「特定秘密保護法」の施行が来月に迫っている。この法律をめぐっては、フリージャーナリストや映画監督、写真家たち43人が国を相手取り訴訟を起こすなど、反対論が根強い。11月19日に開かれた訴訟の第三回口頭弁論の傍聴に訪れた山本太郎・参議院議員に、同法について聞いた。
●「すごく悪魔的な法律だ」
――どうして特定秘密保護法に関心をもったのか?
「この法律によって、表現が萎縮させられてしまうことが、一番たちが悪いと思っているからです。『そこまで規制はしていないですよ。あなたたちが勝手に萎縮しているだけじゃないですか?』ということにされるのは、恐ろしいですよ。すごく悪魔的な法律だと思います」
――なぜ裁判を傍聴しようと思ったのか?
「国会議員として、この法律にブレーキをかける方法は、国会の中で止めることです。しかし、それには、国会の議席を入れかえないと難しい。政治の場で止められる方法がないなか、それ以外でどうやってブレーキかけるかというと、やはり裁判で訴えることなんです。
フリージャーナリストたちが集まって、『この法律が運用された先には、自分たちの仕事はできないんだ』『表現の自由が奪われる』『知る権利も奪われる』と訴えることは、大きな意義があると思います」
――今後、どのようなアプローチを仕掛けるのか?
「この裁判で違憲が認められる可能性は、低いかもしれません。そのあとも裁判で戦っていくためには、(法律施行後に)具体的な権利侵害があったり、不利益を被った人が出てこないとダメなんですよ。
そこで注目を集めるという意味で、何が秘密かわからないので難しいかもしれませんが、僕が第一号の逮捕者になっていいかなと思っているんです。
まずはその前に、法律の廃止を求めたり、裁判を傍聴したりして、お知らせする。そうする中で、裁判所の前に長蛇の列ができて、傍聴できなかった人たちが外にあふれるような状況をみんなで作ってくことが重要だと思います。そうすれば、大手メディアも取り上げざるをえないでしょう」