岡口裁判官に2回目の戒告処分、最高裁 フェイスブック投稿巡り

SNSの1つであるFacebookへの投稿を問題視されて、2回目の裁判官の免官・懲戒に関する分限裁判にかけられていた仙台高裁の岡口基一裁判官(54)について、最高裁判所大法廷(大谷直人裁判長)は8月26日、13人の裁判官全員の一致で「戒告」とする懲戒処分を決定した。岡口氏は、2018年10月にも別のSNSへの投稿を巡り、戒告処分を受けている。


最高裁の決定書などによると、今回、東京都内の女子高生が殺害された事件の遺族を巡る投稿が問題となった。遺族は、岡口氏の態度や姿勢を巡り、裁判官訴追委員会に対して、岡口氏の訴追を請求している。

対して、岡口氏は、2019年11月12日、自身のFacebookに、東京高裁が誤って殺害事件の判決をホームページに公開したという前提に立った上で、「遺族の方々は、東京高裁を非難するのではなく、そのアップリンクを貼った俺を非難するようにと、東京高裁事務局などに洗脳されてしまい、いまだにそれらを続けている」という趣旨の投稿をした(投稿は数日後に削除)。

遺族が2019年11月に、仙台高裁に抗議書を送付。仙台高裁が、2020年2月、分限裁判を申し立てていた。

最高裁は、問題となった投稿の表現について「あたかも本件遺族が自ら判断する能力がなく、東京高裁事務局等の思惑どおりに不合理な非難を続けている人物であるかのような印象を与える侮辱的なもの」などとした上で、「裁判官に対する国民の信頼を損ねる言動といわざるを得ない」と指摘。

岡口氏が投稿を削除し、表現が不適切であったことを認めている点を踏まえつつも、「(前回の)戒告の裁判からわずか1年余り後に本件投稿に及んだもの」であり「およそ看過できない」として戒告処分と結論づけた。

遺族は、「今回の決定書の内容については意を汲んでもらった良い内容だと思っている。ただ、戒告という処分結果については、重みを感じない」とコメントした。対して、岡口氏は、決定後にブログを更新し、「洗脳」という表現について、「主観的にも客観的に侮辱したとは評価することはできない」としたほか、手続き上の問題があったことも主張している。

仙台高裁は、「当高裁所属の裁判官が戒告とされるに至ったことは遺憾であり、このことを重く受け止めている」とした上で、今後の対応については「コメントできない」としている。

最高裁大法廷は通常15人の裁判官で開かれるが、戸倉三郎・林道晴の両裁判官は今回の審理から外れている。岡口氏は、過去に東京高裁からSNSの利用などを巡り処分を受けており、戸倉・林両裁判官は東京高裁長官として処分に関わったためとみられるが、最高裁は理由について明らかにしていない。

【2020年8月28日11時35分追記】

戸倉・林両裁判官が審理から外れている理由について、最高裁は8月28日に以下のように回答した。

「戸倉三郎裁判官は東京高等裁判所長官として、平成28年6月被申立人(岡口氏)に対し、Twitterの投稿行為に関して、口頭による厳重注意をした。林道晴裁判官は東京高等裁判所長官として、平成30年3月、被申立人に対しTwitterの投稿行為に関して、書面による厳重注意をした。また、林道晴裁判官の東京高等裁判所長官在職中である平成30年7月、同裁判所(東京高裁)は被申立人に対する分限事件の裁判手続きの申し立てをした。こうした経緯があることから、両裁判官は本件に関与しなかった」

(画像/2018年10月、弁護士ドットコム撮影)

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