調査対象
法的トラブルに遭っても実際に弁護士へのアクセスに至る人はまだまだ少ないのが現状だが、「相談したい」と考える人自体は多い。では、法的トラブルに遭った人は、弁護士に何を求めるのだろうか。一方、「相談したくない」と考える人は、どのような点に不安を感じているのだろうか。結果を紹介する。
法的トラブルに対して弁護士のアドバイスを望む声は多い
弁護士への相談を求める人が半数、「相談したくない」は25%ほど
法的トラブルに遭った人、遭っていない人全員に、「 法的トラブルに遭った場合、弁護士に相談したいか」を尋ねたところ、「 ぜひ相談したい」「 やや相談したい」という前向きな回答は、約半数の 47%となった。一方、「 全く相談したくない」「 あまり相談したくない 」という消極的な回答は約 2 割(24.3%)にとどまった。「どちらともいえない/わからない」との回答は 28.7%だった。
弁護士に相談したい理由の多くは「アドバイス」と「早期解決」
「相談したい」と回答した人に理由を聞いたところ、「様々なアドバイスがもらえそうだから」(42.9%)、「早期に解決できると思ったから」(41.5%)の2つが多くを占めた。一方、「有利な決着が期待できそうだから」(30.7%)を選んだ人は3割ほどにとどまった。金銭的な満足も大切だが、早期にトラブルが解決することを重要視する人が多いようだ。
弁護士への相談は費用がネック、相場は「想像もできない」
弁護士を遠ざける理由は「費用」「弁護士に頼むほどではない」と考える人も
「相談したくない」「どちらともいえない/わからない」を選んだ人に相談したくないと考える理由を聞いたところ、「弁護士費用が高いと思うから」(35.1%)という回答が最多で、「そもそも弁護士に頼むほどではないと思うから」(34.4%)が僅差で続いた。
他方で、対象者全員に弁護士費用の総額のイメージについて聞いたところ、「想像もできない」という回答が 40%を占めた。具体的な相場を知った上で弁護士に相談するかを判断しているわけではなく、イメージや想像で「 弁護士費用は高額になる」と考え、相談や依頼をためらう人も少なくなさそうだ。
事務所での相談を求める人が多数、非対面で相談したい人は15%ほど
対象者全員に、弁護士に相談する際、どのような形式を希望するかについては、「弁護士事務所で相談したい」(75.5%)との回答が、4分の3 を占めた。一方、電話やメール、メッセンジャーアプリ、テレビ電話など、弁護士に直接会わずに相談できる手段を希望する回答も約15%を占めた。