【人事労務】産休・育休の対象になる従業員や期間などを詳しく解説

女性従業員が妊娠した場合、会社は、必ず産休(産前休業・産後休業)を与えなければなりません。 子どもが生まれた後は、従業員が希望する場合は、母親だけでなく父親にも育休(育児休業)を与える必要があります。 産休や育休を申請・利用した従業員に対し、解雇や降格などの不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。行政から指導や勧告を受け、従わない場合は企業名を公表される可能性があります。 この記事では、産休育休の対象者や期間などについて、詳しく解説します。

目次

  1. 産休・育休を理由にした不利益な扱いはできない
  2. 産休は全ての女性従業員に与えなければならない
  3. 産休の期間
    1. 産前休業の期間
    2. 産後休業の期間
  4. 希望する従業員には育休を与えなければならない
    1. 育休の対象外になる従業員
    2. パート・派遣・契約社員も育休の対象になる場合がある
  5. 育休の期間
    1. 父親も育休を取得した場合は育休期間が1歳2か月に延長される(パパママ育休プラス)
    2. 育休が最長で2歳まで延長される場合がある
    3. 従業員が育休を2回利用するケースがある

産休・育休を理由にした不利益な扱いはできない

女性従業員が妊娠した場合、会社は必ず産休を与えなければなりません。 育休は、制度を利用できる条件を満たしている従業員であれば、女性だけでなく、父親となる男性従業員にも与えなければなりません。 産休や育休を申請したり、利用したりしたことを理由に、従業員に対して解雇や減給、降格など、不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。 違反した場合は、行政から指導や勧告を受ける場合があります。さらに、勧告に従わなかった場合は、会社名を公表される可能性があります。

産休は全ての女性従業員に与えなければならない

産休は全ての女性従業員に与えなければなりません。 正社員だけでなく、パートタイムや派遣社員、契約社員として働く女性も対象です。

産休の期間

産休には、出産前の「産前休業」と、出産後の「産後休業」があります。 それぞれの休業の期間について説明します。

産前休業の期間

産前休業は、出産予定日の6週間前(妊娠34週)からです。 6週間以内に出産する予定の従業員が休業を請求した場合、働かせることができません。 双子など多胎妊娠の場合には、予定日の14週間前(妊娠26週)からです。 また、従業員が早く休業するように医師から指導を受けた場合は、会社は指導の内容に従った措置を講じる必要があります。

従業員が、医師からの指導内容が記載された「母性健康管理指導事項連絡カード」(母健連絡カード)を提出する場合があります。カードを受け取ったら、記載された指導内容を確認しましょう。

産後休業の期間

産後休業は、原則として、出産の翌日から8週間です。 産前休業とは異なり、従業員が請求していなくても、働かせることができません。 ただし、従業員が早期の復帰を希望し、医師が復帰を認めている場合は、産後休業が6週間に短縮されます。

希望する従業員には育休を与えなければならない

会社は、原則として子どもが1歳になるまでの間、従業員が希望する期間の育児休業(育休)を与えなければなりません。 育休は女性従業員だけでなく、父親になる男性従業員も対象です。

育休の対象外になる従業員

育休は、全ての従業員が対象になる制度ではありません。 雇用契約の内容によって、育休の対象外になる従業員もいます。 たとえば、雇用契約の内容が「1日単位で雇用される」ことになっている従業員(日々雇用契約)は、育休の対象外です。 また、労使協定を結ぶことで、次のような場合に当てはまる従業員を、育休の対象外にすることができます。

  • 雇用されてから1年未満の場合
  • 1年以内(1歳以降の休業の場合は、6か月以内)に雇用関係が終了する場合
  • 週の所定労働日数が2日以下の場合

パート・派遣・契約社員も育休の対象になる場合がある

パートタイムや、派遣社員、契約社員として働いている従業員も、雇用契約に期間の定めがない場合、育休の対象です。 また、雇用契約に期間の定めがあっても、次の条件を満たす場合は、育休の対象です

  • 育休を申請する時点で同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
  • 子どもが1歳6か月(2歳まで休業する場合は2歳)を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

育休の期間

女性従業員の育休期間は、産後休業(原則として産後8週間)が終わってから、子どもが1歳になるまでの間です。 1年間ずっと休むのではなく、従業員が任意の期間を選びます。

父親も育休を取得した場合は育休期間が1歳2か月に延長される(パパママ育休プラス)

父親になる男性従業員も育休を取得し、次の条件に当てはまる場合、母親の育休期間は、子どもが1歳2か月になるまでに延長されます。「パパママ育休プラス」という制度です。

  1. 母親の育休より先に、父親が育休を開始する
  2. 子どもが1歳になるまでに父親が育休を取得する
  3. 子どもの1歳の誕生日以前に母親が育休を開始する

たとえば、従業員がパパママ育休プラスを利用し、1歳以降に母親が休む場合、次の図のようになります。

育休が最長で2歳まで延長される場合がある

従業員に次のような事情がある場合、子どもが1歳6か月まで、育休期間が延長されます。

  • 子どもが1歳になる日に、母親と父親のどちらかが育休中で、次のどちらかの事情がある場合(パパママ育休プラスを使って1歳以降に育休を取得している場合には育休終了予定日が基準)
  1. 子どもが保育園に入れない場合
  2. 1歳以降の子育てを主に父親がする予定だったが、父親の病気・ケガ・死亡などにより子育てが困難になった場合

子どもが1歳6か月の時点で、同様の事情が続いている場合は、育休期間がさらに2歳まで延長されます。

従業員が育休を2回利用するケースがある

育休の利用は、原則として子ども1人につき1回です。 ただし、次のような場合に、従業員は育休を2回利用できます。

  • 出産後に妊娠をして育休中に新たな産休・育休に入った場合で、新たな産休・育休の対象となる子どもが亡くなるなどした場合
  • 育休中に介護休業が開始したことにより育休が終了した場合で、介護をする家族が亡くなるなどした場合
  • 父親が亡くなった場合
  • 父親の病気、ケガ、障害により子育てが困難となった場合
  • 離婚などで父親が子どもと別居することになった場合
  • 子どもが病気、ケガ、障害により2週間以上の世話を必要とする場合
  • 保育園に入れない場合
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