訴状や準備書面の「M月D日ころ」という表現
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訴状や準備書面の「M月D日ころ」という表現についてお聞きします。
原告被告間が、同じ職場にいるとか、近所に住んでいる、というように、
毎日のように顔を突き合わせ、毎日のように会話をしている場合、
それぞれの発言や意思の一致確認をした日付が、正確には思い出せず、
「M月D日ころ、原告は被告に対して、口頭でXXXの提案をした。
それを受けて被告はM月D日ころ、原告に受諾の旨、口頭で伝えた」
というような表現もあり、かと思います。
しかし、いろいろな訴状や書面を見ていると
「原告は居住地沖縄からM月D日頃、上京して被告と面会し、
その足で被告企業を訪問し、契約に至ったものである。
その契約の席上で、原告は追加案として口頭でXXXの提案を行い。
被告は同日ころ、口頭で受諾の旨を伝えたものである」
(甲X号証 M月D日付けの契約書)
というように、はっきりと書面その他で日付が特定できるにもかかわらず
「M月D日ころ」「同日ころ」
という表現を使う場合があります。
この「ころ」ってのは何でしょうか?
ハッキリ日付を特定しちゃうと、後で修正が利かないから、わざとぼかした表現を使うのでしょうか?
でも上記の例なんて、沖縄からの上京、なんてのは、都内在住者が都内を電車で移動した、なんていう日常的な行動とは違い
いろいろな痕跡(チケット購入履歴や搭乗者名簿)もあるし、
原告は沖縄、被告は東京、と分かれていて、会うことはめったにないのだから、その記憶は鮮明だろうし
その日に交わした契約書まであるのだから、
その席上での発言なんて
「契約書を交わしたM月D日に、口頭で伝え、同日、口頭で受諾された」
とはっきり日付を確定してもよさそうに思いますが・・・
それとも「録音テープなどの確たる物的証拠がない限り、口頭発言の日付を確定して主張すると、相手方や裁判所から
”お前、なんでそんなに鮮明に記憶してるんだよ。お前の記憶力はそんなに正しいのか?
じゃあ、他に一つでも記憶間違いが判明した場合、お前の『記憶による主張』は全部否認させてもらうからな!”
という、退路を断たれないように、わざと「ころ」という表現を使うのでしょうか?
「ころ」の使い方に詳しい先生、お願いします。