株主が死亡した場合、株式会社がするべきことは
死亡した株主から、株式を相続したと主張する遺族が現れた場合、どうやってそのことを確認すればよいのでしょうか。
死亡した株主の代理出席者の議決権の有無
近く株主総会が開催されます。株主への案内を出した先の名義人が死亡しており、名義の書換がなされておりません。
このような状況で相続人と思われる(妻)から出席の通知が来ました。その方に議決権はあるのでしょうか?またどのような対応をすれば良いか教えてください。
弁護士の回答新保 英毅弁護士
株主が死亡した場合、基本的には、株式は相続人に相続されます。
相続人間で遺産分割協議により株式を相続する者が決まれば、その者が株主となります。
相続人間で遺産分割協議が未了の場合は、相続人による準共有状態となり、相続分の過半数により代表者を選出し、代表者において議決権を行使します。
会社としては、相続人全員がわかる戸籍関係書類、遺産分割協議書あるいは相続人間で相続分の過半数により代表者を選出した届出書の提出を求め、死亡株主の妻が当該株式を取得したこと、ないし、代表者に選出されたことの証明を求めるべきです。
上記証明を確認した上で、議決権行使をさせればよいでしょう。
株主の相続人がわからないとき
株主が死亡したことは把握していても、誰が相続人かわからず、誰も名乗り出てこないような場合、株主総会の招集通知は出さなくてよいのしょうか。招集通知を出す必要がある場合、どうやって相続人を調べればよいのでしょうか。
相続人への株主総会の招集通知
株主が死亡して相続人の住所が分からない場合、株主総会の招集通知を出す必要はないでしょうか?
弁護士の回答新保 英毅弁護士
誰が相続人かは、被相続人(株主名簿の名義人)の戸籍を辿っていけば分かりますし、相続人の戸籍の付票を取れば住民票の所在地は分かります。
なお、株主が死亡した場合、遺産分割協議が未了の間は、当該株式は共同相続人の準共有状態となり、相続人間で議決権行使者を指定して会社に通知すれば、その議決権行使者が議決権行使できることになります。
具体的には、お近くの弁護士に相談された方がいいでしょう。
弁護士の回答岡田 晃朝弁護士
株主が死亡して相続人の住所が分からない場合、株主総会の招集通知を出す必要はないでしょうか?
いえ、出さなければ問題でしょう。戸籍を調査して、相続人に連絡しましょう。相続人が会社の経営に興味を持たない場合は、株式の買取なども検討したほうが良いかもしれません。