【全国一斉アンケート調査から読み解く】弁護士を選ぶ基準と相談・依頼に対するハードルChapter.1

弁護士ドットコムでは例年、マーケティング・リサーチ企業「マクロミル」の協力により、法的トラブルに関するアンケート調査を行なっている。今回は18歳から69歳の男女1,236人に対し、法的トラブルの内容や、実際に弁護士に相談・依頼したかどうか、弁護士を探すときに重視した点、探した方法などについて調査した。Chapter.1では、2019 年に、どれくらいの人が、どのような法的トラブルに遭ったのか。実際に弁護士に相談・依頼した人はどの程度いるのか紹介する。

[アンケート調査概要] 調査名:あなたの生活に関するアンケート/実施期間:2019年12月/対象者:全国18 〜 69歳の男女1,236人 調査協力:株式会社マクロミル/企画・文:矢野大輔、並木光太郎

目次

  1. 調査対象
  2. 約2割が法的トラブルに。労働問題や離婚・男女問題の悩みが多く
    1. 過去1年間で約1,600万人が法的トラブルで悩んでいる
    2. どのような法的トラブルに遭った?労働問題のトラブルが最多
  3. 弁護士に相談できることを認識しつつも、相談先は家族・親族
    1. 8割近くが弁護士に相談できることを認識。では、実際に相談・依頼した人は?
    2. 相談した相手の多くは家族・親族、1人で悩みを抱えている人は約3割

調査対象

2019 年に、どれくらいの人が、どのような法的トラブルに遭ったのか。実際に弁護士に相談・依頼した人はどの程度いるのか。法的トラブルの相談先を調査したところ、家族・親族や友人・知人など身近な人が多くを占めており、弁護士に相談する心理的なハードルが依然として高い傾向があることがわかった。誰にも相談できず、ひとりで悩みを抱えているという人も一定数いた。

約2割が法的トラブルに。労働問題や離婚・男女問題の悩みが多く

過去1年間で約1,600万人が法的トラブルで悩んでいる

マーケティングリサーチ企業「マクロミル」の協力により、18 歳から69 歳の男女(1,236 人)に対し、過去1年間に遭った法的トラブルについてアンケート調査を行った。調査によると、約 2 割(19.8%)の人が1年の間に何らかの法的トラブルに遭っていたことがわかった。18 歳から 69 歳の人口(約 8,136 万人)を考えると、約1,610 万人が法的なトラブルに巻き込まれていると推定できる。

どのような法的トラブルに遭った?労働問題のトラブルが最多

遭遇した法的トラブルについて、複数選択可能な形式で8つの分野(離婚、労働、借金、相続、交通事故、インターネット、消費者被害、刑事・犯罪被害)から選択してもらったところ、352件の回答が得られた。内訳をみると、労働問題が最も多く、20.5% を占めた。離婚・男女問題(15.9%)、借金問題(15.3%)が続いた。労働問題については、働き方改革が進み、社会的な意識の高まりもあり、使用者・労働者の双方からの相談が今後も増えることが予想される。

弁護士に相談できることを認識しつつも、相談先は家族・親族

8割近くが弁護士に相談できることを認識。では、実際に相談・依頼した人は?

法的トラブルに遭ったと回答した人のうち、「弁護士に相談できることを知っている 」と回答した人は77.8% にのぼったが、このうち、実際に有料で依頼したと回答したのは20.4% にとどまった。 一方、法的トラブルを弁護士に相談できると認識していながら、弁護士を探さなかった人は 57.7% と半数以上にのぼった。弁護士に相談や依頼することに対して心理的にハードルが高いと感じている人が少なくないことが伺える。

相談した相手の多くは家族・親族、1人で悩みを抱えている人は約3割

では、弁護士以外の誰に相談したのだろうか。弁護士以外の誰に相談したのかについて複数選択可能な方式で聞くと、「 家族・親族」(4 4.3%)や「 友人・知人」(32.4%)など、身近な人への相談が多かった。「 行政機関窓口」(11.1%)や「 弁護士以外の士業」(10.2%)という回答は、それぞれ1割ほどにとどまった。弁護士以外の公的・専門的な窓口や専門職についても、よく利用されているとは言い難いようだ。 他方で、「 誰にも相談していない 」という回答が28.4% を占めた。法的トラブルについて、そもそも相談しにくい、恥ずかしいという感覚を持つ人がまだ社会に一定数いる可能性がある。

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