企業が秘密保持契約(NDA)を結ぶときの注意点とは【弁護士Q&A】

会社が取引をする際、相手方が取引をする上で知った顧客情報などを第三者に漏らしたりしないよう、秘密保持契約(NDA)を結ぶことが一般的です。 この記事では、秘密保持契約を結ぶときの注意点を、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 秘密保持契約の対象となる情報は何か
  2. 無期限の秘密保持契約は作れるか
  3. 三者間での秘密保持契約について

秘密保持契約の対象となる情報は何か

秘密保持契約の対象はどのような情報でしょうか。

秘密保持契約について

秘密保持契約について 秘密保持契約書について教えて下さい。ベッドメイキングの仕事です。

この場合、個人情報、就業規則、その他どのような事が秘密保持契約になりますか?

村上 誠の写真 弁護士の回答村上 誠弁護士 業務上知り得た情報で、それが外へ漏れた場合には、お客様や宿や、あなたが働いている会社などの関係者が困る可能性があるものであれば、そのすべてが秘密保持の対象となりますので、「業務上知り得た情報を漏洩してはならない」と規定しておけばいいと思います。

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無期限の秘密保持契約は作れるか

秘密保持契約は、期間を無期限に定めても問題がないのでしょうか。

秘密保持契約について

秘密保持契約について 秘密保持契約の契約解除後も、情報漏洩などによる相手方から当方への差止請求権の行使権は永久にあるとか、契約解除後も開示情報が企業秘密である場合は当方は永久に秘密保持義務があるとの条項があります。

このような無期限な義務を負う事は一般的なのでしょうか?

浅野 剛の写真 弁護士の回答浅野 剛弁護士 秘密保持条項については、存続期間を無制限とする場合もありますが、一定の期間に限定することが多いです。

無制限とするか、一定の期間に制限するかは、開示される情報の重要性や陳腐化のスピードとの関係で定められることになります。

齋藤 健博の写真 弁護士の回答齋藤 健博弁護士 定め自体は少なからず見かけます。

特に、相手先が力関係が上な場合に、永久の秘密保持を求めてくることが多いです。しかし、そのように縛りつけても、公序良俗に違反で無効主張できる可能性があります。また、いずれ情報は陳腐化しますので、縛りの意味が無くなるのが通常です。

もう少し踏み込むと、情報が陳腐化しないような、開発競争が活発でない分野については、情報の価値自体あまりないということもいえるため、期間を気にする必要はないということもいえると思います。

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三者間での秘密保持契約について

最後に、業務委託契約を締結する際の秘密保持契約は、どうすればいいのでしょうか。

三者間で業務委託契約と秘密保持契約をどう締結すべきか。。。

三者間で業務委託契約と秘密保持契約をどう締結すべきか。 小さな会社で社内に法務担当部署がないため相談させてください。私自身は営業担当のため、法律に関する知識は少ないです。

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A社(発注主。一部上場の大企業)
B社(弊社。知名度の低いベンチャー企業)
C社(弊社の委託先。知名度の低いベンチャー企業)の3社があります。

B社は、このたびA社からシステム開発案件を新規受注しました。

※過去の他社からの案件では、B社は開発業務の一部をC社に再委託し業務を遂行するという形で運営してきました。

今回、A社とB社で業務委託契約を締結しNDAも締結しますが、以下がA社からの希望です。

・A社は情報漏えいに非常に敏感な企業のため、リスクを最小化させるためのスキームを別途検討してほしいと言われています。

・A社は大企業であり、C社を新規取引先として社内稟議を通すのは非常に難易度が高いと言われており、B社がフロントに立ってすべて仕切ってほしいと言われています。

これらを踏まえて、A社の要望を満たすにはどのような組み方が理想でしょうか?

たとえば、こんなことできるのかわかりませんが、私が現在考えている案は以下の通りです。
・案1:A社-B社:業務委託契約締結、NDA締結。B社→C社への発注の際に秘密保持を義務づける契約を結ぶ?
・案2:A社,B社,C社三者間でNDAを締結し当事者扱いにする。ただし業務委託契約はA社→B社、B社→C社で締結

上記のようなスキームは法的に問題ないでしょうか?他にもA社が納得しうる組み方があればご教示くださいませ。

小川 和聖の写真 弁護士の回答小川 和聖弁護士 > ・案1:A社-B社:業務委託契約締結、NDA締結。B社→C社への発注の際に秘密保持を義務づける契約を結ぶ?

→法的には問題ありません。

> ・案2A社,B社,C社三者間でNDAを締結し当事者扱いにする。ただし業務委託契約はA社→B社、B社→C社で締結

→NDAと業務委託の締結主体をずらすのは一般的ではない印象ですが、法的には可能です。

結論を申し上げますと、A→B業務委託及びNDA、B→C再委託及びNDAとして、A→Bの中でCからの漏えいについても自社と同様の責任を負う、あるいはBC間NDAを義務付けるという形が一般的かと存じます。

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