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ベストアンサータッチして回答を見る監査役は「取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する」(会社法381条1項)と規定されておりますが、具体的にはご相談者様の仰るとおり、業務監査と会計監査とに分けて考えられております。監視監督義務というのは、取締役の業務執行に対する監視監督義務を意味すると存じますが、取締役のそれではなく監査役の役割と言うことであれば、業務監査権限のことを意味するものと存じます。従って、監査役としては、使い分けがあるものではないと思料致します。
我が国の監査役は一時期会計監査権限のみが認められる状態になっておりましたが、取締役(会)による監視監督の機能不全などの問題から、業務監査権限が復活し、今に至っている背景があります。
ただ、取締役(会)による監視監督が取締役の業務執行の適法性のみならず妥当性の問題まで守備範囲にしているのに対して、監査役の監査権限(監視監督)は適法性のみを守備範囲にするものと考えられているのが通説です。
現実には、監査役が業務執行の妥当性にまで言及する場合も多いですが、一応権限としては適法性の監視監督までと考えられています。
その理由としては、業務執行の妥当性まで監視監督をする=善管注意義務を負うと言うことになった場合、その違反として損害賠償責任まで監査役が負担すべきと考えることは監査役の立場から言ってもかなり荷が重いものになってしまい、容易に監査役を引受けることが出来なくなってしまい不都合であると考えられているからです。
従って、取締役の監視監督義務と、監査役の業務監査権限(=監視監督)とは、その内容として使い分けられております。
以上、ご参考にして頂ければと存じます。
この投稿は、2022年06月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。
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