下請業者に対する対応で法的に注意すること|納品の時間指定や注文のキャンセル事例をもとに解説【弁護士Q&A】

発注している立場であること背景に下請業者に対して理不尽な要求をしたりすることは下請法違反に問われる可能性があります。 この記事では、納品物の受取時間の指定や、元請業者の都合で注文を途中でキャンセルするといったケースを題材に、どのような問題が生じうるのかを「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

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目次

  1. 下請業者からの納品物の受け取り時間は設定・変更できるのか
  2. 突然注文キャンセルしたら問題あるのか

下請業者からの納品物の受け取り時間は設定・変更できるのか

下請業者から納品される物を受け取るとき、受け取り時間を設定・変更することは問題があるのでしょうか。

下請業者からの納品物の受け取り時間設定について

下請業者からの納品物の受け取り時間設定について 下請業者との取引について受領時に受け取り時間を設定することは問題になるか、ご教示いただきたくご質問があります。

1.弊社は就業時間が8:30~17:15となっています。その時に納品の受け取り時間を16:00までに下請業者にお願いをすることは、受領拒否等に違反する恐れはありますでしょうか?
 
2.また受け取り時間を設定する場合、お互いに協議をし合意したうえであれば問題ありませんでしょうか?

岡田 晃朝の写真 弁護士の回答岡田 晃朝弁護士 > 1.弊社は就業時間が8:30~17:15となっています。その時に納品の受け取り時間を16:00まで
> 下請業者にお願いをすることは受領拒否等に違反する恐れはありますでしょうか?
>

何らかの特殊事情で嫌がらせのようにしない限り(例えば、納品が必ず16時を超える事情があると知りながら、嫌がらせでするような場合を除いて)、常識的な限度ですし、不当な不利益とまでは言えないと思います。

>  
>
> 2.また受け取り時間を設定する場合、お互いに協議をし合意したうえであれば
> 問題ありませんでしょうか?

これは問題ないでしょう。

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突然注文キャンセルしたら問題あるのか

では、元請業者の都合で突然注文を取り消す場合、どのような問題があるのでしょうか。

下請業者に注文数を変更することについて。

下請業者に注文数を変更することについて。 親事業者Aより下請業者Bに組立作業の注文をしました。注文数は10個になります。

下請業者Bの組立作業が8個まで完了した際に残りの2個に親事業者Aの責による問題が判明しました。
そこで上記の件について2点ほどご相談があります。

1.作業が完了している8個については親事業者Aに納品してもらい8個については検収をする。残りの2個については注文取消しをする。
残りの2個を取消しする際に下請法上、問題になることはありますでしょうか?

2.もし、残り2個を取消すことで下請業者Bに費用が発生した場合は、一度残り2個の注文を取り消した後に発生する費用を、別途下請業者Bに支払いすることは下請法上、問題になることはありますでしょうか?

鐘ケ江 啓司の写真 弁護士の回答鐘ケ江 啓司弁護士 下請法で考えられるのは、次の2つの条文です。

(親事業者の遵守事項)
第4条親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあっては、第1号及び第4号を除く。)に掲げる行為をしてはならない。
一下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の受領を拒むこと。

2 四下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に(役務提供委託の場合は、下請事業者がその萎託を受けた役務の提供をした後に)給付をやり直させること。

但し、前者は既に製品が完成している段階の条項ですので、後者が問題になります。

長澤哲也『優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析(第3版)』(商事法務,2018年3月)136頁
【発注の全部または一部を取り消す行為も受領拒否に該当する。もっとも、相手方が委託された製造等の業務を完了するまでの時点でキャンセルをしたり納期を延期したりすることは、受領拒否ではなく、取引条件の変更(または下請法が禁止する給付内容の変更)の問題として取り扱われ、受託業務完了後納品までの間のキャンセル等が受領拒否の問題として取り扱われる】


https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu.html
下請法講習会テキストの82頁からすれば、変更による費用負担をすれば問題ないでしょう。

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