法務局支局の公証事務再開を要請、旭川など4支局に 日本弁護士連合会 

7月から法務局支局の一部が公証事務の取扱いを廃止したことを受け、日本弁護士連合会(日弁連)は取扱いの再開を求める会長声明を7月1日に公表した。旭川弁護士会は6月中旬に同様の会長声明を公表しており、日弁連によると、秋田弁護士会も地域内の法務局支局の再開を巡り、同様の声明の公表を予定しているという。


公証事務の取扱いを廃止したのは、旭川地方法務局留萌支局、秋田地方法務局本荘支局・大曲支局、福井地方法務局小浜支局の4支局。公正証書の作成といった公証事務は、原則として公証人が行うが、公証人がいない地域では、その地域の法務局支局などに勤務する法務事務官が、公証人の職務を行うことができる。日弁連によると、法務局は「法務局支局で公証事務を開始した頃に比べて、道路交通網の整備、公共交通機関が発達したことにより、住民の移動手段が飛躍的に向上した」「情報通信技術の画期的な発達により、FAXや電子メールが一般家庭に普及し、公証役場への来庁回数を1回とすることも可能である」と、公証事務の取扱い廃止の理由を説明したという。
日弁連の声明で、「公共交通機関が衰退している地域も少なくない。FAXや電子メールなどにより、公正証書の内容確認が可能な人であっても、公正証書作成時には公証役場に赴く必要がある。公証役場から遠隔地に住む人にとって、公証役場への移動は大きな負担や危険を伴うおそれがある」と指摘。「地方法務局支局における公証事務取扱いの廃止は、当該地域の住民の公証事務へのアクセスを阻害し、法的紛争を未然に予防する重要な手段の利用が妨げられる結果を招来する」としている。また、地方法務局支局のホームページなどで、「公証事務の取扱いが業務として掲載されていない」とした上で、「(取扱業務として)十分に周知されていない状況で、公証事務の取扱いを廃止することは相当ではない」ともしている。 声明では、法務大臣に対し、公証事務の取扱いを廃止する4支局で速やかに公証事務の取扱いを再開するよう求めるとともに、公証事務を取扱う法務局支局に対しては、取扱業務に公証事務が含まれることの積極的な周知を求めた。 日弁連の副会長で、地域司法の推進などを担当する大川哲也弁護士は、弁護士ドットコムタイムズの取材に対し、「法務局から一方的に(公証事務の取扱い廃止に関する)連絡があったが、地域の司法が脆弱になることはあってはならない。誰もが司法サービスを受けられるのは当然の権利だ」と強調した。 ※画像は東京・霞が関の弁護士会館ビル(ピクスタ)

記事のタイトルとURLをコピー