社長の重大な過失とは

公開日: 相談日:2021年07月04日
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【相談の背景】
会社法に「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」とありますが、この「重大な過失」というのが分かりません。

【質問1】
会社が提供する製品やサービスによって利用者に損害が生じた場合、利用者は会社に損害賠償を請求することがあると思いますが、会社には支払い能力がないと言うことで社長が損害賠償を請求されることはありますか?

【質問2】
何が「重大な過失」で何がそうでないかと言うのは、基準とか具体例とかあるのでしょうか?

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    >会社には支払い能力がないと言うことで社長が損害賠償を請求されることはありますか?

    →あります。


    >何が「重大な過失」で何がそうでないかと言うのは、基準とか具体例とかあるのでしょうか?

    →基準はありませんが、具体的としては、
    ・代表取締役が取締役会を開催せずに会社業務を独断専行し、騙されて債務を負った結果会社が倒産した場合に、他の取締役が、代表取締役の監視義務を怠ったとして損害賠償請求が認めら得た事案や、
    ・倒産に瀕した会社の代表取締役が、取引先から支払い見込みのない商品を購入し、支払いができなかった場合に、代表取締役や他の取締役に対する損害賠償請求が認められた事案
    があります。

    ご参考になれば幸いです。

  • 寺田 弘晃 弁護士

    注力分野
    企業法務・顧問弁護士
    ベストアンサー
    タッチして回答を見る

    会社法上の問題についてお悩みとのことで大変お困りのことと存じます。当職をはじめ、弁護士からのアドバイスでお悩みが解消されれば幸いです。

    質問1 
    一般的には、個人より法人のほうが回収可能性が高いことから、法人に対する損害賠償請求を先行させることが多いと思いますが、仮に法人に目ぼしい財産がなく、他方で社長個人が多額の財産を保有しているような場合には、ご相談者様のお考えのように、社長個人に対する損害賠償請求を先行させることも考えられると思います。

    しかし、回収可能性と別の問題として、要件を満たすかどうかや証拠の有無など立証の問題があり、法人に対する損害賠償請求はできるが、社長に対する損害賠償請求はできないということも考えられると思います。

    質問2 
    「重大な過失」とは、一般に、わずかの注意をすれば容易に有害な結果を予見し、回避することができたのに、漫然と看過したというような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうとされています。
    過失は個別の事案ごとに、具体的な事実を勘案してそのときに要求される注意義務に違反したかどうかを判断するものなので、類似しない事案との比較をもって、過失や重過失の有無を検討するのが難しいと思います。

    似たような事案で過去に重過失と認定された例がないかを調査し、その事案との異同を検討することで、ある程度損害賠償請求が認容される蓋然性について判断をすることはできると思います。

    なお、重過失が何に対しての過失を意味するのかについても議論があり、一般的には、第三者に対する加害行為についてではなく、会社に対する任務を怠ったことについて重大な過失があれば責任が生じると解釈されています。会社に対する任務とは、例えば業務執行の監視義務や法令順守義務等があります。

    実際に、取締役の第三者責任が認められたケースとしては、著作権侵害や安全配慮義務違反の事例があります。

    重大な過失は個別の事案ごとに判断が必要ですので、新たなビジネスや現在のビジネスについて、役員に対する損害賠償請求のリスクを心配されているのであれば、一度お近くの弁護士にご相談されてみて、リスクの大きさや保険などその対策を検討されてみるといいと思います。

この投稿は、2021年07月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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