当方境界に接する隣地の雨水排水管埋設工事

公開日: 相談日:2016年12月23日
  • 1弁護士
  • 1回答

 お世話になります。

 2週間前から当方敷地(甲土地)の隣地(乙土地)で事前説明もなく、住宅建築が始まりました。現場でその不動産業者と立ち話したところ、新住宅のための雨水排水管を当方敷地と市道の境界に沿って埋設し、公共排水枡にまで接続する工事をするとの話を聞きました。
 具体的には、以下のようなものとのことです。
①甲土地と乙土地が接しているA市道のうち、甲土地とA市道との境界線全体に沿って土地を掘削し、隣地内部の雨水を流す排水管を埋設し、甲土地の先の公共排水枡まで接続する。
②このため、その境界線に沿って設けられている市のL字溝ブロック及び境界標を撤去し、ブロック部分の土地を掘り下げる。(工事中は当方敷地と市道との境界全面が塞がれ、出入りはできない)
③排水管を設置後は土地を埋戻し、L字溝ブロックや境界標も元に戻す。

 乙土地に関しては、次のような背景があります。
a) 乙土地と同じA市道に接し、乙土地の甲土地とは反対側の位置に丙土地がある。
b) 元々は乙土地と丙土地は一筆の土地の住宅地であり、この一筆の土地内部の雨水はその敷地内の排水管で乙土地内の排水枡に集められ、そこから間近にある公共排水枡まで地下排水管が設けられている。
c) この一筆の土地を買い取った不動産業者が乙土地・丙土地に分筆して販売し、半年後に甲土地に隣接する乙土地の住宅建設がこの度開始された。
d) 元々あったこの一筆の土地内部の排水管はこの業者が分断。敷設距離は同程度でも、今般予定しているものと同様の排水管埋設は丙土地と市道の境界にては行わない。

 寝耳に水で、建築業者に正式かつ詳細な説明を度々求めていますが、この件については何の回答もなく、住宅工事だけが急速に進められています。
 市にも確認したところ、業者からはA市道の占用や工事の許可申請は出されておらず、現状は市側から動くことはできないと言われました。

 また、市道に接する甲土地の上にはブロック塀や門があり、その境界の地下を横切って、当方住宅のためのライフラインが埋設されています。このような一方的な地下埋設工事によって、甲土地境界の軟弱化、構造物やライフラインの毀損、不動産価値の低減などを危惧しております。

 このような隣地の工事に対しては、実際に被害が発生するまでは黙認するしかないのでしょうか。

 よろしくお願いします。

511261さんの相談

回答タイムライン

  • 大谷 有紀 弁護士

    注力分野
    不動産・建築
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    建築等禁止の仮処分の申立をすることを検討されてはいかがでしょうか。

    保全の必要性が問題となり,相談者様に生じる「著しい損害又は急迫の危険を避けるために必要と認められること」の要件を満たさなければなりません(民事保全法23条2項)。

  • 相談者 511261さん

    タッチして回答を見る

    大谷先生
     ご回答ありがとうございます。

     お教えいただいた建築等禁止の仮処分の申立、是非検討してみたいと存じます。申立人の土地の所有権を被保全権利とし、その境界標及び境界を不明にする工事が所有権者の同意なくして強行という急迫の危険を避けることを保全の必要性の第一の理由として、他の事例を参考にしながら、案を考えます。
     ただ、対象となる「建築等」を直接損害を及ぼす境界近傍の排水管埋設工事に限定した方がはっきりしますが、その工事は住宅建築の建築確認に含まれておらず、かつ市の許可を全く受けていないものであるため、仮処分の審査対象となる法律行為といえるかどうか、迷うところです。

     実は、こちらのサイトに質問をさせていただいてから、当該建築の建築確認を与えた都道府県の担当部局を訪れ、その建築計画概要書を入手しました。そこには隣地(乙土地)に接する市道に雨水排水枡を新設し、そこで公共排水管に接続することが示されていました。しかし、その不動産業者が現実に準備している当方敷地(甲土地)と市道に乙土地のための雨水排水管埋設の記載はなく、そのための市道占用の許可が許可・認定等の欄には記載されていませんでした。実際に建築確認を行った財団法人担当者にもお会いしたところ、提出された申請書と説明の範囲でしか適法・正当性を判断しないとのこと。その住宅が正常に利用できるために必須の排水管を敷設するための市道占用ついても、財団法人から市へ問い合わせられ、許可申請がなされていないことが確認されました。
     その後、担当部局から業者に何らかの連絡がなされた様子。それまでは説明要求を無視していた業者がお詫びと釈明に来訪するようになりました。それでも無許可工事であることはなかなか認めようとしませんでしたが、現在は当方の主張に沿った工事計画の撤回を含む文書を準備するとの回答を得ている段階です。

     元々、急に始まった建築現場での立ち話で知り得た不動産業者の工事計画であり、いつ翻心して強行着工するかもしれません。その際には刑法第292条の2を根拠に緊急通報することも考えておりました。建築等禁止の仮処分の申立も並行して準備しつつ、関係行政機関との連絡、あるいは類似案件について地域コミュニティを通じて情報交換しつつ、最終的に解決に至るまでは警戒を緩めることなく対処したいと存じます。

     ありがとうございました。

この投稿は、2016年12月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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