マンション除却認定による建て替えと、賃借人の立ち退きについて

公開日: 相談日:2017年03月11日
  • 1弁護士
  • 1回答

現在、築40年のマンションを所有しており人に貸しております。
昭和56年以前旧建築基準法可での設計です。
数年ほど前に耐震診断をしたところ、当然のことながら耐震性に問題がある(震度6以上での倒壊の恐れ)ことと老朽化により、マンションの建替え等の円滑化による除却認定を受けて改築の話が進んでおります。
建て替えが決まったとすると、このような物件を賃貸に回している場合、立ち退きに際して借地借家法第28条による契約更新拒否の正当な理由に当たるのかがきになっております。この件に関してよく「平成25年3月28日東京地裁立川支部判決」が参考になされます。しかし、この事例は賃借人たいして仮住まいの手配など、条件等が貸し手側に厳しく、実際の適用となると限定的な印象を受けます。
そこでお聞きしたいことは、除却認定が正当事由になりうるのか?
また、その場合、仮住まいの手配をはじめ立ち退き料など相当の保証が必要になると思われますが、かなりの負担を覚悟しないといけないでしょうか?先の判決をみますとURは相当手厚く、一般の借家人には難しい条件だと思われます。
さらに、現在のところ、その改築ですが、昨今の建設費高騰によりマンション建て替え事業に不透明感がともってきたため、可能なら一時的な耐震対策を施したうえで改築の先送り等が検討されております。しかも、居住者(オーナーも兼ねる)は高齢者が多く、居座りを決める方も少なくないと思われます。そうなってくると、先ほど言った正当事由というのも希薄になりかねないと思われますがいかがでしょうか?

532225さんの相談

回答タイムライン

  • 相談者 532225さん

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    単なる耐震強度不足とか、老朽化もしくはそれに基づく耐震性能の劣化という話と、
    「除却認定」というお墨付きがあるのとは、更新拒絶の正当理由としてその重要度は高まる恐れがあると思っています。
    ただし、マンション建て替えに対する費用の問題から、延命策として耐震工事ができたとすれば、その結果次第でしょうが、除却認定の威力が弱まる可能性があるとおもいます。

  • 秋山 直人 弁護士

    注力分野
    不動産・建築
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    除却認定がなされているということは,正当事由の有力な根拠として主張できますが,それだけでは十分でなく,正当事由を補完するため,相当額の立退料の提供は必要になると思います。

    H25.3.28東京地裁立川支部判決の事案は,貸主が公的な性格を有する独立行政法人の事案であり,民間の場合に,これと全く同様の補償を借主にしないと正当事由が認められないということにはならないと思いますが,それにしても相当額の立退料の提供は必要かと思います。

    おっしゃるとおり,延命策として耐震改修工事を行い,一定の耐震性が確保できた場合には,「除却認定」の正当事由としての意味は弱まるだろうと思います。

    H25.3.28東京地裁立川支部判決の事案では,耐震改修工事は経済合理性に反する(得られる効果に比べて,費用がかかりすぎるという意味でしょう)ので,除却がやむを得ないと判断されています。

  • 相談者 532225さん

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    早速ありがとうございます。
    立ち退き保障に関してはURも民間も方法は違えど同レベルのものを要求される可能性は
    高いと思います。賃借人の居住する権利というのは、貸し手にかかわらず平等でしょうかから。

    借地借家法における「正当理由」の厳格さには驚きました。
    耐震という人命にかかわることすら簡単には認められないということです。
    いうまでもありませんが、
    マンション建て替えに必要な4/5の賛成をとることも楽ではありません。
    しかも、その先の事業計画例えば多額の負担金、昨今の建設費高騰のあおりで負担金も
    膨らむことは確実で、賛成4/5を取った後のほうが大変なわけです。
    しかし、そうしたハードルを乗り越えていざ除却となっても、
    今度は賃借人に出て行ってもらうのは至難の業、
    これではマンション建て替えは法律的には可能でも実務では不可能に近いことです。

    借地借家法とマンション円滑化法がこういう部分で
    かみ合っていないことに問題がありそうです。
    今後法改正が望まれます。

この投稿は、2017年03月時点の情報です。
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