運送会社の従業員が飲酒運転したケース
従業員が飲酒運転をしたとして検挙された場合、その従業員を懲戒解雇にしてもよいのでしょうか。
従業員の懲戒解雇について
先日当社の従業員が飲酒運転で検挙されました。当社は運送会社でありプロドライバー失格であると判断致しております。
このドライバーを懲戒解雇出来ますか?また、就業規則は法的効力はありますでしょうか?
弁護士の回答松本 篤志弁護士
一般論として、懲戒処分の中でも懲戒解雇については特に重い処分ですから慎重に行う必要がありますし、他方、職業運転手の飲酒運転の場合は業務上かプライベートかを問わず懲戒解雇が相当であると認められやすいのも確かです。
ただし、懲戒解雇相当の場合であっても手続を間違えると無効となり、一切の懲戒処分(解雇だけでなく)ができなくなることがありますから、適宜弁護士に面談することもご検討ください。
従業員がストーカー行為で逮捕されたケース
従業員がストーカー行為で逮捕された場合、懲戒解雇にできるのでしょうか。
従業員の逮捕を理由に解雇できるか
主人の会社の従業員がストーカー行為をしたとして逮捕されました。会社から遠方の警察署において逮捕勾留されているようで、詳しい事情確認が取れない状態にあります。
この状態の中、会社として処分が決定するまでは解雇できないのでしょうか。釈放されても継続雇用はしたくない意向なのですが、解雇をしても問題はないでしょうか。
逮捕を理由に解雇は可能か、そして解雇できるとしていつできるかをご教授願います。
弁護士の回答玉木 正明弁護士
解雇予告手当なしの解雇(即時解雇)が認められる場合として、通達は、
1.職場内での窃盗、横領、傷害などの刑法犯に該当する行為をした場合
2.賭博、風紀紊乱(ふうきびんらん)等により職場規律を乱し、他の社員に悪影響を及ぼした場合
3.採用のときに、重要な要素となる経歴を詐称した場合
4.他へ転職した場合
5.2週間以上の無断欠勤をして、出勤の督促に応じない場合
6.出勤不良で、数回にわたって注意を受けても改めない場合
7.会社の名誉や信用を著しく失墜させる行為をした場合
8.取引関係に著しい悪影響を与える行為をした場合
を挙げています。
7に該当する可能性があります。
労基署に7による除外認定を申請して、認められれば解雇無効が争われるリスクは低いです。
職場内で従業員が窃盗行為をしたケース
職場内で窃盗行為をした従業員は、懲戒解雇にできるのでしょうか。
従業員の窃盗 懲戒解雇 即日解雇が可能か
従業員の窃盗 懲戒解雇 即日解雇が可能かについて質問です。
うちは従業員1人の小さなお店の自営業で、就業規則はありません。ネットで就業規則がないと懲戒解雇できないと読みました。
従業員がお店の品物を継続的に盗んでいます。そのような状態では、また窃盗の恐れがあるので即日で懲戒解雇したいと思っています。
1か月前告知や、1か月分の給料を払ったうえでの即日解雇は避けたいのですが、就業規則がないと無理なのでしょうか?
なお、警察にはこれから相談に行こうと思っていますので逮捕される可能性はあると思いますが、どれくらい時間がかかるかもわかりません。
弁護士の回答玉木 正明弁護士
懲戒解雇と即時解雇は、ほとんど重なりますが、厳密には異なります。
懲戒解雇は、就業規則が必要です。今回は、就業規則がないので、懲戒解雇はできません。就業規則の作成義務がないのと、就業規則がなくてもできるというのは別概念です。
即時解雇は、解雇予告手当の支払いが不要になるというもので、労基法上の概念です。
即時解雇は、管轄の労基署の許可があればできます(厳密には、なくてもできるのですが、許可を取ったほうが無難です。)。