すでに商標が登録されていてもサービスの分野が異なれば同じ商標を登録することはできるのか【弁護士Q&A】

商標登録しようと考えていた名称がすでに他の商標として登録されていた場合、商品やサービスの分野、サービスを展開しようと考えている地域などが異なっても商標登録をすることはできないのでしょうか。 また、商標を出願するとき、弁理士や弁護士ではない第三者に依頼することはできるのでしょうか。 「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. すでに同じ商標が登録されている場合
  2. 商標登録は遠く離れた場所でも無効なのか
  3. 誰でも出願手続きできるのか?

すでに同じ商標が登録されている場合

すでに登録されている商標が存在する場合、商品やサービスの分野が異なっても同じ商標を登録することはできないのでしょうか。

商標登録についてのご相談

商標登録についてのご相談 登録しようとしている商標と同じタイトルの映画がありました。

映画はあまり知られていない映画のように思います。実際、私も家族も知りませんでした。

著名なタイトルがNGになるのはわかるのですが、あまり知られてないような映画でもNGになることがあるのでしょうか?

富永 慎太朗の写真 弁護士の回答富永 慎太朗弁護士 有名でない商標であったとしても、商標登録されており、登録しようとしている商標と、商標が使われている商品・サービスの種類が類似しているのであれば、NGになります。

逆に言えば、完全に一致する商標があるとしても、商標の使われている商品・サービスの種類が類似していなければ、商標登録は可能です。

絶対的な基準ではありませんが、商標の使われている商品・サービスの種類が類似しているか否かは、類似群コードによって判断することが可能です。登録しようとしている商標を使う予定の商品・サービスがどの類似群コードに当たるかを調べ、その類似群コードが登録商標に付されている場合、原則として商標の使われている商品・サービスの種類が類似していると判断されます。

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商標登録は遠く離れた場所でも無効なのか

地域が離れているケースでは、どう扱われるのでしょうか。

同一屋号の商圏違い。商標侵害、差止め請求は可能か。

同一屋号の商圏違い。商標侵害、差止め請求は可能か。 はじめまして。美容サロンを経営してる者です。10年ほど創業から経っており、会員数は10万人を越えています。

数年前より同じ屋号のお店が出店しています。

この度屋号を商標登録いたしました。規模は弊社のほうが大きいですが、商圏が関東、関西で異なります。業種は全く同じで、メニューも類似しています。今後、その地区に出店を考えています。

このような場合、相手側に差止め請求、損害賠償請求などは可能でしょうか?宜しくお願いします。

影山 博英の写真 弁護士の回答影山 博英弁護士 商標登録出願の時点で「現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する」とされています(商標法32条1項)。

貴社が商標登録を出願された時点で競合他社の屋号がその商圏内で広く認識されていた場合には、当該商圏内で競合他社がその屋号を使用しても商標権の侵害とはならず、貴社が差止め請求、損害賠償請求をすることは出来ません。

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誰でも出願手続きできるのか?

弁護士や弁理士以外の第三者が商標の出願をすることはできるのでしょうか。

商標の出願を依頼されました(当社弁理士事務所ではありません)

商標の出願を依頼されました(当社弁理士事務所ではありません) 当社では会社名のロゴ制作、デザインなどを行うことがあるのですが、お客様からワンストップで商標の登録までやって欲しいと依頼されました。

当社では付き合いのある弁理士事務所に依頼して、実際の手続は行うつもりはないのですが、出願手続きをしたり、書類を作成しなくても、商標登録の手続を請け負っただけで法律に違反するのではないかという意見が出ています。(弁理士法とか弁護士法とか?)
実際にやらなくても、単なる取次でそこに利益も載せないならば法律に違反するまでには至らないのではないかと思っていましたがいかがでしょう?

田中 伸顕の写真 弁護士の回答田中 伸顕弁護士 1 弁理士法75条(弁理士又は特許業務法人でない者の業務の制限)
 弁理士又は特許業務法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、特許、実用新案、意匠若しくは商標若しくは国際出願、意匠に係る国際登録出願若しくは商標に係る国際登録出願に関する特許庁における手続若しくは特許、実用新案、意匠若しくは商標に関する行政不服審査法の規定による審査請求若しくは裁定に関する経済産業大臣に対する手続についての代理(特許料の納付手続についての代理、特許原簿への登録の申請手続についての代理その他の政令で定めるものを除く。)・・・の作成を業とすることができない。

2 したがって、弁理士(もしくは弁護士)ではない者は、報酬を得て出願などの仕事を行うことはできません。

3 そのため、ロゴ制作のデザインなどを受ける際に、懇意にしている弁理士の先生を無料でご紹介する、というのであれば問題ないかと思います。
ただし、自社のサービスの一部だとして、弁理士の先生を紹介するといったことを明示せずに、出願などの仕事も併せて請負うかのように表示することには、上記1および2との関係で問題が生じると考えられます。

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