職務中の警察官(公務員)に肖像権はない

公開日: 相談日:2012年06月29日
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「職務中の警察官(公務員)に肖像権はない」
だから職務中の警察官の顔をビデオカメラで撮影しても
違法か合法かと問われれば、至って合法だ、
という話をよく聞きますが、真偽の程はいかがでしょうか。
法律解釈を交えてご教授いただければ幸甚です。

※実名弁護士からの回答のみを希望します。
ご教授の程、よろしくお願いします。

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    最高裁判所判例によると、以下のように判旨されています。

    「人は,みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する(最高裁昭和44年12月24日大法廷判決参照)。もっとも,人の容ぼう等の撮影が正当な取材行為等として許されるべき場合もあるのであって,ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。
     また,人は,自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益も有すると解するのが相当であり,人の容ぼう等の撮影が違法と評価される場合には,その容ぼう等が撮影された写真を公表する行為は,被撮影者の上記人格的利益を侵害するものとして,違法性を有するものというべきである。」(平成17年11月10日最高裁判所第一小法廷)

    最高裁は、「肖像権」という名称の権利自体は認めておらず,肖像権は,「みだりに容ぼう姿態等を撮影されない自由」と「自己の容ぼう等を含む写真を公表されない自由」として認められています。

    職務中の警察官であっても、上記判例から明らかなように、「みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する」ことになります。ただし、「撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべき」とされているから、職務中の警察官にに対するいわゆる肖像権侵害が「違法」認めらるのは、一定程度限定的な場合になると考えられます。

    以上のとおり、「肖像権が保障されていないから、警察官に対する撮影が違法ではない」のではなく、「肖像権は保障されているものの、種々の事情を総合的に考慮すると、肖像権侵害として違法となる場合は少ない」というのがより正確な理解でしょう。

この投稿は、2012年06月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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