任意団体 役員報酬規程の制定や変更手続きについて

公開日: 相談日:2021年02月12日
  • 2弁護士
  • 2回答

人格のない団体(任意団体で、法人税・消費税の納付義務なし)の常勤役員(1名)の報酬についてです。
現在、役員報酬は常勤役員1名のみ支給しており、月額報酬と年二回の賞与を支給しています。
この度、年俸制に変更することになり、若干ですが報酬が増額になります。

通常は、株式会社、社団法人等の役員報酬の制定や変更手続きについては、株主総会の決議や社員総会の決議を要すると思います。
こちらは任意団体で、それに代わるものは理事会ですので、理事会の決議が必要と思いますが、現在の社内規程には役員報酬についての記載がありません。(そこもかなり問題だと思いますが)

社内規程には、規程の制定・改廃は、会長の稟議決裁のみで可としているので、その解釈では、会長の決裁で役員報酬規程の制定や改廃も認められてしまいます。

また、新しく制定する役員報酬規程についても、理事会の承認を得ることなく、報酬額は会長が定めるとし、改廃については記載がありませんので、今後も会長と常勤役員のみが知るところになり、透明性がなくお手盛り状態となる可能性があります。

一般的には、総会での決議を必要とするのに、任意団体だからといって、このような手続きや規程内容で役員報酬規程を制定して問題がないのでしょうか。

997354さんの相談

回答タイムライン

  • 弁護士ランキング
    東京都6位

    大木 怜於奈 弁護士

    注力分野
    企業法務・顧問弁護士
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    お困りのことと存じます。

    > 人格のない団体(任意団体で、法人税・消費税の納付義務なし)
    > 年俸制に変更することになり、若干ですが報酬が増額
    > 任意団体で、それに代わるものは理事会ですので、理事会の決議が必要と思いますが、現在の社内規程には役員報酬についての記載がありません。(そこもかなり問題だと思いますが)
    > また、新しく制定する役員報酬規程についても、理事会の承認を得ることなく、報酬額は会長が定めるとし、改廃については記載がありませんので、今後も会長と常勤役員のみが知るところになり、透明性がなくお手盛り状態となる可能性があります。

    (取締役の報酬等)
    会社法第三百六十一条 
    「取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
    一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
    二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
    三 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
    略」

    ⇒おっしゃる通り、会社であれば会社法361条がお手盛り防止のための規定を置いています。
    他方、ご質問内容のような任意団体となると、団体自治が広く認められ、直ちに違法無効とはならないかと存じます。
    しかしながら、まさにご指摘のとおり、団体の民主的決定という観点からは大いに問題を孕んでいるかと存じます。

    役員報酬決議のみならず、規程の改廃、その他ガバナンスについて、お早めに弁護士にご相談されるなど、見直しを要するかと存じます。

    ご参考になれば幸いです。

  • 弁護士ランキング
    兵庫県1位

    岡田 晃朝 弁護士

    注力分野
    企業法務・顧問弁護士
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    権利能力なき社団とは、「団体としての組織をそなえ、②そこには多数決の原則が行なわれ、③構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、④しかしてその組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているもの」を指す(最判昭39.10.15)とされています。

    報酬については明確ではないですが、一種の財産管理に準じるでしょうから、まったく無制限だと権利能力なき社団とは言えない可能性もあります。
    そして、そうであるならば、組合や委任の話でしょうから、善管注意義務の問題が出てきます。

    つまり、いずれをとっても、まったく自由に流用できるということはないです。しかし、会社法のように明確な定めや手続きまでは要求されないでしょう。
    とはいっても、自分のもののように、組織のお金を好きに報酬にしたり、流用すれば、違法になる可能性はありますし、それについての訴訟は検討できるでしょう。

この投稿は、2021年02月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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