代表取締役や会長を解職・解任できるのか【弁護士Q&A】

社内でパワハラ行為などを繰り返す会長を辞めさせるにはどうすればよいのでしょうか。 また、代表取締役を辞めさせることができるのは、どのようなケースなのでしょうか。 「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

目次

  1. 問題行動を起こす会長は解任できるのか
  2. 仕事をしない代表を解任できるのか

問題行動を起こす会長は解任できるのか

パワハラなどの問題行動を起こす会長を解任するにはどうすればよいのでしょうか。

パワハラの会長を解任したい

パワハラの会長を解任したい 私は主人の会社に勤めています。

主人は、従業員だった会社を3年前に前社長が高齢で身内で跡を引き継ぐものがいないということで、株をすべて買い取り会社を引き継ぐことになりました。前社長は会長になり現在も週1回出勤しています。

私は主人が社長になる時に会長からの条件で、「身内で経理のできるものを」という事で勤めていた会社を辞め入社しましたが、入社後すぐからパワハラが酷く、会長出勤の日は出勤できなくなりました。

小さな会社で、みんなで助け合い私のこともみんなでかばってくれていましたが、他の社員にもパワハラが酷くなり、従業員も会長出勤の日は休みたいと言い出しました。

今は会長が出勤してもこれといった仕事はありません。

朝一番に出勤し、誰もいない時に私や社長の机の引き出しをチェックしたり、社長のカバンの中を勝手に開けたり、金庫も毎回開けています。注意しても何も聞いてもらえません。

自分の退職金、株の買い取り金、自分の奥さんの給料、退職金、今現在の給料など会長の言うがままの金額を支払いしてきました。お金と社会的地位、名誉は残したままで責任はすべて放棄して会社や社員のこと考えないこのような現状です。

会長に出勤してもらわないということができるのでしょうか?またできれば役員も辞めてもらいたいのですが、このような理由で解任はできるのでしょうか?任期は5年残っています。

鐘ケ江 啓司の写真 弁護士の回答鐘ケ江 啓司弁護士 取締役ということですかね?その会長は。株主総会を開いて解任ということが考えられますが、任期途中での解任に正当な理由がないとされれば、残る任期の報酬について損害賠償請求がされるおそれがあります。

まずは不満点についてまとめた上で、その点を改善するように文書で求めるべきだと思います。その手順を踏んで、それでも従わないということであれば解任による賠償請求のリスクも減るでしょう。慎重な対応が必要ですので、弁護士に面談相談をして、依頼をして進めた方が良いと思います。

岡田 晃朝の写真 弁護士の回答岡田 晃朝弁護士 株を買い取ったということですので、株主はあなたのご主人でしょう。会長とは法的には取締役会の長をいいますが、一般にはそうでないこともあるようです。

その会長たる人物の地位を確認しましょう。取締役ならば、解任すればよいでしょう。解任は自由です。正当事由が無ければ損害賠償は必要ですが、解任自体は出来ますし、相手の行動からすれば警告してもその行動を辞めないのであれば、正当事由を検討できる余地もあるでしょう。

役員ですらないならば、単に立ち入りを拒否すればよいでしょう。相手の都合は無視でよいでしょう。

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仕事をしない代表を解任できるのか

次に、取締役会を開く義務があるにもかかわらず、取締役会を開かない代表を解任させることはできるのでしょうか。

代表取締役解任の方法について

代表取締役解任の方法について 取締役会設置会社で取締役会通知なく開いていないことを理由に代表を辞めさせる事はできますか?

青山 知史の写真 弁護士の回答青山 知史弁護士 取締役等の役員については、株主総会決議によっていつでも解任できるとされており(会社法339条1項)、必ずしも解任について、理由等が必要になるものではありません。

もちろん、決議にあたっては、相応の理由を示す必要もあるかと思われますが、取締役会の招集にあたっては、全員の同意がある場合を除いて通知を発する必要があるとされており(会社法368条1、2項)、こうした法律上の定めに反した招集や運営をしている取締役であれば、解任を求める理由としても相応なものと思慮いたします。

なお、任期途中での解任がなされた場合、解任に正当な理由がない限り、当該役員は会社に対して損害賠償の請求ができるとされています(会社法339条2項)。

賠償義務を左右する「正当な理由」の判断にあたっては、職務執行を委ねられないと判断するのもやむを得ない客観的な事由等が求められるため、ご記載の事情のみで足りるかは、慎重に吟味をする必要があるかと思われます。

こうした解任の可否やその後の賠償義務の有無の検討をされたい場合には、詳細なご事情を交えながら、個別に弁護士に相談されても良いかと思慮いたします。

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