特許が認められなかった場合の、特許を受ける権利の譲渡に対する対価の返却

公開日: 相談日:2021年04月23日
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ベストアンサー

【相談の背景】
会社の同僚Aの話しです。

Aが仕事上で発明をし、それを個人で特許出願しました。その後Aは会社から仕事上での発明だから職務発明にあたると、特許を受ける権利の譲渡を要求されました。Aと会社は権利譲渡契約書を取り交わし、Aは合意した対価ももらいました。

しかしその特許は認められませんでした。

会社は特許が認められなかったのだからと、Aに対価の返却を要求しています。特許が認められなかった場合の条項は契約書にはありません。Aと会社が契約書を取り交わしたのは特許出願中でのことでした。

【質問1】
Aは会社に対し対価の返却を必ずしなくてはならないのでしょうか。

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    大木 怜於奈 弁護士

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    お困りのことと存じます。

    特許を受ける権利の譲渡を要求されました。Aと会社は権利譲渡契約書を取り交わし、Aは合意した対価ももらいました。
    しかしその特許は認められませんでした。
    会社は特許が認められなかったのだからと、Aに対価の返却を要求しています
    ⇒本件で、Aさんが会社から得た金員の対価とされたものが何かによって異なります。
    特許権の対価であれば、特許権が発生しなかったので、Aさんは対価を保持する権限はないので、不当利得などとして返還義務を負います。
    他方、特許出願する段階での何かしらの技術的な創作などが対価であれば、特許権が発生しようとしまいと、Aさんは対価を保持する権限があります。

    なお、上記のような定めがない場合、以下のとおり、特許法35条4項によって判断されますが、その対価は、原則として特許権であると考えられるため、Aさんは、対価を保持する権限はないので、不当利得などとして返還義務を負うかと存じます。

    特許法35条4項
    「従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ、若しくは使用者等のため専用実施権を設定したとき、又は契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等のため仮専用実施権を設定した場合において、第三十四条の二第二項の規定により専用実施権が設定されたものとみなされたときは、相当の金銭その他の経済上の利益(次項及び第七項において「相当の利益」という。)を受ける権利を有する。」

    ご参考になれば幸いです。

  • 吉浦 洋一 弁護士

    注力分野
    企業法務・顧問弁護士
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    >【質問1】
    >Aは会社に対し対価の返却を必ずしなくてはならないのでしょうか。

    職務発明にかかる特許を受ける権利を譲渡したことの対価ですから,仮にそれが特許にならなかったとしてもその対価を返還する必要はないと思われます。

    もっとも譲渡契約において,特許権が成立しなかった場合に返還する等の条項があった場合には,契約に基づいて返還する可能性が出てきますが,そのような記載がないのであれば,返還する必要性はないと思われます。

この投稿は、2021年04月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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