貸株サービスを利用することはインサイダー取引になるのか【弁護士Q&A】

インサイダー取引とは、どのような場合に該当するのでしょうか。証券会社に株を貸す「貸株」サービスを利用することはインサイダー取引になるのでしょうか。 また、株を売るタイミングなどによってもインサイダー取引にあたる可能性があるのでしょうか。 「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

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目次

  1. 貸株もインサイダー取引?
  2. 会社の利益を知らなくてもインサイダー取引?

貸株もインサイダー取引?

まず、自社株を証券会社に貸して金利を得ることはインサイダー取引に当てはまるのでしょうか。

貸株はインサイダー取引に該当するか。

貸株はインサイダー取引に該当するか。 貸株サービスを利用し、証券会社に株を貸出して金利を受け取ることは、インサイダー取引に抵触する可能性があるでしょうか。

現在、私が保有している株は、通常に売買すればインサイダー取引と見なされる可能性が十分にあります。(なお保有している株数は、単元株の数倍程度で、大量保有等とは一切無縁です。)

売買でない貸株サービスの利用は、インサイダー取引に含まれることになるでしょうか。

高橋 淳の写真 弁護士の回答高橋 淳弁護士 インサイダー取引規制を定める金融商品取引法166条1項柱書では「売買等」をしてはならないと記載されており、株式の所有権が有償で移転することが「売買等」に該当するかについての一つのメルクマールとなります。

貸株のうち、所有権が移転する消費貸借型のものについては、見解は分かれているものの「売買等」に含まれるとする見解が有力です。

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会社の利益を知らなくてもインサイダー取引?

次に、会社の営業利益等が分からなくても、日々の仕事内容から会社の業績が推測出来る場合はインサイダー取引になるのでしょうか。

インサイダー取引になりますか?

インサイダー取引になりますか? 質問1
自社株の売買に関して、社員全員が商品の受注状況を端末でオンタイムで確認出来る場合、それを元に取引する事はインサイダーになるのでしょうか?

上記の受注状況から、会社予想に対して上回るか下回るか程度は予想が付きます。
ただ、粗利や営業利益等は経理部以外は分かりません。既に、大幅に利益が出ている、または保有期間が数ヶ月の場合、権利落ち日に配当を取って利益確定と配当を貰いたいのですが、上記からインサイダー取引になる場合は決算後に売ろうと思います。

質問2
会社予想では、良いと言われているが、実際の受注状況からはそれに届きそうにないと推測される場合、市場予想との乖離が生まれてしまいますが、これを元に取引する事は情報の非対称性を利用したインサイダー取引に該当しますでしょうか?

野田 隼人の写真 弁護士の回答野田 隼人弁護士 2つの場面を尋ねられているようですが、いずれも該当します。

金融商品取引法166条2項3号
当該上場会社等の売上高、経常利益若しくは純利益(以下この条において「売上高等」という。)若しくは第一号トに規定する配当又は当該上場会社等の属する企業集団の売上高等について、公表がされた直近の予想値(当該予想値がない場合は、公表がされた前事業年度の実績値)に比較して当該上場会社等が新たに算出した予想値又は当事業年度の決算において差異(投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)が生じたこと。

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