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大崎事件「原口さんは87歳、次の再審請求が無罪への最後の機会」弁護団が支援訴える
大崎事件弁護団・森雅美弁護団長

大崎事件「原口さんは87歳、次の再審請求が無罪への最後の機会」弁護団が支援訴える

鹿児島県大崎町で男性の死体が牛小屋のたい肥の中から見つかった「大崎事件」。この事件で殺人と死体遺棄で懲役10年の有罪判決を受けて服役したものの、えん罪を訴えている原口アヤ子さん(87)の支援集会(主催:日本弁護士連合会)が4月13日、東京都内で開かれた。

原口さんは逮捕後から一貫して、「あたいはやっちょらん(私はやっていない)」と関与を否認。服役後の1995年から、裁判のやり直し(再審)を裁判所に求めている。2002年にいったん再審開始が認められたが、その後破棄された。今年2月には、2回目の再審請求をしたものの、最高裁で棄却された。今夏にも3回目の再審請求を予定している。

この日の集会には、布川事件で無期懲役刑となり2011年に再審無罪が確定した桜井昌司さんや、ずさんなDNA鑑定が明らかになって2010年に再審無罪を勝ちとった足利事件の菅家利和さん、再審をめぐり、協議がおこなわれている袴田事件の袴田巌さんの姉・秀子さんなど、「えん罪」の関係者たちも応援に駆けつけた。

●「何もやっていない人が犯人にされるのは本当に悔しい」

桜井さんは、2002年に大崎事件の再審開始が決定したときのことを振り返り、「私の再審が実現できるかという苦しいときに本当に励まされた」と述べた。「先に勝った人間として、原口さんが生きている間に勝てるように応援したい」と励ましの言葉をおくった。

菅家さんは「警察・検察に対して、謝れと言いたい」と改めて、捜査機関に対する怒りを口にした。さらに、「何もやっていない人が犯人にされるのは本当に悔しい。大崎事件も絶対に再審無罪にしてもらいたい」と語気を強めた。

●「私は死んだも同然です。私は生き返りたい」

弁護団によると、大崎事件では、原口さんの共犯とされる親族3人の自白供述と別の親族の供述が唯一の証拠とされており、「客観的証拠がない脆弱な証拠構造のうえになりたっている」(森雅美・弁護団長)という。

そのため弁護団は、これまでの再審請求で「証拠とされた供述に信用性がない」と主張・立証をおこなってきた。森弁護士は「方針は決して間違っていなかった」と強調。「共犯者とされる人たちの自白供述の信用性判断を慎重におこなえば、裁判所の厚い壁を崩すことができる」と述べた。

森弁護士はさらに、第2次再審請求の意見陳述で原口さんが語った「私は死んだも同然です。私は生き返りたい」との言葉を紹介。87歳という原口さんの年齢に触れながら、「第3次再審請求がおそらく、原口さんの無罪を勝ちとる最後の機会になる」と危機感を強めていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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