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「カワウソ10匹」タイから持ち出そうとした日本の女子大生拘束…どんな規制に抵触?
写真はイメージです(花火 / PIXTA)

「カワウソ10匹」タイから持ち出そうとした日本の女子大生拘束…どんな規制に抵触?

カワウソ10匹を無許可で国外に持ち出そうとしたとして、タイの警察当局は10月31日、日本の女子大生を拘束したことを明らかにした。

報道によると、女子大生は首都バンコクのドンムアン空港で、10月29日に成田空港に向けて出国しようとしたところ、空港の職員によって、荷物の中から、カワウソが発見された。女子大生はバンコクの市場でカワウソが売られているのが「かわいそう」だと思い、1匹1000バーツ(約3400円)で購入したという。

女子大生は違法性の認識はなかったというが、どのような法律に違反していると考えられるのか。国際的なカワウソの取引にはどのような規制があるのか。渋谷寛弁護士に聞いた。

●コツメカワウソはワシントン条約で規制の対象に

「ワシントン条約に関連するタイの外為法(外国為替及び外国貿易法)に相当する法律に違反していると考えられます」

ワシントン条約にはカワウソはどう位置付けられているのか。

「女子大生が持ち帰ろうとしたカワウソの正確な種類がわからないのですが、コツメカワウソだとすればワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の規制の対象になります(附属書Ⅱ)。

ワシントン条約では、絶滅の危険性の程度により、輸出入そのものを禁止する動植物と輸出入は認めるが輸出国の許可が必要な動植物に分けています。

コツメカワウソをタイ国外に輸出するには、タイ国政府が発行する輸出許可証が必要になるでしょう。女子大生は、カワウソをタイ国外へ持ち出すに際し、輸出許可書を取得していなかったので、外為法に相当する法律の違反として身柄を拘束されたのでしょう。

ワシントン条約に関連する規制としては、生きている動植物だけではなく、毛皮、象牙なども含みます。海外で動植物関連のお土産を買うときなども、ワシントン条約の存在を忘れないことが重要です」

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

渋谷 寛
渋谷 寛(しぶや ひろし)弁護士 渋谷総合法律事務所
1997年に渋谷総合法律事務所開設。ペットに関する訴訟事件について多く取り扱う。ペット法学会事務局長も務める。

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