし主が現れた場合は、落とし主に返還されます」

●届けて3カ月落とし主が現れなければ自分のものになる

「一方、3カ月経っても落とし主が現れない場合は、民法の規定により、宝くじは拾った人の物になります。その手続を経てはじめて、『当せん金付証票法』も、拾った人にも当せん金を受け取る権利を認めています。

なお、『遺失物法』では、もし3カ月以内に落とし主が現れて宝くじが落とし主に返還された場合、落とし主は、拾って届け出た人に対して、報労金を支払わなければならないことになっています。その金額は、宝くじの時価である当せん金額の5~20%とされています」

なるほど、普通に落とし物を拾ったケースと同じように、きちんと警察に届ければ、お礼をもらえたり、自分のものになる「チャンス」もあるということだ。まあ、たまたま当たりくじを拾うようなケースは、普通に宝くじを買って当選するよりも、はるかに出くわす可能性が低い事態に違いないが……。

(弁護士ドットコムニュース)

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