【人事労務】介護休業・介護休暇の対象になる従業員や申請された場合の手続きなどを解説

従業員が家族の介護をしなければならないとき、会社は、介護休業や介護休暇を与えなければならない場合があります。 介護休業・介護休暇を申請・利用した従業員に対し、解雇や降格などの不利益な取扱いをすることは法律違反になります。行政から指導や勧告を受け、従わない場合は企業名を公表される可能性があります。 この記事では、介護休業・介護休暇の対象者や、申請された場合の対応などについて、詳しく解説します。

目次

  1. 介護休業・介護休暇とは
    1. 介護休業・介護休暇を理由にした従業員への不利益な扱いはできない
  2. 介護休業
    1. 対象になる従業員
    2. 有期契約の従業員も対象になる場合がある
    3. 介護休業の申請があった場合の対応
  3. 介護休暇
    1. 対象になる従業員
    2. 介護休暇の申請があった場合の対応
  4. 「介護休業給付」の手続きを求められる場合がある

介護休業・介護休暇とは

会社は、家族の介護が必要な従業員に対して、介護休業・介護休暇を与えなければならない場合があります。 それぞれの期間や、対象になる従業員は、以下の表のようになっています。

介護休業 介護休暇
期間 3回以内かつ通算93日間まで 1年度あたり5日まで
(対象家族が2人以上の場合は合計10日まで)
対象になる従業員 勤続1年以上の労働者 勤続6か月以上の労働者

介護休業・介護休暇を理由にした従業員への不利益な扱いはできない

介護休業・介護休暇を申請したり、利用したりしたことを理由に、解雇や減給、降格など、不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。 違反した場合は、行政から指導や勧告を受ける場合があります。さらに、勧告に従わなかった場合は、会社名を公表される可能性があります。

介護休業

介護休業は、「要介護状態」の家族(対象家族)がいる従業員が利用できる休みです。 要介護状態とは、ケガや病気、精神上の障害などによって、2週間以上の期間、常に介護を必要とする状態のことを言います。 対象家族が上記の状態に当てはまっていれば、「要介護認定」を受けていなくても、従業員に介護休業を与えなければなりません。 対象家族が入院している場合でも、従業員が、歩行、排泄、食事、入浴等の日常生活に必要な世話をしていれば、介護休業の対象になる場合があります。

対象になる従業員

介護休業の対象になるのは、勤続1年以上の従業員です。 雇用契約の内容が「1日単位で雇用される」ことになっている従業員(日々雇用契約)は対象外です。 また、労使協定により、次のような条件に当てはまる従業員を対象外にすることもできます。

  • 雇用されてから1年未満
  • 介護休業を申し出た日から93日以内に雇用関係が終了する
  • 週の所定労働日数が2日以下

有期契約の従業員も対象になる場合がある

期間の定めのある労働契約(有期契約)を結んでいる従業員も、介護休業を申し出る時点で次の条件を満たしていれば対象になります。

  • 同じ会社に引き続き1年以上雇用されている
  • 介護休業を始める日から数えて9か月を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでない

介護休業の申請があった場合の対応

介護休業を希望する従業員は、以下のような内容を書いた書面を提出するので、内容を確認しましょう。

  • 申出の年月日
  • 従業員の氏名
  • 対象家族の氏名と従業員との続柄
  • 対象家族が要介護状態にあること
  • 休業の開始予定日と終了予定日
  • 対象家族について、過去に介護休業を取得した場合は、その日数

書面を受け取ったら、以下のような内容を従業員に通知します。

  • 申出を受けた旨
  • 休業開始予定日および終了予定日
  • 申出を拒む場合には、その旨と理由

通知は、1週間以内を目安に行いましょう。なお、従業員の申出日から休業開始予定日までが、1週間より短い場合、休業開始予定日までに通知しましょう。 通知は、書面を手渡しするか、従業員が希望する場合はファックスやメールで行うことも可能です。 メールで通知する場合は、従業員がプリントアウトできる方法で行うようにしましょう。 また、会社は、従業員に対し、対象家族が要介護状態にあることなどを証明する書類の提出を求めることができます。 提出を求めることができる書類として厚生労働省は、以下の専門家が交付する書類を例示しています。

  • 医師
  • 保健師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士

介護休暇

介護休暇は、要介護状態の家族の介護をする従業員が利用できる制度です。 通院などの付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行といったことするために、休暇を希望する従業員も対象です。 期間は、1年度あたり5日(対象家族が2人以上の場合は合計10日)までです。

対象になる従業員

介護休暇の対象者は、勤続6か月以上の従業員です。 雇用契約の内容が「1日単位で雇用される」ことになっている従業員(日々雇用契約)は対象外です。 また、労使協定により、次のような条件に当てはまる従業員を、介護休暇の対象外にすることもできます。

  • 雇用されてから6か月未満
  • 1週間の所定労働日数が2日以下
  • 半日単位で介護休暇を取得することが難しい業務を行なっている

介護休暇の申請があった場合の対応

介護休暇の申請は、必ずしも書面の提出により行われるわけではありません。 口頭による申出や、従業員が休暇を希望する当日に電話などで申し出た場合も、拒否することはできません。 また、従業員に対し、家族が要介護状態にあることを証明する資料を提出するよう求めることができますが、休暇が終わった後の提出を認めるなどの配慮が必要です。

「介護休業給付」の手続きを求められる場合がある

介護休業・介護休暇を取得している従業員に対し、休んでいる期間中に給与を支払う必要はありません。 ただし、従業員から「介護休業給付」の手続きを求められる場合があります。 介護休業給付は、介護休業・介護休暇を利用している従業員に対し、国から支給されるお金です。 介護休業給付を受給する手続きは、従業員ではなく、会社が行います。 手続きは、ハローワークに対して行うので、具体的な方法は最寄りのハローワークに問い合わせましょう。

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