東京ミネルヴァ 過払金流用は30億円規模、非弁で「追加の懲戒請求」の可能性も

第一東京弁護士会(一弁)は7月7日、弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所(以下、東京ミネルヴァ)の懲戒処分に向けた手続きを開始し、一弁の綱紀委員会に調査を請求したと発表した。一弁によると流用した金額は30億円規模になるという。


一弁は、東京ミネルヴァへの懲戒手続きを始めた理由について、「回収した過払金を依頼者に返還せずに流用したこと」「依頼者に報告や説明をせずに業務を停止し、法人を解散したこと」の2点をあげている。一弁は、弁護士ドットコムタイムズの取材に「相当に過大な広告費が使われていたようなので、広告費に流用された可能性がある」と分析。流用された金額は「30億円規模になると把握している。預かり金が返還されていない依頼者は数千人になるのではないか」としている。

さらに、過払金の流用は刑法上の業務上横領などの罪に当たる可能性があるとして、「刑事裁判手続きの中で認定された事実があれば、その事実認定は懲戒手続きでも尊重されるだろう」としている。

また、東京ミネルヴァが「広告会社と非弁提携していた」と報道されていることについては、「現在調査中」としたうえで、「(非弁提携の)事実が確認できれば弁護士法違反の行為に加担していたことになる。別途懲戒理由になるので、追加で懲戒請求することはありうる」とした。

東京ミネルヴァの代表を務めていた川島浩弁護士とは、代理人の弁護士が連絡取っていることから、一弁は「今後も川島弁護士から事情聴取する可能性もある」としている。

懲戒請求は法人のみ、元代表は自己破産手続きを開始


一弁は、法人のみを懲戒請求の対象にした。一弁は6月下旬に発表した会長声明で、「速やかに事案を解明し、同法人及び代表弁護士等の関係者に対して、懲戒請求をはじめとする厳正な対応を行う」としていたが、代表弁護士などへの懲戒請求は見送った。

一弁は、法人のみを対象とした理由について、川島弁護士が自己破産を申し立てたためと説明。「破産手続開始決定が確定すると、懲戒手続きをするまでもなく弁護士資格が失われるので、法人のみを懲戒請求の対象にした」としている。

川島弁護士以外の東京ミネルヴァ所属の弁護士に対する懲戒請求も見送った。理由について、「東京ミネルヴァが解散した時点で、弁護士は川島弁護士1人だけだった。以前に所属していた一部の弁護士に話を聞いたが、事情を何も知らないようだった」とする。

懲戒手続段階の公表、一弁「事案の重大さを勘案」


一般的に、懲戒請求は、処分が決まった段階で公表されるが、今回、一弁は処分に向けた手続開始の段階で公表した。公表の背景として一弁は、「社会的な関心が高く、相当大きな影響がある事案だと捉えている。事案の重大さを勘案して、手続きの段階で公表した」と説明している。

今後、一弁の綱紀委員会が、懲戒事由の有無を調査して、懲戒委員会に報告し、懲戒委員会が懲戒処分を行うか決定する。一弁は懲戒処分が出る時期について、「社会的に注目を浴びているので、迅速に審議される可能性もある。年内に処分が決まる可能性もあるだろう」としている。

※画像は東京・霞が関の弁護士会館ビル(ピクスタ)

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