法テラス特措法案めぐり議論紛糾 日弁連定期総会

日本弁護士連合会(日弁連)は9月4日、新型コロナウイルスの影響で延期されていた定期総会を東京・霞が関の弁護士会館で開催した。


新型コロナウイルス対策として、出席した弁護士は、弁護士会館の複数の部屋に分かれて議論に参加したほか、東京3会(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)に所属する弁護士を復代理人として議決権の行使を認める措置がとられた。

復代理による議決権の行使を巡っては、日弁連の会則に「代理人は本人と同じ弁護士会に所属する弁護士」に限る規定があることから、参加した弁護士から決議の有効性について疑義があがったが、「コロナ禍という非常事態」を理由とした特例的な措置として認められた。

主な議案であった「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う法的課題や人権問題に積極的に取り組む宣言」案については、立憲民主党などが6月に国会に提出した新型コロナ法テラス特措法案をめぐって参加した弁護士から多くの意見があがった。一部の報道などで日弁連が、法案の中身である法テラスの利用条件の緩和について、立憲民主党に提案したとされていたからだ。

新型コロナ特措法案では、収入要件などの利用条件が緩和されるため、利用者が増加することが見込まれる。一方で、法テラスの弁護士報酬基準は一般的な弁護士報酬基準よりも低いとされている。参加した弁護士のひとりは、「法テラスは弁護士を安売りして司法アクセスを拡充するもの。弁護士を安く使えるシステムを進めれば負担が増える」と訴えた。

日弁連が法テラスの利用条件の緩和を提案したという点については、執行部は「アイデアのひとつとして利用枠の拡大も提案した」と認めたものの、立憲民主党とのやりとりを示した資料をすべて公開してほしいとの要望には「検討する」と述べるにとどめた。この他も、法テラス特措法案をめぐっては、多くの弁護士が意見を述べたが、宣言案自体は賛成多数で可決された。

もうひとつの主な議案として、出席した弁護士の発議により、新65期以降の司法修習生に貸与した修習資金の返還請求を停止するよう最高裁判所に求める決議案が審議されたが、最高裁に返還請求を停止する権限がないなどの理由から、反対多数で否決された。

会場に足を運んだ弁護士は446人で、代理による議決が1万963個(うち復代理による議決権が1986個)で、単位会による議決が51個(うち復代理による議決が15個)、合計で1万1460個だった。
(撮影/弁護士ドットコム、2020年9月4日)

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