不動産評価における建物除却費の妥当性について

 鑑定評価基準では,建物およびその敷地の評価について,更地価格から建物除却費を控除して当該物件の評価額を算定することとしています。

 さて,弊社では,社宅・寮・事務所の統廃合を行っており,先般,ある社宅(本物件)の廃止を受け,わたくしが担当する部署(山口県担当)で売却することとなり,不動産鑑定士との事前相談では,最有効利用は,戸建分譲用地であるとの見解を得ました。

 なお,わたくしの担当部署(山口県担当)は,弊社の有休不動産を統括している部署(県内分)ですが,本物件の売却については,高額となるため,売却決定権限は本社(山口県担当では不可)です。

 一方,弊社は,戸建分譲用地の造成・販売を主とする関係会社(不動産会社)をもっていることから,本物件については当該関係会社に売却することとしました。
 
 この関係会社(不動産会社)への売却にあたっては,取引の公平性・透明性が求められること,本社の決定手続を経ることから,不動産鑑定評価額で取引する必要があります。

 このようなことから,鑑定士による不動産鑑定評価書(内示額)の作成を依頼し,これにもとづき関係会社と協議したところ,おおむね合意の見通しを得ましたので,本社に報告しました。
 
 ところが,本社から,建物除却費が高額であるとの指摘を受けました。
  
 このような状況ですが,不動産鑑定評価額については鑑定士に関する問題でありますので,弁護士さんに,次の点についてお尋ねします。

1.本社では,別の鑑定士による鑑定評価額を求める必要があるとか,建築会社に見積額を算定させる必要がある等の意見が出ているようですが,このような意見に対し,どのように感じられますか。

2.わたくしとしては,建物除却費の多寡の受止めは利害関係者間,内部牽制機能を働かせる場面では問題になるところだと思いますが,不動産鑑定士により評価が下された鑑定評価額は厳正に受け止め,これにより売却を進めても問題ないと考えていますが,どのように感じられますか。
ビジネスユーザさん
2012年09月02日 18時36分

みんなの回答

梅村 正和
梅村 正和 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 愛知県1 不動産・建築に注力する弁護士
ありがとう
>鑑定評価基準では,建物およびその敷地の評価について,
>更地価格から建物除却費を控除して当該物件の評価額を算定することと
>しています

→ これについては、鑑定評価の条件にもよりますが、原則は現況有姿を
前提として、土地および建物を評価するのが建前であり、
更地価格から建物除去費を控除するのは、あくまでも、取り壊し最有効の
ときだけです。
つまり、建物および土地として売却するよりも、建物を取り壊して土地だけを
売却した方が建物取り壊し費用を考慮しても高く売れるような場合だけです。

このような場合に、本社と現場とで意見が食い違うのは、
本社サイドでは、簿価としては建物にもそれなりの価額が残っており、
この建物価格と土地価格の合算額から見ると、
更地価格から建物除去費用を控除した金額があまりにも低くなってしまう
ようなときに、本社サイドから、何とかもう少し売却価額が高くならないか
ということで現場に対して圧力がかかったりするわけです。

そして、建物除去費用ですが、はっきり言って依頼する取り壊し業者によって
かなり異なります。
木造住宅・アパートの場合であっても、建物の床面積1㎡あたり5千円程度から
1㎡あたり2万円程度のところまで様々です。
したがって、本社から別の鑑定を依頼して、もっと高く売れるようにならないか
と指示が来るのは当然です。

鑑定評価は不動産鑑定士の意見であり、鑑定士によって異なる評価額が
出ることも多いです。
建物除去費用は、上に書いたように取り壊し業者によっても色々であるし、
取り壊す建物の敷地の前面道路の幅員が何メートルかとか周辺の土地利用状態とか
によっても異なり、かなり幅のあるものです。
鑑定評価を行った不動産鑑定士も、業者などに見積を依頼したり、電話調査などに
よって建物除去費用を出しているので、それらの情報が偏った情報である場合には、高めの除去費用になっている可能性もあります。
鑑定評価書は可能であるならば複数取った方が良いので、本社からの指示であるならば従った方が良いのではないでしょうか。

また、評価を行った不動産鑑定士に対して、建物除去費用を算定した根拠などを
尋ねても良いでしょう。

2012年09月03日 01時00分

この投稿は、2012年09月02日時点の情報です。
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